物や人の名前が出てこなかったり、財布や携帯などがなくなって慌ててしまうなどの経験をしたことある方もいらっしゃるかと思います。
20代の若い人でも物忘れがひどくなる場合がありますが、そんな物忘れに対し、医療機関では「物忘れ外来」といったものがあることをご存知でしょうか。
今回は20代に物忘れが増えた理由、物忘れの定義や原因となる疾患、物忘れ外来の概要、問診や検査内容、物忘れの防止方法などを医師に解説していただきました。
□ 物忘れが20代で増えているのはなぜ?
□ 物忘れ・認知症・アルツハイマーの違い
□ 物忘れの原因
□ 物忘れ外来とは
□ 物忘れ外来の問診例
□ 物忘れ外来の検査内容
□ 物忘れ外来の治療内容
□ 物忘れの予防法
□ 最後に医師から一言
パソコンや携帯電話の普及で、手を使ってものを書く、暗算するということが少なくなったり、何でもすぐ調べてしまうので自分の頭で考えることが減ったことも影響しているかもしれません。
年を取るとともに記憶力、判断力、適応力に衰えがみられることは病気ではありません。病的ではない物忘れは以下のようなケースです。
・かけようとしていた電話番号を忘れてしまう
・財布をどこに入れたか忘れてしまう
脳細胞が何らかの原因で鈍くなったり死んでしまったために、記憶、理解や判断力、実行力などに障害が起き、日常生活に支障が出る症状のことを指します。
認知症では以下のような病的な物忘れのケースを引き起こします。
・電話をかけようとしていたこと自体を忘れてしまう
・どうして自分が部屋を出て電話の前に来ているのかわからない
・財布を自分でしまったこと自体を忘れているので、盗まれたのではないかと大騒ぎする
認知症を引き起こす病気の1つがアルツハイマー病です。
脳の中の老廃物であるアミロイドベータという物質が脳細胞の中に溜まり、脳が委縮することによって情報伝達の働きを妨げることによって発症します。
現在の医療では完治させることは困難とされています。
■ 脳の病気
・脳血管障害(脳梗塞や脳出血)
・慢性硬膜下血腫
・脳腫瘍
・水頭症
・神経変性疾患(パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病など)
・外傷後の高次脳機能障害
など
■ 精神の病気
・うつ病
・統合失調症
など
■ 肝臓の病気
肝性脳症など
■ 内分泌の病気
甲状腺疾患など
■ 栄養バランスの乱れ
ビタミン不足など
■ 薬による影響
睡眠薬や精神病の薬など
■ その他の影響
・疲労
・寝不足
・ストレス
精神科や神経内科、脳外科の医師が担当する専門外来です。認知症や物忘れを来たす病気がないかどうかを検査し、治療を行います。
・いつごろから、どのような症状が現れたか
・本人や周囲がどのように困っているか
・身の回りの生活や仕事はどの程度できているか
・今までどのような病気にかかったか
・特に糖尿病や高血圧がないか
・頭のけがや精神的にショックな出来事はあったか
・飲んでいる薬はあるか
血のつながった家族に認知症の患者がいたか
教育歴、職歴、婚姻歴など
長谷川式認知症検査やMMSEといった知能テストのような内容の質問をされます。
体の病気からくる認知機能低下ではないかを調べるため、血液検査や診察を行います。
CT、MRI、SPECTなどで脳の病気がないか調べます。
脳の電気的活動を調べます。
血液検査や画像検査で治療可能な病気が見つかればそれに応じた治療を行います。
また、認知機能低下に伴い、不眠、怒りっぽくなる、イライラするなどの周辺症状が現れることがあるので、薬での治療を行います。
アルツハイマー型認知症の場合、進行を遅らせる効果のある飲み薬があります。
栄養バランスのとれた食事に気をつけます。特に青魚に含まれるDHA、EPAや大豆に含まれるレシチン、新鮮な野菜や果物に含まれる抗酸化物質を取るようにするとよいでしょう。
他にも十分な睡眠・休養、適度な運動を心がけることが大切です。
新しい趣味を始めたり、手を動かして字を書いたり手芸をしたり、パズルやクイズを解くことで脳を活性化しましょう。
一日の出来事を思い出して日記を書くのもおすすめです。
日常生活や仕事に差し支えるような物忘れがある場合、年齢にかかわらず物忘れ外来を受診しましょう。
(監修:Doctors Me 医師)
20代の若い人でも物忘れがひどくなる場合がありますが、そんな物忘れに対し、医療機関では「物忘れ外来」といったものがあることをご存知でしょうか。
今回は20代に物忘れが増えた理由、物忘れの定義や原因となる疾患、物忘れ外来の概要、問診や検査内容、物忘れの防止方法などを医師に解説していただきました。
目次
□ 物忘れが20代で増えているのはなぜ?
