強迫性障害とは
強迫神経症/強迫性障害は、強迫観念と強迫行為からなる精神疾患になります。不快感や不安感を生じさせる思考が繰り返し思い浮かぶため、それを打ち消そうと不合理な行為を反復してしまいます(手を洗う、鍵のかけ忘れがないか確認する、など)。治療法が確立され、精神療法と薬物療法が併用されています。
強迫性障害の症状
強迫性障害の症状はさまざまです。日常生活におけるでき事や身体感覚、行動が引き金となって浮かぶ恐怖のイメージをコントロールできず、特定の回避行動などを繰り返すようになった状態です。不潔強迫の場合は、手などの汚れが気になり何度も洗う行為繰り返す洗浄強迫潔癖症を伴います。その他、外出や就寝の際に施錠や火の元を執拗に確認する確認強迫、他人を傷つけていないか気になる加害恐怖、疾病恐怖、不完全恐怖、順序・左右対称への強迫、数唱強迫、詮索癖、疑惑癖、計算癖などがあります。これらの症状が慢性化すると、パニック障害やうつ病などを合併するため注意が必要です。
強迫性障害の原因
強迫性障害の原因は、幼少期のトラウマ、体質、気質、潜在意識など主に心因性のものと考えられてきましたが、脳の画像研究から大脳の前頭葉皮質、基底核や視床下部などの連結固定化と活動過剰が認められ、神経回路の異常によるものと推定されています。また、多くの臨床研究では神経伝達物質セロトニンの代謝異常による疾患と示唆され、脳器質的な病気であると認識されるようになってきました。しかしながら、几帳面や完璧主義などの性格の人に強迫性障害が起こる傾向にあり、治療には薬物療法と精神療法の併用が効果的であることから、実際には生物学的要因に心理的要因が加わり、相互作用によって発症すると言われています。
強迫性障害の治療法
一時的な不安や恐怖回避の行動はどのような人にもありますが、強迫性障害の場合は強迫観念が固定化し強迫行動に依存する点が特徴的です。従って、強迫観念が堂々巡りしないよう体を適度に動かし、可能な限り普通の生活を心掛けましょう。また、強迫性障害の発症時期が小児期から青年期に多いことから、家庭での人間関係や環境の影響も考えられます。周囲の大人が子供に愛情やおおらかな気持ちを持って接することが大事です。そして、症状に気づいた時は早目に専門家を受診させ、症状や苦痛を理解してあげることが求められます。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください
「強迫性障害」に関するコラム一覧
気になって仕方がない!さまざまな強迫性障害と対処方法
2020年04月01日
《自己臭恐怖症》自分の臭いが不安...自臭症になりやすい5つのタイプ
2020年04月01日
キレイ好きと「潔癖症」は無関係? それってもしかして「強迫性障害」かも
2020年04月01日
「強迫性障害」に関するQ&A一覧
- 相談者:35歳/女性
- 相談日:2016年05月23日
強迫性障害によるうつ状態のため、デパスとスルピリドを処方され飲んでいました。スル...
- 相談者:35歳/女性
- 相談日:2016年05月17日
強迫性障害を長く患っています。パキシルを服用し、一時は10ミリまで減薬できました...
- 相談者:37歳/女性
- 相談日:2016年01月31日
いつもお世話になっております。 お寿司をてづかみでたべたあとは、 お店に...
- 相談者:37歳/女性
- 相談日:2016年01月31日
いつもお世話になっております。 お寿司をてづかみでたべたあとは、 お店に...
- 相談者:48歳/男性
- 相談日:2015年10月12日
私はとても神経質です。例えば、家の鍵を何度も何度もみたり気になってしまいます。こ...
- 相談者:36歳/女性
- 相談日:2015年08月11日
強迫性障害で、長年清潔をたもとうと必死になった結果、普通の衛生観念がもうわからな...
- 相談者:36歳/女性
- 相談日:2015年08月11日
強迫性障害で、不潔恐怖心とたたかっています。 自宅兼工房にて、菓子製造業を...
- 相談者:34歳/女性
- 相談日:2015年06月04日
強迫性障害の者です。 最近、新たに、外のゴミ箱に触れてしまったのではないかとい...
- 相談者:47歳/女性
- 相談日:2015年04月16日
主人に強迫性障害があり、なにか自分の気に入らないことがあると(大抵は汚いものに触...
- 相談者:29歳/男性
- 相談日:2015年02月23日
強迫性障害?または依存行為?で悩んでいます。 携帯の連絡先を何度も消したり、ク...
- 相談者:24歳/男性
- 相談日:2015年01月03日