大腸がんの症状

早期の大腸がんではほとんど自覚症状はなく、大腸がん検診や人間ドックなどの便潜血検査で見つかることがほとんどです。

症状が出た場合には、お腹の張り、便秘や下痢を繰り返す、便が細くなる、腸閉塞、排便後の違和感、食欲減退、体重減少、血便などが挙げられますが、中でも血便が起こる割合が高いです。痔と勘違いする方多く注意が必要です。また、血便といっても便の表面にうっすら付着する程度のものもあるので、気づかないことも多いです。

盲腸がんや上行結腸がんのように、肛門から遠い場所のガンの場合は、なおさら気づきにくいので、初期の自覚症状があまりないことも踏まえ、早期発見のためには健康診断などで定期的な検査が必要不可欠といえます。

大腸がんの原因

大腸がんの原因はまだはっきりとはわかっていません。大腸がんの発生は高脂肪・高たんぱくな食事、食物繊維が不足している食生活が大きく関係しているといわれています。運動不足や肥満、喫煙や大量の飲酒なども上げられており、規則正しい食生活や運動習慣が大切だと思われています。

大腸がんは大腸ポリープからがんに進行するものと、直接粘膜からがんが発生するものが考えられています。大腸がんでは、血のつながった家族に大腸がんの人がいると大腸がんになりやすいという、家族歴のリスクがあります。また、大腸がんの患者の大半は50代以上で、発症のピークは60代で、70代、80代と続きます。高齢化が進み、こうした年代の人が増えれば、大腸がんも増えることになります。

現在はストレス社会と言われていますが、ストレスも原因のひとつと考えられています。

大腸がんの予防/治療法

大腸がんの原因として、食生活の欧米化が上げられているので、予防はまず食生活の改善が第一に挙げられます。食物繊維を豊富に含んだメニューを摂り、排泄をスムーズにする努力をすることも効果的です。加工食品をなるべく避け、緑黄色野菜や腸内環境を良くするヨーグルトを積極的に摂取しましょう。

また、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、約7倍大腸がんになりやすいといわれています。過度の飲酒も大腸がんの発生リスクを高めることがわかっています。たばことお酒を合わせると、大腸がんの原因の約46%を占めると推測されているので、お酒を控え禁煙することも効果的だといえます。

肥満や運動不足も原因と考えられているので、排泄を促すためにも適度な運動を心がけると良いでしょう。

大腸がんの治療としては、早期であれば、内視鏡や手術による切除を行います。
手術で取りきれてもリンパ節転移があった場合には、化学療法を術後に行います。
また、手術で取り切ることが難しい状態の時にも化学療法は行われます。
分子標的薬という新しい薬も併用されます。
直腸がんの場合には人工肛門にならないように術前に放射線治療を行うこともあります。