緊張したり、ストレスを感じたり、ウイルス性の胃腸炎に感染した場合に下痢を起こしてしまうこともあるかと思います。

さらに腹痛をともなっているときに、体内ではどのような動きをしているのか気になりませんか。

今回は下痢時の腹痛の波や、痛みの種類、緩和方法やとってはいけないNG行動までを医師に解説していただきました。

下痢とは


下痢は、通常の便と比較して水分量が多いものをいい、例えば水洗トイレなどで排便したとき、溶けて茶色っぽい水になったり、表面に細かい破片が浮くようなものを言います。

成分的には通常の便の成分に加え、下痢がウイルスや細菌感染によって起こっている場合はそれらの病原体も含んでいることもあります。

下痢の時の体内の動き


消化管の活動が何らかの原因で異常に活発になったとき、また、何らかの原因で大腸からの水分吸収が正常に行われないときなどに下痢は起こりますので、原因に応じて便は通常よりも早く体外に排出されることがあります。

腹痛の痛みに波がある理由


下痢は多くの場合、消化管の蠕動運動が非常に活発になったために起こりますので、その蠕動運動の波が腹痛の波として感じられるものと考えられます。

下痢時に腹痛が伴う理由


腸の蠕動運動は、日ごろから私たちの体内で起こっているものですが、下痢の時は腸が通常時より激しく動きますので、その強い動きを痛みとして知覚するものとされています。

腹痛の種類


体性痛


痛みの場所がはっきりわかるもので、強く刺さるような痛みが現れるものです。

内臓痛


消化管が急激な急に伸縮することによっておこる痛みで、吐き気や冷や汗などを伴うケースもあります。

関連痛


炎症によって非常に強い痛みが起こっている場合などに、付近の臓器の神経を刺激して起こるものです。

このケースでは、痛みの原因がある部位と、痛みの部位が異なっていることがあります。

下痢の腹痛がある場合に考えられる病気


食中毒


毒があったり有害な微生物や化学物質などを摂取することにより起こるものです。

黄色ブドウ球菌腸炎ビブリオサルモネラなどたくさんの種類があります。

A型肝炎


便中に排出されたA型肝炎ウイルスの経口摂取により、肝臓に炎症が起こる疾患です。

発熱や強いだるさなどに加え、下痢や腹痛も現れます。

虚血性大腸炎


腸の血流が悪くなり、酸素や栄養が十分にいきわたらなくなることに起因して、大腸の粘膜に炎症や潰瘍を発症する病気です。

鮮血の下血や左下腹部の痛みを伴いやすいです。

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下痢の腹痛を緩和する方法


◎ お腹を温めることで腸を落ち着かせる
◎ 軟らかく消化の良い食事を心がける
◎ 安静にし、脱水に気を付ける

下痢の腹痛時にとってはいけないNG行動


■ 脂っこい食事の摂取
■ アルコールの摂取
■ カフェインを含む飲食物や刺激物の摂取
■ 冷たい飲食物の摂取
■ 暴飲暴食   

最後に医師から一言


下痢の時は常にトイレのことを気にしていなくてはならず、非常に生活が制限されるうえに、何とも言えない嫌な腹痛までともない、本当に憂鬱なものです。

身体を冷やしたり、食べ過ぎや早食いを避たりして予防しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)