数年前に「メタボリック・シンドローム」が話題になりましたが、現在においても「肥満」は健康を害する大きな問題となっております。

なんとなく肥満は体に悪い、といった認識のかたも多いかもしれませんが、実は体臭薄毛にも関連してくることをご存知でしょうか。

そこで今回は「肥満が招く6つの危険」と題し、肥満による身体への意外な悪影響を医師に解説していただきました。

肥満はどこからが肥満?

肥満には、いくつかの基準が知られており、主なものには以下のようなものがあります。

◎成人に対してはBMIを用いて計算した値で25以上を過体重、30以上を肥満と呼んでいます。

◎学童ではローレル指数160以上を肥満と呼んでいます。

◎乳幼児ではカウプ指数で18以上を肥満の傾向ありとしています。

◎体脂肪率で男性で19%、女性で25%を上回るものを肥満としています。

肥満が招く危険:1「がんリスク」

肥満は肝がん乳がん大腸がんなど、様々ながんに関連しているといわれます。

統計的にははっきりしていますが、他のライフスタイルとの関連もあって、明らかなメカニズムははっきりしていない場合が多いようです。

肥満が招く危険:2「高血圧」


■肥満があると循環血液が増えて心臓に負担がかかる

■インスリン抵抗性が高くなり、糖代謝に問題が生じて血圧が上がる

上記の理由によって、血圧が上がりやすくなり、高血圧となります。

肥満が招く危険:3「アルツハイマー」

海外の研究では、皮下脂肪の多い人はアルツハイマーになりやすいという研究結果を発表しました。

運動不足や糖質の多い食生活などがアルツハイマーの原因となるアミロイドβの分解を邪魔するといったことも言われています。

肥満が招く危険:4「体臭の悪化」


肥満があると、汗の量が増えやすく、こってりしたものを好む方が多いので肉類などの摂りすぎは体臭が強くなる原因になります。

肥満が招く危険:5「性腺機能障害」

皮下脂肪型の肥満では特に、ホルモンの低下によって子供では初潮が陰毛の発生が遅れたり、声変りが起こらなかったりすることがあるとされています。

肥満が招く危険:6「薄毛・抜け毛」


肥満があるかたは運動不足であることが多く、男性ホルモンで薄毛を招きやすいDHTと呼ばれるホルモンは運動により低下するといわれているため、運動しないと薄毛が進行してしまう可能性があります。

また、皮脂の分泌が多い方も多く、頭皮の毛穴が皮脂で塞がってしまうことは髪の毛のためにも当然よくありません。

肥満は医療機関で治療をおこなえる

肥満外来など専門外来を設けている医療機関もあり、そういったところでは肥満の患者さんに対して、血液検査や脂肪の状態などをチェックし、ダイエットプランを立てて健康的なダイエットを行う手助けをしてくれます。

医師からのアドバイス

肥満がある方は、出来たら解消できたらいいなと思っている方が多いと思います。

流行のダイエットもいいですが、地道に少しずつ運動量を増やしたり、ヘルシーな食習慣を心がけて、解消していけたらいいですね。

(監修:Doctors Me 医師)