敏感肌の症状

「敏感肌」には、4つの種類があります。

アレルギー性敏感肌


アレルギー性敏感肌は、ある特定の成分にのみ、かゆみ、炎症、腫れ、湿疹などを起こします。遺伝的なものもあります。

他の敏感肌の中でも特に、治療・予防のしやすいものと言えます。

●接触性敏感肌
接触性敏感肌は、皮膚が赤くなる、痒くなる、皮膚が腫れる皮膚の痛みが出るなどの症状を起こします。

貴金属、動物、植物等がふれることや、洋服のタグや下着の締め付けが起因となります。有名な金属アレルギーも、このタイプに入ります。

体調の変化による敏感肌


体調の変化による敏感肌は、乾燥や痒み、赤みなどの症状が出ます。ストレス、風邪、胃腸の調子が悪い、睡眠不足、生理前や妊娠、などの体調の変化により、身体のバリア機能が低下し、敏感になってしまいます。

環境の変化による敏感肌


日光、花粉、季節の変わり目(季節環境)や、パソコンやエアコンなどの電化製品・電子機器類の影響を過剰に使ってしまうこと(生活環境)が原因でお肌の赤みや痒み、湿疹などが出ます。

皮脂 、細胞間脂質 、天然保湿因子(NMF) の保湿因子が減ってしまうと、角質層の水分も減少し、 刺激を受けてやすい状態になってしまいます。

敏感肌の原因

敏感肌の原因は、主に「内的要因(体の内側からの影響)」「外的要因(外からの影響)」が複合的に作用しておこると言われています。

1)内的要因
生活習慣に問題がある女性
・ビタミン、ミネラル、タンパク質(皮膚の構成材料)の不足
・内臓の機能低下
・ストレスを溜めること
・慢性的な便秘(腸の中で合成されるビタミン類が作られづらくなる)
・生理前などのホルモンバランスの乱れ
・不規則な生活による睡眠不足(全身の免疫力や抵抗力が減る)
・アトピーやアレルギー性の体質
など

2)外的要因
・肌老化の原因の紫外線を浴びること
・季節の変わり目など気温や、湿度の変化
・エアコンなどによる乾燥
・肌に合わない化粧品の使用
・ゴシゴシこすりながら洗顔をすること。

アレルギー性の敏感肌は病院による治療が必要ですが、生活習慣が原因の敏感肌については、悪い生活習慣を無くすことで改善することが多いと言われています。
悪い生活習慣をおくっていると「肌のターンオーバー(皮膚細胞の生まれ変わり)が早くなる」と言われています。ターンオーバーは早まると、充分な準備ができていない状態の細胞が、肌の表面(角質層)にあらわれてきてしまうため肌がどんどん弱ってしまいます。

敏感肌の予防/治療法

ターンオーバー(皮膚細胞の生まれ変わり)を正常にするために4つのことを心がけるといいでしょう。

1)正しいスキンケアをすること
「敏感肌」用の化粧水やクリームなどは、お肌の乾燥を防ぐとともに、刺激が少なく、肌の角質層が本来持っている保湿機能をサポートすることを中心とした保湿ケアができます。
保湿ケアをする時に大事なのは、肌の表面の下にあり、肌の水分をキープする角質層に水分を与えることを意識することです。化粧水などを用いる際に、まず手のひら全体になじませ、その後手を使って優しくなじませるようにしましょう。このように保湿ケアを行うことで、水分が蒸発しにくくなります。また、風呂上がりは水分をキープできず、肌が非常に乾燥しやすいため、風呂上がりの保湿ケアが最も重要です。
しかし、すべての人の肌質に合うとは限りませんので、自分で選ぶのが心配であれば、かかりつけの皮膚科などでお勧めの化粧品を教えてもらうと良いでしょう。 化粧品が合わずに敏感な状態になっている場合には、お薬が、処方されることもあります。

2)睡眠時間を確保
忙しい生活を送っていたとしても、可能な限り睡眠時間を確保したり、必要な量の休息をとるなどして、体全体の抵抗力が低下しないようにしたいものです。

3)肌に良い栄養素を積極的に摂ること
<保水力が高まる食べ物>
ビタミンA、ビタミンEをたくさん含んだ食材がおすすめです。(モロヘイヤ、レバー、ほたるいか、にんじん、ほうれん草など。)
<角質層の厚みをつくる食べ物>
角質と角質をしっかりとつなぎとめておく、セラミド(細胞間脂質)を多く含んだ食材がおすすめです。(コンニャク、黒豆、小豆、ひじき、わかめ、ごぼうなど)

4)便秘にならないようにする
体の老廃物を貯めるのは肌にとってはよくありません。食物繊維や水分の補給を忘れずに、便秘にならないように心がけましょう。

●化粧品の選び方
化粧をする女性
1.化粧下地
・化粧下地は肌と直接触れ合う為、敏感肌の人にとっては重要です。「合成界面活性剤」や「エタノール」「パラベン」など、肌に有害な添加物が入っていない化粧下地を選びましょう。
・紫外線は肌の保護機能を破壊するので、敏感肌による肌荒れがますます悪化する恐れがあります。肌に害を与える「紫外線吸収剤」の入っていないUVカット効果のある下地を選びましょう。
・「コラーゲン」や「セラミド」など保湿成分が配合された化粧下地を選ぶとよりよいでしょう。保湿効果の高い化粧下地は、乾燥から肌を守り、敏感肌による肌荒れを防ぐ効果があります。
以上の事に、気をつけて、敏感肌に優しい化粧下地を見つけてください。

