新型コロナウイルス感染症の発症者が再び増加傾向になっています。
それとともに、微熱や倦怠感、嗅覚異常などを訴える方も地域の診療所・クリニックを受診するケースが増えてきています。
今回は、日々地域の健康を守る「高座渋谷つばさクリニック」の武井智昭院長に、コロナ禍の中で地域の診療所・クリニックを受診する目安や受けられる検査、院内感染を防ぐポイントなどについて伺いました。
目次
風邪っぽい症状だけどコロナの不安。受診すべき?
新型コロナウイルス感染症の初期症状としてせき込みや鼻汁、咽頭痛、微熱などがあります。
生活に支障が出ている場合、または自宅安静をしても3~4日改善しない場合には、重症化する前にも受診をご検討ください。
特に、高血圧・肥満・糖尿病・その他の持病がある方は早期での受診をおすすめします。
新型コロナ症状を悪化させる持病とは?死亡リスク(致死率)との関係も解説します。
クリニックではコロナに関する検査は受けられる?
新型コロナウイルスの感染有無を判断するためには、鼻咽頭ぬぐい液あるいは唾液によるPCR検査を行うことになります。
各医師会や行政、保健所との取り決めにもよりますが、多くのクリニックではPCR検査は感染予防の観点から、行っておりません。
もし、新型コロナウイルスが疑われる場合には、診療所から医師会レベルでのウォークスルーPCR検査センター、あるいは新型コロナウイルス対応の基幹病院へ紹介されることがほとんどです。
ただ、一部の医療機関では抗原検査や抗体検査を実施しているところもあります。
コロナ禍での受診、注意点は?
新型コロナウイルス以外の基礎疾患がある方、例えば高血圧・糖尿病・気管支喘息・アトピー性皮膚炎の方は普段通りに受診をされて良いかと思われます。
その一方で、微熱がある、風邪症状がある、倦怠感があるなどの症状がある方は感染予防の観点から、また、医療機関においてもサージカルマスク・ガウン・フェースシールド・隔離部屋の準備などの必要がありますので、あらかじめ医療機関に電話でご相談をしてから受診されることをおすすめします。
院内感染が心配だけど大丈夫?
新型コロナウイルスに関しては多くの医療機関が院内感染を懸念しています。
このため、受付時での発熱・咳嗽の有無など相当な配慮を行っております。
また、発熱者や風邪症状がある方は別の入り口から入る、駐車場で待機するなどの対策を行っているところも多く見かけます。
心配であれば、医療機関に院内感染対策がどのように行われているかを聞いてから受診されてみたらいかがでしょうか。
持病があるけど治療が延期になることはある?
クリニックで診療を継続している方は、やはり継続的な治療を行う必要があります。
治療を中断すると症状の悪化や再燃もあり生活に支障がでて、重症化となり入院加療を余儀なくされる場合もあります。
基本的には持病の治療を延期するようなことは望ましくないため、定期受診と治療は計画的に行ってください。
オンライン診療と対面診療、どちらがいいの?
慢性疾患があり、ふだんからかかりつけとしてクリニックを3回以上継続的に通院している方は、オンライン診療でも良いかと思われます。
オンライン診療はあくまでも対面診療を補完する位置づけです。
新型コロナウイルス感染の拡大により、初診でもオンライン診療を時限的に許可されておりますが、初診において、とくに風邪症状などがある場合にはオンライン診療は診断治療の限界がありますので対面をおすすめします。
ただしコロナうつなどの精神疾患では有効な一つの方法かと思います。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療機関の受診行動にも大きく変化がありました。
感染予防という観点、また持病・基礎疾患を増悪させない定期的な受診こそが、新型コロナウイルスからの感染重症化予防には重要です。
日常的な受診をためらわず、来院してくださいね。
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プロフィール
- 監修:医師 武井 智昭
- 慶応義塾大学医学部で小児科研修を修了したのち、 東京都・神奈川県内での地域中核病院・クリニックを経て、現在、高座渋谷つばさクリニック 内科・小児科・アレルギー科院長。 0歳のお産から100歳までの1世紀を診療するプライマリケア医師。