子どもは夜中に急変することが多く、昼間は元気だったのに夜になると激しいが止まらない、なんて経験をされたママたちは多いのではないでしょうか。

夜中の咳は親子で寝不足を引き起こし、体力低下の原因にもなることもありますし、悪化してきた場合には、病院につれていくかべきかの判断に悩んでしまいます。

今回は子どもの夜中の咳について、原因、症状、懸念される疾患、病院に連れていく見極めポイントなど、詳しく医師に解説していただました。

原因


気管支喘息


気管支喘息は、熱はなく、呼吸のたびにゼエゼエという音がし、痰のからんだ咳が出ます。

交感神経の働きが落ちる夜に悪化しやすく、体を起こしていたほうが楽になるため、横になって眠ることができなくなります。

気道炎症


以下のような、細菌やウイルスの感染によるものが多いです。

風邪症候群
インフルエンザ
気管支炎
細気管支炎
肺炎
・クループ
百日咳
など

異物が詰まった


突然の激しい咳が出て、顔色が真っ青になります。

異物の位置が変わると、異物が取れていなくても一旦症状が治まることもあります。

気胸


気胸は、肺に小さい穴が空き、空気が漏れ出すため、咳と胸の痛み、呼吸困難感が出ます。

思春期以降で見られます。

気になる症状


熱がなく咳が止まらない


喘息、異物、百日咳などが考えられます。

熱のある咳が止まらない


気道炎症が考えられます。

咳と共に嘔吐


咳をし過ぎると、刺激で吐いてしまうことがあります。

咳する度に痰が出る


細菌やウイルスの感染による気道炎症や、気管支喘息では痰が出ます。

咳と鼻水が出る


風邪症候群やインフルエンザなど、気道炎症で見られます。

懸念される疾患


激しい咳のために気道が傷つき、また咳が出やすくなるという悪循環が起こります。

また、喘息発作が重症化すると重積発作という状態になり、人工呼吸器が必要になったり、死亡につながることもあります。

夜中救急につれていくかどうかの見極めポイント


ピークフロー値の確認


喘息の場合、横になって休めなかったり、ピークフロー値(ピークフローメーターという装置で計測する、どれだけ勢いよく息を吐けるかを表す数値)が50~60%を切っているようならすぐ受診しましょう。

会話ができないほどの状態


会話ができないほどの状態であれば救急車を呼んで下さい。

その他


ぐったりしていたり、肩で息をしたり、胸や肋骨の間がへこむほど苦しそうな場合、もしくは異物を吸い込んだ可能性がある場合はすぐ受診しましょう。

夜中救急でどのような治療が行われますか?


喘息の悪化と分かっている場合は、吸入薬や点滴、酸素吸入を行います。

その他の場合、レントゲンや血液検査の結果から、抗生物質の投与を行うこともあります。

市販薬は使える?


咳の原因が風邪であるなどと分かっている場合は市販薬を使用しても良いですが、原因が分からない場合や病院からの薬を使用している場合、症状が重い場合は市販薬の使用は控えましょう。

対処法


加湿


部屋の加湿、コップにお湯を入れて蒸気を吸わせてあげますが、やけどしないように注意してください。

マスクができる年齢であれば、マスクをすることで気道周辺の空気を加湿する効果があります。

痰を出してあげる


痰が貯まると咳が出やすくなるので、痰を出せるように、背中の様々な位置を指先で叩いたり、吐く息に合わせて胸を圧迫させます(スクイージング)。

水分補給


水分が不足すると痰が粘っこくなるので、水分を十分摂る。

上半身を起こす


クッションや布団を積み重ねて、上半身を起こした姿勢で休めるようにさせます。

寝る向きを定期的に変える


右を下、左を下など、寝る向きを変えて、痰が一か所に貯まらないようにしましょう。

最後に医師から一言


交感神経の働きが落ちる夜になると、気道の周りの筋肉の活動が変化し、気道が締まりやすくなります。

また、感染症の場合も夕方から夜にかけて熱が上がり悪化しやすく、夜は咳が出やすい時間と言えます。

夜に出る咳の対策を知っておくと安心です。

(監修:Doctors Me 医師)