医師監修

RSウイルス感染症とは

RSウイルスは、冬に乳幼児に流行する「パラミクソウイルス科ニューモウイルス属」のウイルスで、麻疹ウイルスなどと同じ種類に入ります。
喉や気管支などの呼吸器に感染し、咳や鼻水、発熱などという通常の風邪と同じ症状(上気道炎)に加え、ゼーゼーという雑音を含む喘鳴や陥没呼吸(下気道炎)がみられます。何度も繰り返し感染することで、次第に免疫がつき症状が軽くなっていきます。

RSウイルス感染症の症状

RSウイルス感染症の初期症状は、咳や鼻水、発熱などで風邪と変わりません。多くの場合、1~2週間で治ります。接触感染、飛沫感染からの潜伏期間は2~8日です。生後2歳までにはほとんどの乳幼児がかかりますが、乳児期では、鼻水から始まり、その後38〜39度の発熱と咳が続くことが多いです。一度かかっても免疫が充分にはつかないため、何度でも感染しますが、繰り返し感染するなかで徐々に免疫ができ、症状は軽くなっていきます。


乳児や、早く生まれた低出産体重児や心臓に病気を持っている子ども、免疫不全のある子どもの場合、呼吸困難やチアノーゼなどがみられる細気管支炎を起こして重症化しやすいので注意が必要です。再感染の幼児の場合、細気管支炎や肺炎などは減り、上気道炎が増えてきます。再感染のときの症状は、一般的に軽いことが多いものの、中耳炎を合併することもあります。よって小学生以上の子どもや成人の場合、鼻から感染し、風邪程度の症状でおさまることがほとんどです。

しかし、気管支炎を起こし、肺炎になることもあります。その場合は、38度以上の発熱が5日程度続いたりします。また、呼吸機能の弱い老人や慢性肺疾患患者、免疫不全患者においても重症化する傾向があるので、注意が必要となります。

RSウイルス感染症の原因

RSウイルスの感染経路は、接触感染と飛沫感染のふたつです。鼻粘膜や眼瞼結膜(がんけんけつまく)から感染します。接触感染は、鼻汁や痰に含まれるRSウイルスが皮膚や衣服、おもちゃ、さらにはそこに触れた手指についても4〜5時間のあいだは感染する可能性があり、それが眼瞼や鼻咽頭の粘膜と接触することで移ります。手すりやドアノブ、スイッチ、机、椅子など、普段何気なく触っているものでも同じく感染する可能性はあるので、消毒などの対策が必要となってきます。飛沫感染は、感染した人の咳やくしゃみで飛散したウイルスを直接吸い込むことによって感染し、鼻や咽頭の粘膜で増殖します。また、長時間密閉された空間での会話なども感染の可能性が高いと言えます。


潜伏期間は2~8日ですが、症状が現れる前でも感染することがある上に、症状が消えてからも1~3週間は感染力があると言われていて、その力は非常に強いです。このため、保育園や学校、入院病棟などの集団感染に繋がりやすいと言えます。また、軽度のRSウイルス感染症の場合、気づかないうちに感染を拡大させてしまうことも少なくありません。ただし、RSウイルスが、麻疹などのように空気感染することはありません。

RSウイルス感染症の予防/治療法

RSウイルスに対するワクチンはありません。また、特効薬はなく、その症状を和らげる対処療法を行います。また、RSウイルスに関しては、母親のおなかのなかにいるときにもらった免疫で感染を防ぐことはできません。乳児は特に重症化しやすいので、感染を予防することが大切になります。

具体的には、感染者との接触を避けるのはもちろんのこと、感染者から飛散した分泌物などが付着したおもちゃやおしゃぶりなどをこまめに消毒し、清潔に保つことが大切です。流行期に生後6ヶ月未満の乳児を連れて外出する際には、人ごみを避けるなどの配慮も必要です。幼児以上では、外出の後や調理前、食事前、鼻をかんだ後などの石鹸による手洗いの励行による接触感染予防、マスクの着用による飛沫感染予防などを積極的に行うことが大切です。

さらに、RSウイルスは消毒液に弱いので、次亜塩素酸ナトリウムや消毒用アルコール、ポピドンヨードなどの使用が有効です。再感染での症状が比較的軽いことから、なかにはRSウイルス感染症と本人も気づいていない場合があります。特に乳幼児と生活をともにしているなどで接触の多い場合は、流行時期にかかわらず、咳などの呼吸器症状がある場合は、飛沫感染対策としてマスクを着用して接することが大切です。
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