咳が止まらなくないなり、夜も眠れないという経験はありませんか。
原因も対処法も分からず長続きして、ただの風邪ではないかと思い、何かの病気なの?と考えてしまうと、とても不安になりますよね。病院に行こうとした場合にも、いったい何科に診察してもらえば良いか迷うことも。
今回はその原因と対処法について、医師に解説していただきました。
咳は気道内の異物や痰といった機械的刺激、冷たい空気を吸い込んだなどの物理的刺激、タバコの煙や塩素ガスを吸いん込だといった化学的刺激を受けて起こる防御反応です。
気道の壁に存在する咳受容体に刺激が加わると、神経の興奮が起こり、脳の咳中枢が活性化して、呼吸筋や横隔膜に指令が入ることで反射的に咳が起こります。
反射が強すぎると気道粘膜が傷つき、さらに起こるという悪循環になります。
2種類があります。
■ 特徴
乾いた痰の絡まない咳のことを言います。
■ 原因
マイコプラズマ肺炎、咳喘息、アトピー、ストレスなどが疑われます。
咳そのものが異常なことですので原因を特定する必要が出てきます。
■ 特徴
痰の絡む湿った咳のことを言います。
■ 原因
風邪の時などによく見られますが、長引く場合は慢性気管支炎や後鼻漏症候群(こうびろうしょうこうぐん)も考えられます。
この症状が続く場合は、何らかの原因で痰を喀出しなければならない状態が遷延しています。
咳が続いている期間によっても種類が分けられ、病気が判明することもあります。
まず、発症して3週間以内の場合は「急性」と呼ばれます。
3週間以上続くと「遷延性」となり、8週間以上続く場合は「慢性」と呼ばれます。
■ 考えられる病気
インフルエンザ、急性気管支炎、風邪・急性肺炎・気管支喘息などの呼吸器疾患、うっ血性心不全、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎
■ 注意点
感冒様症状がある場合や徐々に症状が軽くなる場合、周囲に同様な症状を持つ人がいる場合、性状の変化する膿性痰を伴う場合は、感染性である可能性があります。
感染性が疑われた場合、必要に応じて検査を受けることが大切です。
■ 考えられる病気
咳喘息やぜんそくのような非感染症
■ 注意点
長期間にわたって続く場合には、咳のタイプによっても検査方法や治療方法も変わります。
ピーナッツや米粒などを吸いこんでしまった場合、いくら咳払いをしても外に出すことは難しく、刺激が持続することで止まらなくなります。
また、痰が大量に分泌されている場合は、咳払いで出してもどんどん痰が発生するため、この場合もなかなか止まりません。
痰が産生される理由は、感染症による肺炎・気管支炎、けがによる肺の出血、肺気腫や間質性肺炎、気管支拡張症といった肺の病気など様々です。
副鼻腔炎により鼻汁が増え、それが気道に垂れこんで痰のように見えることもあります。
肺・肺を包む胸膜・肺に隣接する縦隔にがんがあったり、大動脈に瘤(こぶ)があったりすると、その刺激が咳を引き起こすこともあります。
冷たい空気や催涙ガス・塩素ガス・硫化物ガスなど、刺激性の気体は気道を強く刺激します。
また、逆流性食道炎により、のど付近が胃酸で荒らされていると、止まらないこともあります。
百日咳の毒素は脳の咳中枢を直接刺激し、コンコンコンコンと乾いた咳が続いた後にヒューと音を立てて息を吸い込む、スタッカート&レプリーゼという特徴的な発作を引き起こします。
また、緊張や不安などの心理的要因も同様に中枢を刺激するため、咳払いがしたくなってしまいます。
気道にアレルギー反応や炎症が起こり、刺激に対して過敏になり、気管の周りにある筋肉が緊張して空気の通り道を狭くします。
何らかの原因で免疫力が下がり、直接的な原因である結核菌を対処することができなくなるため咳が止まらなくなります。
