男性不妊」かつてはあまり注目されておりませんでしたが、近年は研究や人々への認知が広がってきています。
女性不妊に比べて発症率も低いわけではなく、現在、不妊症は決して女性だけの問題ではなく、男性にも生じております。

そこで今回は「男性不妊」を引き起こす症状、治療方法などを、医師に解説をしていただきました。

男性不妊を引き起こす症状

近年の男性不妊を引き起こしている病名には、次のようなものがあります。

乏精子症


精液の中に精子の数がゼロではないが通常よりかなり少ないもの。精索静脈瘤などが原因となる場合があります。

無精子症


全く精液の中に精子がない症状です。
原因には先天性のものと後天性のものがあり、造精機能障害や鼠径ヘルニアの術後、精巣上体炎などが原因として挙げられます。

精子無力症


精子のうち、活発な前進運動を行うものが少ない症状。
原因は精索静脈瘤や精巣炎などがあげられます。

勃起障害


EDと呼ばれる勃起不全のことです。
ストレスなどによる心因性のものと、糖尿病など身体疾患が原因で起こるものがあります。

男性不妊チェックリスト

□陰嚢を触ると、中の精巣が小さいように思う
おたふく風邪などで高熱を出したことがある
停留精巣や鼠径ヘルニアの手術歴がある
性病にかかったことがある
□タバコを吸う習慣がある
□糖尿病など基礎疾患がある
□大量にお酒を飲む
□放射線や高圧、危険物を仕事で扱っている
□排尿時に痛みや違和感がある
□尿道から膿が出たり、精液に血液が混じる

5項目以上当てはまる方は「男性不妊」の傾向にあるかもしれませんので、お近くの医療機関で診断してもらうとよいでしょう。

男性不妊の治療方法

男性不妊に対する治療は、まず原因を突き止め、そのうえでお薬を使った治療や手術などが行われます。
お薬にはEDを改善するお薬やhCG、FSH療法、ビタミン剤、漢方薬などが用いられます。

精索静脈瘤などの手術も行われることがあります。

また、場合によって人工授精や体外受精が選択されることもあります。

体外受精とはなんですか?

体外受精とは、不妊治療の一種で、女性の体内から卵子を取り出し、身体の外で男性の精子と受精させて受精卵とし、培養したうえで女性の体内に戻すことで妊娠の成立を図るものです。

「精子」に対し良い影響を与える生活習慣

■1日3食、栄養バランスに留意した食事を心がけること

■夜間は十分な睡眠をとること

禁煙し酒量は控えめにすること

■性病の可能性があれば一刻も早く検査・治療を行うこと

■あまりにもぴったりしたジーンズなど締め付けるものは避けること

■不特定多数との性交渉(風俗など含む)はしないこと

男性不妊は珍しい症状ではない

10人に一人が精子に問題があるともいわれる現代、男性不妊は決して珍しいものではありません。

不妊の原因を見つけるためには、男性、女性の双方が適切な検査を受けることが大原則になります。

男性不妊の場合も、不妊治療の方法はいくつもあることも多く、まずは男性も妊娠に備えてしっかり自分の身体の状態を把握することが非常に大切になりますよ。

(監修:Doctors Me 医師)