レモンと言えば、料理に添えたり、果汁を絞ってかけたりといった脇役的なイメージがあると思います。
しかし、レモンには美容や健康にも効果的な成分が含まれている上、家事の際にも臭い取りなどで利用できるので、レモン活用術を知っておくと一石二鳥ですよね。
今回は、レモンの栄養成分・健康効果・おすすめ活用術・レモンレシピなどを、栄養士の横川先生に教えていただきました。
目次
レモンの栄養成分
ビタミンC
レモンと言えば1個に100㎎のビタミンCが含まれていることから、美容の味方ビタミンCの宝庫で知られています。
クエン酸
酸味の主成分であるクエン酸が含まれていることも有名です。
カリウム
むくみ対策になります。
ペクチン
便秘解消に役立つ水溶性食物繊維です。
ルチン
動脈硬化を防ぐとされています。
エリオシトリン
皮には抗酸化力が強いポリフェノールの一種である、エリオシトリンが含まれていることが特徴です。
エリオシトリンは他の柑橘類の30~100倍もレモンには含まれていると言われており、美容だけでなくメタボリックシンドロームや生活習慣病予防にも注目されています。
レモンの健康効果
美肌
メラニンの生成を抑え、シミやくすみ予防に役立つビタミンCが含まれています。
アンチエイジング
ビタミンCは優れた抗酸化力作用をもつ栄養素です。アンチエイジングが期待できます。
美腸
ペクチンが腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
ダイエット
クエン酸は糖質をエネルギーに変える働きがあり、新陳代謝のUPにつながりダイエットに有効です。また疲労回復にも役立ちます。
風邪予防
ビタミンCには免疫力を高める働きがあるため、風邪予防に最適です。
むくみ予防
カリウムは、塩分の排出をサポートしてくれるため、むくみ予防だけでなく、高血圧予防も期待できます。またレモンを料理に使うと酸味によって塩分が控えられるメリットもあります。
骨粗鬆症予防
クエン酸にはカルシウムを包み込み、体内に吸収を促す効果が期待できます。カルシウムの吸収率をUPさせ、骨粗鬆症予防に◎です。
リラックス
皮にはリモネンという芳香成分が含まれ、爽やかな香りで、リラックス効果が期待できます。
美味しいレモンの選び方
レモンを扱う際は、果汁がたっぷりあるものを選ぶことがポイントです。
レモンの皮で見極める方法
・皮が柔らかい→古い
・皮がかたすぎる→果汁が少ない
・皮がみずみずしく、適度なハリがある→果汁がたっぷりある
レモンを扱う際の注意点
食べる際は紫外線を避ける
実はレモンにはシミ予防が期待できる成分も含まれていますが、シミの原因となる「ソラレン」という紫外線に反応する成分も含まれています。
そのため、レモンを食べた後、長時間日に当たることのないようにしましょう。レモンを食べるなら紫外線が落ち着いた夕方以降がおすすめです。
大量に食べ過ぎない
レモンを食べ過ぎたり、口の中に留めたりしないようにしましょう。
レモンの酸によって歯のエナメル質が溶けてしまう酸蝕歯の原因になりやすいので、毎日、大量に食べるといったことがないようにすると良いです。
レモンと相性が良い食材・調味料
食材
・豚肉
・鶏肉
・焼き魚
調味料
・はちみつ
・お酢
・醤油
・オリーブオイル
・塩
意外と知らないレモン活用術
包丁の臭い取り
魚を切った後の包丁は魚臭さが残るものです。そんな時、レモンの切れ端でこすることで魚臭さが和らぎます。またレモンの皮でまな板をこすることで、まな板の黒ずみや臭い消しにもなります。
ゴミ箱の臭い消し
余ったレモンをティーバッグなどにいれ、ゴミ箱に入れるだけ。ちょっとしたゴミ箱の異臭の緩和に役立ちます。ドライレモンにしてお部屋やトイレの消臭芳香剤にしても良いでしょう。
