虫刺され/虫刺症むしさされ/ちゅうししょう

カテゴリ
皮膚の病気
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医師監修

虫刺され/虫刺症とは

虫刺されは節足動物などに刺されたり噛まれたりする外傷から発生する皮膚疾患です。主だったところでは蚊、蜂、虻、ぶよ、ダニなどの生活に密着した昆虫が原因で、そこから現われるさまざまな症状を総じて「虫刺症」と呼びます。

多くは軽症ですみますが、虫の毒性によって重篤な症状になることもあります。
虫刺されの患部をかきむしることで肌が傷つき、治りが悪くなります。掻いた箇所は跡として残ることも。最近では虫除けスプレーのほかに、虫除けリストバンドやアロマオイルを使った虫刺され予防もあるので、自分にあった方法を見つけましょう。

虫刺され/虫刺症の症状


虫刺されの主な症状は・・・
・かゆみ
・痛み
・かぶれ
・皮膚の炎症


こうした虫刺されの症状は、比較的軽度なものです。数日で症状が消えることがほとんどです。

さらに重篤な症状になると、以下のような症状が起きることもあります。
・紅色丘疹という赤みを帯びた湿疹が出る
・水ぶくれになる
・膨疹といって皮膚が盛り上がって赤くなり疼痛を起す
・みみずばれ


症状の現われ方の強弱は、刺した虫がどんな毒性を持っていたかによって左右されます。虫刺されは皮膚の外傷性疾患なので、軽度のものは刺された箇所にしか症状が現われません。
しかし、刺された虫によっては虫に毒があったり、アレルギー反応が起きることも。ときには、全身に渡って広い範囲に湿疹が発症することもあります。
さらに、特に強い毒性があったり、強いアレルギー反応が起こると迅速に対応しなければ生命の危険が伴ないます。

また、蚊やダニに刺されることで、蚊やダニに寄生していた菌や寄生虫が、人に感染することもしられています。

■虫刺されの種類と症状
虫刺されは、蚊による皮膚のトラブルが一般的ですが、蚊以外にも人を刺す虫は多く存在し、ブヨやダニ、ノミやアブが代表的です。蚊に刺されると個人差はありますが、その直後からかゆみが発症し赤い発疹が現れます。ブヨは、高原や渓流沿いなどに生息し朝夕に活動し、露出した部分を刺し刺されているときは感じることなく、蚊と異なり皮膚を噛み切るため出血により気づき、しばらくしてから赤い発疹とかゆみが発症し、ひどい場合には水ぶくれにもなります。ダニは、数多くの種類のダニが生息しており、日常的に刺されるのはイエダニで、イエダニは就寝中に布団の中に入りこみ、脇腹や下腹部、太ももや腕の内側などの肌の柔らかい部分に刺し、すぐに症状は現れず1日くらいすると強烈なかゆみと赤いしこりのある発疹が数日から10日間続くのが特徴です。ノミは犬猫などペットなどに寄生し公園などにも生息し、刺されると1日から2日後に赤い発疹とかゆみが生じます。また、アブは、牧場などに多く生息し、牛や馬の動物を主に吸血しますが人にも吸血し、皮膚を切り裂くため刺された時に激痛となり、その後に強いかゆみや赤みが現れるのが特徴です。

●虫刺されとアレルギーについて
虫に刺されてかゆみが生じるのも、人の体の持つアレルギー反応によるもので、虫アレルギーは誰しもが持っているアレルギーです。このアレルギー反応に個人差があり、かゆいだけの反応でなく、様々な症状を生じてしまう人もいます。そのため、自分自身の虫アレルギーを知っておく必要があります。
虫アレルギーの中で、代表的なのが、蚊と蜂のアレルギーで、症状は異なります。

