脳梗塞の症状

脳梗塞には体の半身の麻痺、舌がもつれるなどの症状があります。
脳梗塞かどうかを確かめるFAST(Face, Arm, Speech, Time)テストをおこない、一つでも当てはまればすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
・Face…顔の麻痺の確認。「イー」と発音させ、どちらかの口角が上がらないければ疑いあり。
・Arm…腕の麻痺の確認。目を閉じ、両腕を肩の高さまで水平に上げ、どちらかの手が下がってくれば疑いあり。
・Speech…短い文章を言わせて、はっきりと話せない場合は疑いあり。
・Time…すぐに救急車を呼ぶ。

また、発病前に一過性脳虚血発作(TIA)という前兆が出る場合があります。次のような症状を感じたときには注意が必要です。
・片手、片足、顔の半分など体の半身が動かしづらい
・細かい動きの運動ができない
・体の半身がしびれる
・ものが二重に見える
・視界の半分が欠ける
・ろれつが回らない
・人の言っている事が理解できない
・めまいがしてふらふらする
・ものが言いにくい(言語障害)

このような症状は数分~30分ほどで消えてしまうため、たいしたことはないと放っておくと手遅れになってしまうことがあります。TIAを感じた人の約5%が48時間以内に、30%が3か月から1年以内に脳梗塞を発症していると言われています。
これらの症状が回復しても安心せず、すぐに治療を開始することが重要です。

脳梗塞の原因

脳梗塞の原因は、脳血管の動脈硬化と心臓の不整脈です。これに高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などが加わると、動脈硬化がいっそう促進され、リスクが高くなります。
血管は加齢にともない硬くなっていくものですが、近年では食事の欧米化に伴い動脈硬化になる人が増えています。動脈硬化によって細くなった血管が詰まり、脳に血液が行きわたらなくなって脳梗塞を引き起こすのです。

不整脈は心房細動で心臓のリズムが乱れることによって血栓ができやすくなり、この血栓が心臓から脳へ送られて血管を詰まらせると脳梗塞がおこります。また、高齢者に起こりやすい上記の原因とは別に、45歳以下で発症する若年性脳梗塞の場合には抗リン脂質抗体症候群(血の塊ができやすい病気です)、奇異性脳塞栓症、もやもや病(脳の血管の異常です。)などに起因して発症することが知られています。
これらの症状がある人は若い人でもリスクが高まりますので注意が必要です。

脳梗塞の予防/治療法

高血圧、糖尿病、脂質異常症がある場合にはまずはこれらを治療して適性値に導くことが大切です。
喫煙を控え、食生活を改善し、適度な運動をするなど、血流を良くして血栓ができないような生活することが、脳梗塞の予防につながります。また、夏場は汗をたくさんかくため、気付かないうちに体の中の水分が不足して脱水症状に陥りやすくなります。
そうすると血液が固まって血管が詰まりやすくなるので、こまめに水分補給。水かお茶で良いですが、大量に汗をかいたときには塩分やミネラルを一緒に補給できるスポーツドリンクが良いです。
また、アルコール類には利尿作用があるため、体の中の水分が排出されてかえって脱水症状になってしまうことがあります。
お酒を飲むときにはコップ1から2杯の水分をとりながら、お酒は飲みすぎないようしてください。