鍋の汚れ取り
野菜を茹でた後の鍋汚れの原因は、野菜のアクです。鍋に水とレモンの輪切り1個分を入れてコトコト30分ほど煮てみましょう。汚れが落としやすくなります。
ちょっとした洋服のシミ抜き
シミ部分にレモンをこすりつけることでレモンの漂白効果が役立つこともあります。
角質取り
角質が気になるかかとやひじをレモンで擦ってみましょう。ガサガサの角質を柔らかくしてくれます。また塩もあわせても行うのもおすすめです。
女性におすすめのレモンレシピ
白菜と豚肉のレモンミルフィーユ鍋♪
■ 材料(2人分)
・白菜:1/4株
・豚バラ薄切り肉:200g
・大根:1/4本
・レモン:1個
(a) だし汁:3カップ
(a) 醤油:大さじ1
(a) 酒:大さじ1
(a) みりん:大さじ1/2
【トッピング】
・カイワレ大根:お好みで
【たれ】
・ポン酢:お好みで
■ 作り方
1. 白菜と豚肉を交互に重ね、鍋全体に敷き詰める。
2. 大根は皮をむいてすりおろし、レモンは皮ごと、輪切りにする。
3. 1に(a)を加えて火にかける。沸騰してきたら弱火にし、蓋をしてコトコト煮込む。
4. 3に火が通ったら、2のレモン・大根おろしの順で加え、ひと煮立ちさせたらカイワレ大根を飾って出来上がり。ポン酢と一緒に召し上がる。
■ ポイント
レモンは皮ごと使うため国産・無農薬など安全なものを使うと良いでしょう。
最後に横川先生から一言
レモンの酸味は唾液の分泌を促してくれるので、消化吸収をサポートしてくれます。よく噛むことと合わせ、レモンをお食事のお供に添えることで日頃頑張っている胃腸のケアに役立ててみるのはおすすめです。
参考文献
・野菜のソムリエ/青果物健康推進委員会 (監修)/小学館 (2003)
・野菜のソムリエ - 栄養と保存と調理の知恵「ベジフルキッチン」/日本ベジタブル&フルーツマイスター協会 (著)/幻冬舎 (2005)
・手づくり健康酢バイブル/金丸 絵里加 (著)/主婦の友社 (2016)
・らくらくねんきん暮らし vol.2/学研パブリッシング (編集)/学研パブリッシング (2014)
・完全保存版目からウロコのお掃除の裏ワザ/沖 幸子 (著)/PHP研究所 (2013)
・エコに楽しむお掃除BOOK/住まいと暮らしの雑誌編集部 (著)/主婦と生活社 (2015)
・すべて上手くいく!裏ワザ大全集 4冊セット/生活向上委員会 (著), 知恵袋研究会 (著), 裏行動経済学研究会 (著)/SMART GATE Inc. (2015)
・こんなに使えるレモン塩レシピブック/井澤 由美子 (著)/学研パブリッシング (2014)
・やっぱり塩レモン/柴田 真希 (著)/河出書房新社 (2014)
・今すぐ「それ」をやめなさい! Dr.モリタのやめるだけで健康になる50のヒント/森田 豊 (著)/すばる舎 (2016)
・本気で探す 頼りになるいい歯医者さん2017/頼りになるいい歯医者さん編集部 (編集)/学研プラス (2016)
プロフィール

- 監修:栄養士 横川 仁美
- 食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表。 お味噌汁レシピ研究家×薬機法に強いセールスライター。 管理栄養士を取得後、保健指導や重症化予防、ダイエットサポート、電話相談のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方の食のアドバイスに携わる。現在はコラム執筆・監修、レシピ作成、オンラインでのダイエットカウンセリングを中心に活動。 薬機法・景品表示法・健康増進法の知識も生かしながらさまざまなライティング活動を行っている