蚊アレルギー:刺された直後からかゆみや腫れが起きる一般的な即時型反応と、刺された翌日以降にかゆみや腫れ、水泡などが起きる遅延型反応の2つがあります。
蜂アレルギー:刺されると直ぐに痛みや腫れが生じ、初めて刺された時には、軽度のアレルギー反応で済みますが、同じ蜂に刺されると最初に作られた免疫作用が過剰に反応し、発熱や嘔吐などや意識障害や呼吸困難などの強いアレルギー反応を引き起こすアナフィラキシーショックを発症します。

虫刺され/虫刺症の原因

虫刺されとは、昆虫や節足動物、蚊に刺されることを広く指します。多くは生活の身近な所に生息する虫ですから、完全な予防をすることはなかなかできるものではありません。

痒みや痛みなどの症状を感じる原因は、虫特有の毒成分や虫の唾液に含まれる成分が、人間の皮膚に注入されるからです。また「刺される」という表現が使われますが、実際には蚊、ぶよ、ダニのように吸血する虫と、クモやムカデのように噛む虫、蜂のように刺す虫に分けられます。症状は刺されてからすぐにあらわれるとは限らず、2~3日して症状が出てくることもあります。刺されてすぐに症状が起こることを「即時型反応」、時間が経ってから起こることを「遅延型反応」と言ったりします。


蚊の場合


蚊の場合は産卵を目的として人から血を得ようとします。体長は5mmほどで、刺すのはメスだけです。症状が出るのは、血を吸う際に、血が固まらないように人の皮膚に唾液を注入するからです。「即時型反応」と「遅延型反応」の両方のケースがあり、刺された人の年齢によって、症状の出方が変わることがあります。

アブやぶよの場合


アブやぶよの場合は、人以外の哺乳類からも吸血を行います。それは、産卵の為により栄養価の高い哺乳類のタンパク質を必要としているからです。赤い発疹が出たり、腫れ上がることもあり、時間が経つにつれて徐々に痛みが増していくのが特徴です。
ぶよによる虫刺されは、山や川などのアウトドアで被害を受けやすいようです。ぶよは、全長3mm程度のハエのような虫でハエと異なり集団で飛んでいます。吸血方法も蚊とは異なり、皮膚を噛みちぎって吸血し、その時点ではぶよの出す麻酔薬成分により痛みも感じることがないのが特徴です。痛みが広がる場合には蚊ではなくぶよに刺された可能性が高いです。刺されると、強い痛みと少量の出血の後に、かゆみや痛みが長時間続くという症状が起こります。すぐに腫れたり痒くなったりせず、数時間から数十時間経過してはじめて患部が赤く腫れ上がります。アレルギーがある場合は腫れが大きく、患部に痺れが生じることもあります。虫刺されによるアレルギー反応の遅延型に属するため、早くて数時間後遅いと翌日になって痛みや腫れが生じ、噛み痕には、小さな出血点や出血、内出血していることも多く、症状がひどい場合には、小さな斑点状だった腫れが2倍から3倍に膨れ、広がったり盛り上がってしまいます。


ミツバチやスズメバチの場合


ミツバチやスズメバチの場合、本来は人を刺す生態を持っていませんが、蜂にとって何らかの危害となる行動を受けた場合、人を刺すことがあります。蜂を攻撃するつもりはなく追い払おうとしただけでも、蜂には攻撃とみなされ、刺される原因にもなりかねませんので注意が必要です。刺されると強い痛みを感じ、皮膚が赤く腫れたりします。一般的には1日程度で症状が治まりますが、アレルギー反応の強い人の場合、血圧が低下したり、意識を失い最悪死に至ることもあるため、早急に医師の診断を受ける必要があります。

ノミの場合


ノミによる虫刺されは屋外では脛や足首周辺、屋内では全身に被害が及ぶのが特徴です。刺された部位が赤く腫れ上がり、ひどいときには水ぶくれのようになります。猛烈な痒みを伴い1周間近く痒みが続くこともあります。

