バセドウ病の症状

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される事を、甲状腺機能亢進と言います。
甲状腺機能亢進による症状は様々です。甲状腺が大きくなることによる、首の腫れ、代謝が活発になるので、異常に汗をかいたり動悸や息切れ、手のふるえなどの症状も見られます。脈が速くなったり、体重が減ることもあります。

精神の活動にも影響があり、ちょっとしたことでイライラして落ち着きがなくなったり、眠れなくなる場合もあります。人によっては、髪が抜けるようになったり、トイレに行く回数が増える方もいます。
また、目に症状が表れる場合もあります。過剰な甲状腺ホルモンが、血管や気管などの臓器の壁を構成している平滑筋を刺激することによって、まぶたの筋肉にも影響を与え、瞼がつり上がったようになります。眼球の奥の外眼筋などに炎症が起きることによって眼圧が高くなり、眼球が圧迫されて前に出てくる眼球突出という症状が出る場合もあります。

バセドウ病の原因

人の体には、ウイルスなどの外敵が体内に侵入してきた際に、攻撃して排除しようとする働きがあります。これを免疫と呼びますが、まれに自分の体を外敵と判断して攻撃するための抗体を作って攻撃してしまう場合があります。これは、自己免疫疾患と言い、バセドウ病も自己免疫疾患のうちのひとつなのです。

バセドウ病の原因の全ては解明されておらず、なぜ甲状腺を過剰に刺激する抗体が作られてしまうのかは分かっていません。
しかし、この抗体がホルモンの過剰分泌の原因となって、常に甲状腺を刺激し続けてしまいます。
これにより、血中に甲状腺ホルモンが分泌され、様々な症状を引き起こすと言われています。原因が不明な部分があるため、完治するのは難しい場合もありますが、甲状腺ホルモンの分泌のコントロールを行うことにより、症状を抑えることも可能になってきます。

バセドウ病の予防/治療法

バセドウ病の明確な予防方法は明らかになっていませんが、ストレスが原因のひとつであるという見方もあるようです。長期的なストレスは、バセドウ病だけでなく、他の症状も引き起こす可能性がるため、生活習慣や環境を見直してみることも大切かもしれません。

また、各種症状を放置してしまう方もいるようです。バセドウ病患者は、20代〜50代の女性に多く、男性のおよそ4倍もの数になります。そのため、更年期障害と間違える女性も多くいるようです。
更年期障害は、食欲減退・症状が一時的に出る・欝状態になるなどの特徴がありますが、バセドウ病はその逆で、食欲が増進し、症状は長期的で躁状態になるのが見分けるポイントになります。

バセドウ病には、薬物療法や放射線療法・手術など様々な治療法があります。早期発見・早期治療を受けることが最善の対処方法なので、自覚症状がある場合は、早めに受診するべきです。放置すると心不全やバセドウ氏眼症、心房細動などになりやすいとされています。