症状としては痰や喀血(かっけつ)を伴う場合があります。
たばこなどの有害物質を吸い込むことによって、肺に慢性的な炎症が原因で咳が続くようになります。症状として、呼吸困難や息切れが多くなることが挙げられます。
マイコプラズマという微生物によって引き起こされる肺炎で重症感がないのが特徴です。
初期症状として、乾いた咳や発熱、倦怠感がみられます。その後は痰が絡みはじめ、血痰する場合もあります。
ACE阻害薬やβ遮断薬と呼ばれる高血圧の薬は、副作用として咳があげられています。
治療法は一概には言えず、原因を究明し、それに応じた治療を行う必要があります。
発熱はないが咳が続くといったよく聞く症状は、感染症や強い炎症が関与しない上記の病名にあてはまる可能性があります。
また、病院に行く際は、呼吸器科に診断してもらうことが適切です。
痰を伴わない場合は、血液検査が行われることがあり、伴う場合は、痰の検査や気管支内視鏡検査を行うことがあります。
遷延性の場合は、胸部X線写真やCT、呼吸機能の検査が行われます。
結核や肺がんなどの重篤な病気の可能性があります。すぐに呼吸器内科を受診するようにしてください。
成分は大きく分けて以下の二種類にわけられます。
・リン酸コデイン
・リン酸ジヒドロコデイン
■ 特徴
「麻薬性」という文字が表すように弱い依存性があるため、むやみな使用は避けるべきです。比較的効果が高いことが特徴です。
・ノスカピン
・塩酸ノスカピン
・臭化水素酸デキストロメトルファン
・ヒベンズ酸チペピジン
・クエン酸チペピジン
・リン酸ジメモルファン
・塩酸クロペラスチン
・フェンジゾ酸クロペラスチン
■ 特徴
「非麻薬性」のため、依存性はありません。麻薬性に比べて効果は低めであることが特徴です。
痰を出しやすくするには、まず粘っこい痰をさらさらにして出やすくします。このためには水分を十分取り、空気を加湿し、痰の粘度を下げるような薬を使用します。
次に、背中をとんとんと叩いたり、寝る姿勢を変えることで、一か所に貯まっていた痰を物理的に移動させ、出やすい位置に持ってきます。
体を平たく横たえるよりも、少し上半身を起こした姿勢にして休んだ方が、痰は出やすくなります。
また、後ろに立った人に、深呼吸の吐く息に合わせて肋骨を絞り上げるように押してもらう「スクイージング」をすることで、痰が出やすくなります。
ホコリ、ダニ、ペットの毛、花粉など、取り除けるアレルゲンは減らすようにします。
タバコは気道を強く刺激します。
気道を傷つけるような熱すぎるもの・辛いもの・アルコールは避けます。
乾燥すると咳をしやすくなり痰もからみやすいため、部屋の湿度を60~80%程度に加湿すると、痰が取れやすくなります。
ゆっくり少しずつ冷たい水を飲むと、粘り気のある鼻水や痰がサラサラした状態になり、絡みにくくなります。
大根、蓮根、生姜、ハチミツはのどにやさしく、特にハチミツは炎症を抑える作用があるので効果的とされています。
枕を高くし、上半身を起こした状態にすると、気道の通りがよくなり呼吸が楽になります。また、鼻水の流れもよくなるため、有効とされています。
ガーセやタオルを首のまわりにまきつけることで、首周りの温度が保たれ、乾燥から喉を守ります。
マスクをすることで口腔内の乾燥を防ぐとされています。
下記のツボをおすことで咳止めに役立つとされています。どれも指先で少し痛いと感じる程度が適切です。
原因も対処法も分からず長続きして、ただの風邪ではないかと思い、何かの病気なの?と考えてしまうと、とても不安になりますよね。病院に行こうとした場合にも、いったい何科に診察してもらえば良いか迷うことも。
今回はその原因と対処法について、医師に解説していただきました。
なぜ咳が出る?
