原因がはっきりしないけど、なんとなくいつも調子が悪い、そんな状態のことを「不定愁訴」といい、多くの幅広い年代の女性が悩まされているのではないでしょうか?

今回はこの不定愁訴について少しでも知ってもらおうと、原因から治療法、予防法、またセルフチェックまで、医師に詳しく解説していただきました。

不定愁訴とは


検査を行っても明らかな原因が見つからないような、心身の症状の訴えを指します。
様々な症状が同時に現れ、症状が時間とともに変化することもあります。

不定愁訴がなぜ女性に多いのか?


自律神経やホルモンバランスの乱れによる不調が女性には起こりやすいですが、自律神経やホルモンの状態については一般的な検査では異常を捉えることができにくいためと考えられます。

自己免疫疾患や内分泌疾患も女性に起こりやすいものがありますが、これらの病気による症状は、多彩な症状が組み合わさって現れるものの、一つ一つの症状が多くの病気によって起こりえるため、病気の絞り込みが難しい、とされています。

それゆえ、診断に至るまでに時間がかかり「不定愁訴」として処理されてしまうことがあります。

不定愁訴の原因

■ 自律神経やホルモンバランスの乱れ
■ ストレス
■ 免疫異常
■ 環境の変化
■ 疲労
■ ビタミン欠乏症、栄養失調(体力のない子供や高齢者に見られる)
■ 他の病気の初期症状

不定愁訴の症状

精神面


不安
・イライラ

肉体面


全身のだるさ
・痛み
・コリ
・しびれ
かゆみ
めまい
動悸
便秘
下痢
不眠
など体の各部位に多様な症状が現れます。

不定愁訴により懸念される病気


月経前症候群
更年期障害
甲状腺機能障害
うつ病
■ 身体表現性障害
パニック障害
全般性不安障害
適応障害
■ 慢性疲労症候群
線維筋痛症
膠原病
■ 栄養失調
などが背景にあることもあります。

病院での不定愁訴の治療法


受診科目


まずは内科などで症状に応じた検査を行い、異常がない場合は心療内科などで治療を行われることもあります。

検査内容


血液検査、画像検査などを行います。

治療法


薬の処方、カウンセリングなどを行います。

処方される薬例


症状を取る薬(痛み止め、睡眠薬など)や漢方薬を使用することがあります。

不定愁訴と漢方


漢方薬ははっきりとした病名のつかない不調に対しても使用されますが、同じ症状であっても一律に同じ薬を使用するわけではないです。

個々人の体質に応じて薬を選ぶため、不定愁訴に効く漢方が決まっているわけではありません。

不定愁訴は男性もなる?


男性にもホルモンの異常や自律神経の異常は起こりえますし、ストレスによる病気もあります。男性ホルモンであるテストステロンの減少に伴う、男性更年期という概念も近年注目されています。

不定愁訴 セルフチェック



□ 様々な種類の不快な症状がある
□ 生活や仕事に支障がある
□ 検査を受けても原因が分からない
□ 一般的な治療を受けても改善が乏しい
□ ストレスを感じている


【医師が監修】女性ホルモンの状態をセルフチェックしよう!