そのほかの場合


サソリや蝮が人を噛む理由は防衛本能からです。積極的に人を攻撃するものではありませんが、不用意に近づくのはやめておきましょう。ダニの場合は、人の体液や皮膚の老廃物などをエネルギー源として摂取するもので、栄養の吸収の為に人を噛むのです。

虫刺され/虫刺症の予防/治療法

予防



1) 虫に刺されないように夏でも出来る限り肌を露出しないこと。
2) 蚊など汗のにおいにつられてやってくる虫もいるため、汗をかいていたらすぐに拭くことが大切です。
3) 虫除け剤での予防も効果的です。肌に直接かけるスプレーやクリームタイプ以外にも服に直接貼るシールタイプや壁などに吊り下げておくタイプなど様々なものがあります。それぞれ成分や持続する時間が異なるため、状況に応じて使い分けましょう。肌に直接かけるタイプは汗をかくと効果が落ちるためこまめに汗を拭き取り塗り直すことが大切です。
4) 蚊は雨水の溜まったところから産卵し繁殖していくので、戸外に水の溜まっている場所が無いか確認しておくことが予防になります。

ハチの場合は、巣を刺激しないことが大切です。
自然のミツバチは高い木の上などに巣を作るのですが、スズメバチは土の中に巣を作るので、知らず知らず踏んづけてしまうととても危険です。山野での活動の際は現地の状況に詳しい人の指示によく従いましょう。
近年ではスズメバチが民家の屋根裏や軒先に巣を作ってしまう事例が多く報道されています。スズメバチを巣ごと除去するのは非常に危険で専門的な技術を持った業者に委託するしかありません。自治体が注意を促したり対応を請け負ってくれることもあるので、地域のインフォメーションなども活用しましょう。

また外国、特に熱帯から亜熱帯に属する地域には伝染病を媒介する蚊などが多く生息しているので、海外旅行に出かける順備として現地の状況を調べたり予防接種を受けておくことが不可欠です。
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治療法


軽傷の場合は、かゆみ止めなどを塗りましょう。決して掻きむしってはいけません
重傷の場合はすぐに医師に診てもらいましょう。場合によっては早急に対処しないと死に至ることもあります。的確な治療を受けるようにしてください。


虫に刺された時はすぐに刺された部分を洗い流す必要があります。そのあと、水気をしっかりと拭き取り虫刺され用の薬を塗り、さらに痒みや腫れなどの症状を抑えるために冷やします。出来る限り掻かないようにして炎症を広げないようにしましょう。ハチに刺された場合は毒針が残っていればまず毛抜きなどで抜き、そのあとに洗い流して冷やします。元気がない、息苦しい、蕁麻疹が出たなどアナフィラキシーショック症状があれば命に関わる場合もあるためすぐに救急車を呼びましょう。毒毛を持つ毛虫に刺されたときは、ハチと同様にまずテープなどで残っている毒毛を取り除き、そのあと洗い流します。テープで剥がす際は肌を傷つけないように強くしないことが大切です。

■虫別・刺された時の症状と対処法
1.毛虫
毛虫に刺された場合は、1時間から2時間程度で刺された箇所に赤い発疹が出て耐え難い痒みに襲われます。対処法として、着ている衣類に毛虫の毒針が残っている場合がありますので、なるべく皮膚に直接触らないように脱いで患部を冷やすと痒みが少し軽減されます。注意するべき点は、患部をこすったりすると毒毛が他の箇所にも広がりますのでなるべく触らないようにしましょう。また、猛烈な痒みを伴いますが、患部を掻きむしったりしますと、炎症を引き起こす場合もありますので、毛虫に刺されたらすぐに皮膚科の受診をお勧めします。治療は内服薬や塗り薬が処方されます。毛虫の種類にもよりますが、毛虫の場合は免疫ができませんので早めの駆除をお勧めします。