咳は気道内の異物や痰といった機械的刺激、冷たい空気を吸い込んだなどの物理的刺激、タバコの煙や塩素ガスを吸いん込だといった化学的刺激を受けて起こる防御反応です。
気道の壁に存在する咳受容体に刺激が加わると、神経の興奮が起こり、脳の咳中枢が活性化して、呼吸筋や横隔膜に指令が入ることで反射的に咳が起こります。
反射が強すぎると気道粘膜が傷つき、さらに起こるという悪循環になります。
止まらない咳の種類
2種類があります。
乾性咳嗽(かんせいがいそう)
■ 特徴
乾いた痰の絡まない咳のことを言います。
■ 原因
マイコプラズマ肺炎、咳喘息、アトピー、ストレスなどが疑われます。
咳そのものが異常なことですので原因を特定する必要が出てきます。
湿性咳嗽(しっせいがいそう)
■ 特徴
痰の絡む湿った咳のことを言います。
■ 原因
風邪の時などによく見られますが、長引く場合は慢性気管支炎や後鼻漏症候群(こうびろうしょうこうぐん)も考えられます。
この症状が続く場合は、何らかの原因で痰を喀出しなければならない状態が遷延しています。
咳が続く期間って?
(出典:Doctors Me 咳ページ)
咳が続いている期間によっても種類が分けられ、病気が判明することもあります。
まず、発症して3週間以内の場合は「急性」と呼ばれます。
3週間以上続くと「遷延性」となり、8週間以上続く場合は「慢性」と呼ばれます。
急性(発症して3週間以内)
■ 考えられる病気
インフルエンザ、急性気管支炎、風邪・急性肺炎・気管支喘息などの呼吸器疾患、うっ血性心不全、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎
■ 注意点
感冒様症状がある場合や徐々に症状が軽くなる場合、周囲に同様な症状を持つ人がいる場合、性状の変化する膿性痰を伴う場合は、感染性である可能性があります。
感染性が疑われた場合、必要に応じて検査を受けることが大切です。
遷延性(発症から3週間以上)、慢性(発症から8週間以上)
■ 考えられる病気
咳喘息やぜんそくのような非感染症
■ 注意点
長期間にわたって続く場合には、咳のタイプによっても検査方法や治療方法も変わります。
止まらない咳の原因
気道への機械的刺激
ピーナッツや米粒などを吸いこんでしまった場合、いくら咳払いをしても外に出すことは難しく、刺激が持続することで止まらなくなります。
また、痰が大量に分泌されている場合は、咳払いで出してもどんどん痰が発生するため、この場合もなかなか止まりません。
痰が産生される理由は、感染症による肺炎・気管支炎、けがによる肺の出血、肺気腫や間質性肺炎、気管支拡張症といった肺の病気など様々です。
副鼻腔炎により鼻汁が増え、それが気道に垂れこんで痰のように見えることもあります。
肺・肺を包む胸膜・肺に隣接する縦隔にがんがあったり、大動脈に瘤(こぶ)があったりすると、その刺激が咳を引き起こすこともあります。
気道への物理化学的刺激
冷たい空気や催涙ガス・塩素ガス・硫化物ガスなど、刺激性の気体は気道を強く刺激します。
また、逆流性食道炎により、のど付近が胃酸で荒らされていると、止まらないこともあります。
咳中枢への刺激
百日咳の毒素は脳の咳中枢を直接刺激し、コンコンコンコンと乾いた咳が続いた後にヒューと音を立てて息を吸い込む、スタッカート&レプリーゼという特徴的な発作を引き起こします。
また、緊張や不安などの心理的要因も同様に中枢を刺激するため、咳払いがしたくなってしまいます。
気管支喘息、咳喘息
気道にアレルギー反応や炎症が起こり、刺激に対して過敏になり、気管の周りにある筋肉が緊張して空気の通り道を狭くします。
結核
何らかの原因で免疫力が下がり、直接的な原因である結核菌を対処することができなくなるため咳が止まらなくなります。
症状としては痰や喀血(かっけつ)を伴う場合があります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
