毎月毎月女性を憂鬱にさせる「生理痛」 生理現象とはいえ、出来れば痛みを緩和したいものです。
しかし、この生理痛を緩和させる方法はさまざまありまして、意外なことで痛みが和らぐことも。

そこで今回は「どうにかしたい生理痛を緩和する7つの方法」を医師に解説していただきました。

生理痛の原因

痛み物質であるプロスタグランジンが多く分泌されている


生理時に、子宮内膜を剥がして、経血を体外に出す働きを促すプロスタグランジンというホルモンが過剰に分泌されるます。
下腹部痛や頭痛胃痛腰痛など身体の各所に痛みや不快感をもたらします。

子宮口が狭い


特に月経がはじまって間もない10代の女性などは子宮口が狭く、硬いために経血が子宮から出にくく、プロスタグランジンが余計に分泌されることがあります。

血行が悪い


喫煙や冷え、食生活などにより血行が悪くなっている場合にも生理痛が酷くなる場合があります。

婦人科系の病気


子宮内膜症子宮筋腫などの病気があると、痛みが著しくなったり出血量が増加したりすることが知られています。

生理痛の部位別の症状

お腹


重いような、鈍い痛みを感じます。
立っていられないほどの激痛を経験される方もいます。


生理の初めごろに鈍い痛みを感じられます。


ズキズキした拍動性の頭痛が、生理のはじまったころにある場合があります。


みぞおちの部分などに鋭い痛みを感じる方が多く、下痢をしたりする場合もあります。

その他


だるさや嘔吐、めまいや意欲の低下などの症状も比較的多くの女性に見られるようです。

生理痛の重い軽いは自覚的なものですが、市販の鎮痛薬を飲んでも収まらない、仕事や学校にいけないといった症状がある場合重いと言えます。

生理痛を緩和する7つの方法

1.薬


薬で生理痛を緩和する場合、一般的に頭痛などにも用いられることの多いNSAIDsと呼ばれる系統のお薬が多いと思います。
よく効くお薬ですが、空腹時に服用したり、長期間連用したりすると胃などを痛めてしまい、潰瘍を作ったり、ひどい場合はその部分に穴が開いてしまったりすることもあるので注意が必要です。

2.運動


腰を軽く回したり、寝そべって自転車こぎの運動をするなどは、骨盤周囲の血流改善に役立ちます。

3.マッサージやツボ


下腹のあたりを優しくさすったり、足の内側にある三陰交(さんいんこう)、おへその下の関元(かんげん)といったツボを押すことも生理痛の緩和に効きます。

4.身体を温める


・ゆっくりお風呂に浸かって温まる
・ひざ掛けなどで冷やさないようにする
・しょうがの入った甘酒など温かい飲み物を積極的に摂る

5.精神的に生理痛を緩和


生理痛含め、生理にまつわる症状には精神的なものも大きく影響することが知られています。
この時期はできるだけ仕事や勉強の負荷を軽くしたり、無理のない範囲で楽しみにできる予定を入れることで、意外と楽に乗り切れることがあります。
大きな決断は先延ばしにしたほうがいいでしょう。

6.食べ物や飲み物


食べ物・飲み物で生理痛を緩和する場合、一つ目のポイントはカフェインを含む飲食物を避けるということでしょう。
具体的には、コーヒーやチョコレート、それからエナジードリンクの多くもこれに含まれます。

カフェインは生理痛を強くしてしまう可能性のある物質として知られています。
また、痛み物質であるプロスタグランジンの材料となる動物性食品の摂りすぎも好ましくないですし、身体を冷やしてしまうかき氷や氷入りのドリンクなども避けましょう。

7.漢方


漢方でよく、婦人科系の異常に使われるものとして当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や加味逍遥散(かみしょうようさん)などがあります。
体質によって処方が変わってきますので、漢方に精通した医師や漢方薬局などで処方を受けましょう。

生理中にやらないほうが良いこと

お酒を飲む


アルコールは出血を増やしてしまい、また生理中はアルコール分解能の低下で酔いやすくなります。

ムダ毛処理


生理中はお肌が敏感ですので、肌に刺激を与えるような行為はやめたほうが無難です。

激しい運動


腹部に強い力をかけたり、極端に体力を消耗するような運動は避けたほうが良いでしょう。

医師からのアドバイス

子宮内膜症などの増加により、若い世代にも生理痛に悩む患者さんが増えていおります。

生理痛は、本来軽い腹痛程度のものです。
あまり強い生理痛がある方は、何らかの婦人科疾患が隠れている場合もありますので、婦人科の受診が必要ですよ。

(監修:Doctors Me 医師)