便秘の症状

便秘の症状


排便習慣や便の性状は個人差が大きく、その時々の食事や睡眠、運動の状態を反映します。

そのため、どこからが便秘という明確な線引きはありません。一般的には以下の症状が便秘と呼ばれています。

・排便が週に3回未満
・4回に1回以上は、残便感や閉塞感がある
・4回に1回以上は、強くいきまないと出ない
・4回に1回以上は、硬い便が出る 
・排便の回数が減少
・排便が困難
・硬い便が出る
・毎日排便があっても残便感がある状態


便秘に伴うさまざまな症状


腹痛
便秘だと必ず腹痛が起こるというわけではありません。しかし、けいれん性便秘や器質性便秘の場合は腹痛を伴うことがあります。

おなかの張り
腸の中に便やガスが溜まり過ぎることで腸の圧が上がり、お腹の張りとして自覚します。

口臭
長期間にわたって便が溜まってしまうと、腸の中で便が発酵し、腐敗することがあります。

溜まった便から発生した有害物質は、腸から血液中に溶け出し、息に交じることで口臭が現れます。

食欲不振
お腹の張りや痛みなどで、食べる気が起こらなくなることがあります。

吐き気
大腸の中に便が多く溜まると消化管の圧が上がり、吐き気が起こるのではないかと考えられています。

また、便を出そうとする自律神経(副交感神経)が働きすぎることで、吐き気を招く可能性もあります。

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便秘の原因

機能性便秘


消化管の機能低下が原因で便秘になるものです。
結腸通過時間遅延型、結腸通過時間正常型、便排泄障害型の3つに分類されます。

●結腸通過時間遅延型便秘
運動不足、食物繊維不足、過度なダイエットなどが原因で、腸の動かしてくれる筋肉がゆるみ、ぜん動運動が弱くなります。

長時間にわたって便が腸内に停滞するため、便は硬くなり、便秘を引き起こします。

●結腸通過時間正常型便秘
精神的ストレスや、過敏性腸症候群で、ぜん動運動が不安定になり、便をうまく運ぶことができなくなります。

コロコロとした便になることが特徴です。残便感があり、下痢や便秘を繰り返すこともあります。

●便排泄障害便秘
浣腸の使い過ぎなどで排便の反射がおこりにくくなり、排便しにくくなる病態です。

器質性便秘


腸に器質的な原因があることで、物理的に通過障害を起こしている状態です。

大腸がん直腸がん腸閉塞子宮筋腫などの病気が挙げられます。

症候性便秘


糖尿病パーキンソン病膠原病など、神経の動きが低下する病気は、腸の動きが正常ではなくなり、便秘を引き起こします。

医原性便秘


「医原性」とは、「医療行為が原因となって起こる」という意味です。

原因となる医療行為には、消化器・泌尿器・婦人科系の手術などが挙げられます。

術後、腸が一時的に麻痺したようになり、ガスや便が出にくくなることがあります。

●薬剤性便秘
抗うつ剤や医療用麻薬など、薬の副作用で便秘が起こることがあります。

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便秘の対処法

運動


体を動かすことによって、腸のぜん動運動を促すことができます。運動不足の人は、ストレッチやウォーキングなどから始めてみましょう。

水分補給


水分をしっかり補給して、便を軟らかくします。

食物繊維の摂取


食物繊維で便を軟化、膨化させることで排便が起こりやすくなります。ゴボウやきのこ類、セロリ、こんにゃくなど、食物繊維の多い食材をしっかり食べましょう。

ただし、機能性便秘の結腸通過時間遅延型では、食物繊維の摂取により停滞している便の容積が増大し、症状が悪化する可能性があるため、注意が必要です。

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善玉菌を増やす


ヨーグルトやオリゴ糖、味噌など、腸内の善玉菌を増やす役割のある食品を取り入れてみましょう。

ストレスの解消


精神的に強いストレスがかかると、自律神経が乱れ便秘になるとともに、吐き気が現れることもあります。

まず自分にとって何がストレスになっているかを分析し、対策をすることが大切です。 可能であれば、自分なりに環境調整をしてみてください。

市販の便秘薬を使う


市販の便秘薬を選ぶ際は、まず薬剤師に相談しましょう。便秘の原因や、慢性か急性かなどによって使う薬は異なります。

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受診する


便秘には病気が隠れていることもあります。腹痛、便が細い、排便時に下血を伴うなどの便秘がなかなか改善しない場合は、内科や消化器内科などを受診しましょう。

便秘を専門的に診る便秘外来がある病院もあります。

便秘の予防

日頃から意識して水分を補給する


水分が摂れていると、食物繊維が水分を吸収して便のカサが増えます。腸のぜん動運動も活発になるため、排便しやすくなります。

こまめに水分補給をして、便秘を予防しましょう。

特に、朝の水分補給が大切です。朝に水や白湯を飲むと、消化器官が一気に活動し始め、排便を促します。

ストレスの解消法を決めておく


自律神経のバランスを整えることで、腸の動きはスムーズになります。運動や音楽鑑賞、お風呂など、自分が癒やされるものでストレスを解消しましょう。

しっかりと睡眠をとる


睡眠は副交感神経を活発にし、排便のための腸の動きを助けます。自律神経と腸は切ってもきれない関係のため、睡眠は十分にとりましょう。

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