たばこなどの有害物質を吸い込むことによって、肺に慢性的な炎症が原因で咳が続くようになります。症状として、呼吸困難や息切れが多くなることが挙げられます。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマという微生物によって引き起こされる肺炎で重症感がないのが特徴です。
初期症状として、乾いた咳や発熱、倦怠感がみられます。その後は痰が絡みはじめ、血痰する場合もあります。
薬の影響
ACE阻害薬やβ遮断薬と呼ばれる高血圧の薬は、副作用として咳があげられています。
止まらない咳の治療法
治療法は一概には言えず、原因を究明し、それに応じた治療を行う必要があります。
発熱はないが咳が続くといったよく聞く症状は、感染症や強い炎症が関与しない上記の病名にあてはまる可能性があります。
また、病院に行く際は、呼吸器科に診断してもらうことが適切です。
遷延性の場合
痰を伴わない場合は、血液検査が行われることがあり、伴う場合は、痰の検査や気管支内視鏡検査を行うことがあります。
遷延性の場合は、胸部X線写真やCT、呼吸機能の検査が行われます。
慢性の場合
結核や肺がんなどの重篤な病気の可能性があります。すぐに呼吸器内科を受診するようにしてください。
咳止め効果のある薬
成分は大きく分けて以下の二種類にわけられます。
麻薬性鎮咳成分
・リン酸コデイン
・リン酸ジヒドロコデイン
■ 特徴
「麻薬性」という文字が表すように弱い依存性があるため、むやみな使用は避けるべきです。比較的効果が高いことが特徴です。
非麻薬性鎮咳成分
・ノスカピン
・塩酸ノスカピン
・臭化水素酸デキストロメトルファン
・ヒベンズ酸チペピジン
・クエン酸チペピジン
・リン酸ジメモルファン
・塩酸クロペラスチン
・フェンジゾ酸クロペラスチン
■ 特徴
「非麻薬性」のため、依存性はありません。麻薬性に比べて効果は低めであることが特徴です。
今すぐ咳を止めたい時の対処法
痰を出す
痰を出しやすくするには、まず粘っこい痰をさらさらにして出やすくします。このためには水分を十分取り、空気を加湿し、痰の粘度を下げるような薬を使用します。
次に、背中をとんとんと叩いたり、寝る姿勢を変えることで、一か所に貯まっていた痰を物理的に移動させ、出やすい位置に持ってきます。
体を平たく横たえるよりも、少し上半身を起こした姿勢にして休んだ方が、痰は出やすくなります。
また、後ろに立った人に、深呼吸の吐く息に合わせて肋骨を絞り上げるように押してもらう「スクイージング」をすることで、痰が出やすくなります。
アレルゲンを除去する
ホコリ、ダニ、ペットの毛、花粉など、取り除けるアレルゲンは減らすようにします。
禁煙する
タバコは気道を強く刺激します。
食事に気を付ける
気道を傷つけるような熱すぎるもの・辛いもの・アルコールは避けます。
加湿器を使う
乾燥すると咳をしやすくなり痰もからみやすいため、部屋の湿度を60~80%程度に加湿すると、痰が取れやすくなります。
冷たい水を飲む
ゆっくり少しずつ冷たい水を飲むと、粘り気のある鼻水や痰がサラサラした状態になり、絡みにくくなります。
のどに良い食べ物を食べる
大根、蓮根、生姜、ハチミツはのどにやさしく、特にハチミツは炎症を抑える作用があるので効果的とされています。
枕を高くする
枕を高くし、上半身を起こした状態にすると、気道の通りがよくなり呼吸が楽になります。また、鼻水の流れもよくなるため、有効とされています。
からだを外から温める
ガーセやタオルを首のまわりにまきつけることで、首周りの温度が保たれ、乾燥から喉を守ります。
マスクをする
マスクをすることで口腔内の乾燥を防ぐとされています。
ツボを押す
下記のツボをおすことで咳止めに役立つとされています。どれも指先で少し痛いと感じる程度が適切です。
名称 | 場所 |
---|---|
首と胸の間、鎖骨の間のくぼみ | |
ひじを曲げた内側のしわの上で親指側にある筋肉のやや外側 | |
首の後ろ側、うつむくと飛び出している第七頸椎の少し下 | |
手のひら、人さし指と中指の付け根の中間あたり |