つわり/重症妊娠悪阻の症状


つわりの程度は人によって異なります。

「つわり」の主な症状


・吐き気や嘔吐
・頭痛
・下痢
・食べ続けてしまう


早い人は妊娠4週目ごろから症状が表れ、だいたい妊娠12週目ごろには収まります。
食事のあまり食べられないことがあり、体重が3kgほど減ることもあります。
つわりが悪化して、口から栄養や水分がとれず、脱水症状を起こし、体重が減ってきたら、「重症妊娠悪阻(にんしんおそ)」が心配されます。全妊婦の1~2%に診断されます。

「重症妊娠悪阻」の症状3段階


●第1期
常に嘔吐を繰り返す慢性的な症状です。
胃の中が空っぽでも、胃液や胆汁、血液などを吐く場合があります。

●第2期
嘔吐に加えてさまざまな症状が現れます。軽度の脱水症状や黄疸、発熱や血圧の低下などが見られます。

●第3期
脳神経症状が現れ、頭痛やめまい、不眠や昏睡など重篤になる場合もあるので注意が必要です。
  
吐き気があるのに無理に食べることはしなくていいですが、妊娠しているのに体重が減少していく、吐き気の症状が重いなどの症状がある場合は、早めに医師の診断を受けることが大切となります。

「つわり」と「妊娠悪阻」の違い


つわりが妊娠悪阻に進行しているかどうか、次の3つが目安になります。
□ 体重が妊娠前より10%(5キロ程度)以上減っている
□ 口から栄養や水分がとれていない
□ 尿中のケトン体が陽性(飢餓状態)

つわり/重症妊娠悪阻の原因

「つわり」または「重症妊娠悪阻」の原因は、妊娠によって引き起こされる体の反応であると解釈されています。

妊娠初期から中期にかけて重い症状になることから、黄体ホルモンや絨毛性ゴナドトロピンの分泌が関係しているのではないかと考えられます。妊娠という急激な体の変化に、対応しきれないために起こる症状と考えられます。

また、妊娠したことによる精神的な要因もつわりの原因となります。
特に妊娠初期には極度のストレスや不安、環境の変化などにより重症妊娠悪阻の症状になる場合もあります。ただし、つわりの症状は個人によって大きな違いがあるのも特長です。そのため、原因もそれぞれ違ってくるとも考えられます。症状にあった対処法が重要となるのです。

身体が妊娠している状態に慣れてくると症状は治まります。

つわり/重症妊娠悪阻の予防/治療法


妊娠中期を過ぎる頃には、身体が妊娠している状態に慣れてくることで症状も治まるので、妊娠初期のつわりによる辛い時期をいかに過ごすかが大切です。
十分な睡眠と、食べられるもの、飲めるものを少しづつとるようにしましょう。
また、嘔吐や下痢によって脱水状態になることもあります。
ともあれ、まずは精神的な安定を得るようにしましょう。慣れない環境の変化でつらいこともありますが周囲の理解とサポートも身体の安定につながります。


摂りたい栄養素


・ブドウ糖
・アミノ酸
・ビタミンB1などのビタミン類
・葉酸

症状が強く出たときは、「重症妊娠悪阻」の疑いがありますので、早めに病院に行きましょう。点滴治療を行ったり、状況によっては入院治療が必要となります。