2.日焼け止め・スプレー
化粧品には、防腐剤や香料などの添加物が含まれている場合が多く、これらの成分が敏感肌やアトピー性皮膚炎といった肌が弱い人には、具体的には、肌の赤み・ヒリヒリ・かゆみなどの原因になります。日焼け止めや制汗スプレーなどにも添加物は含まれています。また、日焼け止めには、紫外線から肌を守るために「紫外線吸収剤」が含まれている商品がたくさんあります。肌トラブルの原因になるケースも多いため、紫外線吸収剤フリーの日焼け止めを使うと安心です。

3.日焼け止め・ウォータープルーフ
日焼け止めを選ぶ際には、紫外線吸収剤不使用であったり、ノンケミカルのものを選ぶなどして、成分に十分注意すると良いでしょう。紫外線吸収剤は紫外線を吸収し、肌に紫外線が届くのを防いでくれますが有機化合物であるため、敏感肌の人の中には刺激を感じてしまう人もいます。紫外線散乱剤は有機化合物ではないので低刺激です。ただし、肌に低刺激なものは、日焼け止めとしての効果が薄い傾向があるので、ウォータープルーフでも時間を決めて数時間おきに塗りなおすなど、こまめなケアが必要です。

4.ファンデーション
敏感肌の方が選ぶファンデーションのポイントです。
・油分が少ないものを選ぶことです。油分の多いリキッドファンデーションやクリームファンデーションは崩れにくいですが洗い落とすとき、肌への負担が大きいです。そのため、洗顔でさっと落ちるルースファンデーションを利用しましょう。また、どうしても化粧崩れが気になる方は、少し油分の増したパウダーファンデーションを使うとカバー力が上がります。
・ミネラルファンデーションは天然鉱物を使っているので、敏感肌の方でも、肌への負担が少ないです。洗い流すときも石鹸や洗顔料のみで洗い流すことができます。

5.プチプラ化粧品
化粧品は、値段が上がるにつれて安心性も同じように向上しているとは必ずしもいえません。「天然成分・自然成分配合」と表示がある高価な化粧品でも、実際のところは、有害な防腐剤等の成分を含んでいる場合があります。値段の安いプチプラ化粧品でも、成分にさえ気をつければ、敏感肌の方が使える商品があります。敏感肌の方が化粧品を買う際は、高価なものであることや宣伝文句より、成分表示の確認が重要です。敏感肌の方は、香料、アルコール、エタノール、油脂を含まない化粧品を選ぶのがベターだといわれています。また、成分を見る際に特に注意して頂きたいのが、「ミネラルオイル」です。ミネラルと一見肌に良さそうな感じがしますが、実際は「鉱物油」という肌にはよくない成分です。

6.しっとりタイプの化粧品
敏感肌は生まれもった性質だけでなく、乾燥肌が悪化して敏感肌になってしまった事例も非常に多いのです。肌が乾燥すると外部刺激から肌を守る角質層が乱れ、敏感肌になります。その為、敏感肌の人にとっても「しっとりタイプの化粧品」を選び、保湿することは非常に大切でしょう。しっとりタイプの化粧品の中でも特に、角質層に水分を維持することができる「NMF(肌の天然保湿因子)」や「セラミド」が含まれているものがおすすめです。

7.セラミドの乳液
敏感肌による肌荒れを進行させない為に重要なのは、肌の水分を逃がさないことです。その為には、保湿成分「セラミド」が含まれている「乳液」で保湿するといいでしょう。セラミドは、肌の水分を維持する細胞間脂質の成分で、ほこりなどの外部の刺激から肌を守ってくれる効果もあります。肌を守り、肌の水分を逃さない為には、このセラミドを乳液等で外から補ってあげなければいけません。また、セラミドが含まれていたら、化粧水でもいいのではないかと思われる方も多いかもしれませんが、セラミドを含めた保湿成分は、油分の多さによって浸透率が決まるので、乳液での保湿が一番適しているといえるでしょう。

●ニキビのある敏感肌・化粧品の選び方
ニキビを気にする女性
基本的に敏感肌の方は、水分量が不足してバリア機能が低下しているので、サラサラタイプよりも「しっとり」タイプを選ぶようにします。ニキビがある場合も水分保持を心掛け、基礎化粧品はワセリンやセラミドが配合されたものや、ワセリンそのものがいいでしょう。さらに、アクネ菌を退治するニキビ専用化粧品を使うとニキビあとも残りにくいので、保湿成分が豊富なニキビ専用化粧品がおすすめです。原材料は界面活性剤は、極力量が少ないものを選んだ方が無難です。ファンデーションも界面活性剤が比較的多いリキッド系よりもパウダー系の方が肌に負担が少なくすみます。

●シャンプーの選び方
敏感肌はさまざまな要因によって肌のバリア機能が弱まっていることから、できるだけ刺激を与えないことが重要です。頭皮はほかの皮膚に比べ、保湿やバリア機能がもともと弱いため、配合成分の少ない低刺激のシャンプーや無添加の石鹸を選ぶのが最適です。
・成分の効能を保持し、保湿成分がほとんど失われない「コールドプロセス製法」の石鹸はおすすめです。
・セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が豊富に配合されているのが有効的です。
・敏感肌用シャンプーも市販されてますが、成分をよく確認することが必要です。植物由来成分を配合しているだけで敏感肌用とうたっているものもあり、植物由来成分ならば肌に優しいというわけでなく、肌に合わないものもあるので、注意が必要です。