□ 物忘れ・認知症・アルツハイマーの違い
□ 物忘れの原因
□ 物忘れ外来とは
□ 物忘れ外来の問診例
□ 物忘れ外来の検査内容
□ 物忘れ外来の治療内容
□ 物忘れの予防法
□ 最後に医師から一言
物忘れが20代で増えているのはなぜ?
パソコンや携帯電話の普及で、手を使ってものを書く、暗算するということが少なくなったり、何でもすぐ調べてしまうので自分の頭で考えることが減ったことも影響しているかもしれません。
物忘れ・認知症・アルツハイマーの違い
物忘れ
年を取るとともに記憶力、判断力、適応力に衰えがみられることは病気ではありません。病的ではない物忘れは以下のようなケースです。
・かけようとしていた電話番号を忘れてしまう
・財布をどこに入れたか忘れてしまう
認知症
脳細胞が何らかの原因で鈍くなったり死んでしまったために、記憶、理解や判断力、実行力などに障害が起き、日常生活に支障が出る症状のことを指します。
認知症では以下のような病的な物忘れのケースを引き起こします。
・電話をかけようとしていたこと自体を忘れてしまう
・どうして自分が部屋を出て電話の前に来ているのかわからない
・財布を自分でしまったこと自体を忘れているので、盗まれたのではないかと大騒ぎする
アルツハイマー
認知症を引き起こす病気の1つがアルツハイマー病です。
脳の中の老廃物であるアミロイドベータという物質が脳細胞の中に溜まり、脳が委縮することによって情報伝達の働きを妨げることによって発症します。
現在の医療では完治させることは困難とされています。
物忘れの原因
■ 脳の病気
・脳血管障害(脳梗塞や脳出血)
・慢性硬膜下血腫
・脳腫瘍
・水頭症
・神経変性疾患(パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病など)
・外傷後の高次脳機能障害
など
■ 精神の病気
・うつ病
・統合失調症
など
■ 肝臓の病気
肝性脳症など
■ 内分泌の病気
甲状腺疾患など
■ 栄養バランスの乱れ
ビタミン不足など
■ 薬による影響
睡眠薬や精神病の薬など
■ その他の影響
・疲労
・寝不足
・ストレス
物忘れ外来とは
精神科や神経内科、脳外科の医師が担当する専門外来です。認知症や物忘れを来たす病気がないかどうかを検査し、治療を行います。
物忘れ外来の問診例
主訴、現病歴
・いつごろから、どのような症状が現れたか
・本人や周囲がどのように困っているか
・身の回りの生活や仕事はどの程度できているか
既往歴
・今までどのような病気にかかったか
・特に糖尿病や高血圧がないか
・頭のけがや精神的にショックな出来事はあったか
・飲んでいる薬はあるか
家族歴
血のつながった家族に認知症の患者がいたか
生活歴
教育歴、職歴、婚姻歴など
物忘れ外来の検査内容
認知機能検査
長谷川式認知症検査やMMSEといった知能テストのような内容の質問をされます。
血液検査、身体診察
体の病気からくる認知機能低下ではないかを調べるため、血液検査や診察を行います。
画像検査
CT、MRI、SPECTなどで脳の病気がないか調べます。
脳波検査
脳の電気的活動を調べます。
物忘れ外来の治療内容
血液検査や画像検査で治療可能な病気が見つかればそれに応じた治療を行います。
また、認知機能低下に伴い、不眠、怒りっぽくなる、イライラするなどの周辺症状が現れることがあるので、薬での治療を行います。
アルツハイマー型認知症の場合、進行を遅らせる効果のある飲み薬があります。
物忘れの予防法
規則正しい生活習慣
栄養バランスのとれた食事に気をつけます。特に青魚に含まれるDHA、EPAや大豆に含まれるレシチン、新鮮な野菜や果物に含まれる抗酸化物質を取るようにするとよいでしょう。
他にも十分な睡眠・休養、適度な運動を心がけることが大切です。
パズルや日記など
新しい趣味を始めたり、手を動かして字を書いたり手芸をしたり、パズルやクイズを解くことで脳を活性化しましょう。
一日の出来事を思い出して日記を書くのもおすすめです。
最後に医師から一言
日常生活や仕事に差し支えるような物忘れがある場合、年齢にかかわらず物忘れ外来を受診しましょう。
(監修:Doctors Me 医師)