やる気が出ない原因となる病気

以下のような可能性が考えられます。

甲状腺機能低下症


甲状腺ホルモンの分泌量が低下することでさまざまな症状が起きる状態のことで、やる気が出ないほか、疲労感やむくみ、寒がりになる、体重増加などの症状が見られることがあります。

「橋本病(慢性甲状腺炎)」が原因となって起こることが多いとされますが、海藻類の食べ過ぎなどによっても起こることがあります。

更年期障害


閉経前の期間に現れるさまざまな症状が、日常生活に支障をきたすほど重い状態のことです。

月経周期の乱れや不正出血頭痛のぼせ疲れやすさなどの身体症状のほか、やる気が出ない、情緒不安定や不眠などの精神症状が現れることがあります。

うつ病


憂うつ、気分の落ち込み、あらゆることに興味や喜びを感じない、やる気が出ないなどの症状が強く、一定期間続く状態です。

医学的な診断基準では、これらの症状がほぼ1日中、毎日ある状態が2週間以上続く場合にうつ病と診断されます。

適応障害


やる気が出ない状態や気分の落ち込み、焦りや緊張などの精神的な症状のほか、暴飲暴食や無断欠席、けんかなどの普段とは違う行動として症状が現れることもあります。

うつ病と異なる点は、適応障害ではストレスの原因から離れると症状が改善することが多いのに対し、うつ病では環境が変わっても症状が続く点です。

その他の病気


統合失調症双極性障害の症状として、やる気が出ない状態が見られることもあります。

やる気が出ない場合の対処法や治療

対処法


肉体的な疲労や精神的な緊張状態が続いたあとなどには、誰でも一時的にやる気が出ない状態になることがあります。

また、食生活の乱れや不規則な生活、運動不足なども原因となることがあります。

まず十分な休息や睡眠をとって心身の疲労を回復し、生活習慣や食生活を整えてみましょう。

それでもやる気が出ない場合は何らかの病気が隠れているかもしれないため、診察を受けてみると良いかもしれません。

治療法


甲状腺機能低下症で橋本病(慢性甲状腺炎)が原因となっている場合や更年期障害では、薬物治療が行われます。

うつ病では抗うつ薬、統合失調症や双極性障害では抗精神病薬などが処方されます。

また、現実の受けとめ方やものの見方をバランス良いものへと変えていく「認知行動療法」などの精神療法も行われることがあります。

適応障害では、気分の落ち込みややる気が出ない状態などに対して抗うつ薬などが処方されることもあります。

しかし、症状を根本的に改善するにはストレスの原因を遠ざけるための環境調整が必要となります。