2.蟻
虫刺されと聞くと、蜂やムカデなどをイメージしますが、蟻が原因になることもあります。普段目にする蟻が人を咬むことは稀ですが、巣に危険が迫ってくると敵に対して攻撃する習性を持っています。人を攻撃する蟻にはいろいろな種類があり、ヤマアリやオオズアリのように咬むタイプと、イエヒメアリやオオハリアリのように腹部についた針で刺すタイプがあります。蟻に咬まれると、チクっとした痛みと共に小さな傷ができます。しかし、まれに激痛が走り、赤く腫れあがったり水ぶくれが生じることもあります。赤みやかゆみが生じたら、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬配合外用薬を塗って様子を見ます。患部をかくのは厳禁です。腫れが強い場合は冷水で冷やすのも効果的です。

3.ダニ
虫刺されを引き起こすダニとして、ツメダニやイエダニがいます。ツメダニは、コナダニなど人を刺さないダニを餌にしており、刺さないダニが増えることで一緒に増加します。時期としては湿気の多い梅雨から初夏に増加し、刺されると皮膚に赤い湿疹ができ、かゆみが生じます。またイエダニはネズミなどの小動物に主に寄生しており、人間に寄生しても数日で死んでしまいます。しかしたまに人間から血を吸うことがあり、その場合患部が赤く腫れ、かゆみを伴います。赤い湿疹や腫れ、かゆみが起きたら、まずは掻かないようにしましょう。皮膚科を受診し、必要に応じてステロイドなどの処方をしてもらうと効果的です。なお屋外でマダニに刺された場合は、マダニが食いついたまま瞬く間に炎症が広がります。慌てず速やかに皮膚科に行きましょう。

■刺された虫の種類によって違う痺れと痛みについて 
ひと口に「虫刺され」いっても、刺された虫の種類によって症状はさまざまです。ノミによる虫刺されは屋外では脛や足首周辺、屋内では全身に被害が及ぶのが特徴です。刺された部位が赤く腫れ上がり、ひどいときには水ぶくれのようになります。猛烈な痒みを伴い1週間近く痒みが続くこともあります。山や川などのアウトドアで被害を受けやすいのがブヨによる虫刺されです。ブヨに噛まれてもすぐに腫れたり痒くなったりせず、数時間から数十時間経過してはじめて患部が赤く腫れ上がります。アレルギーがある場合は腫れが大きく、患部に痺れが生じることもあります。腫れが引かない場合は皮膚科を受診して抗ヒスタミン薬やステロイド内服薬を処方してもらうとよいでしょう。

虫刺され/虫刺症の薬の上手な選び方・使い方

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虫刺されの薬はドラッグストアの棚一面においてあるほど数も種類も多いため、どれがいいのかわからなくなります。

代表的な虫には刺す虫のハチ、吸血する虫のノミ、ダニ、噛む虫のムカデやクモがありますので、対象の虫から選ぶことと、発疹、かゆみ、赤みといった症状別に選ぶ方法とがあります。

市販薬と治療薬としてクリニックで処方されるものとでもレベルの違いがありますが、処方されるものには及びませんが、市販薬の中でも症状を抑えるレベルによって違いがあり、それが値段に反映されています。

市販薬のラベルの裏にある表示をチェックすると第2医薬品と第3医薬品とに分かれています。第2のほうがかゆみ止め、炎症止めとして利用でき、第3のほうは子ども用や敏感肌用に効果を抑えているものになります。クリニックで処方されるステロイドを含むものは第2として指定されており、デキサメタゾン、ベタメタゾンといった名称から判断することができます。メントールやハッカオイルはそのものとしては炎症を抑えることはありませんが、皮膚に塗ったときや香りをかいだ時に清涼感を感じさせてくれます。赤みや発疹、かゆみといった症状はアレルギーでも起こりえますし、皮膚科の診察を受けることが大切ですが、明らかに虫という場合や一時的に症状を抑えたいというときには第3医薬品を塗っておくのもおすすめです。
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