関節痛かんせつつう
医師監修
関節痛とは
関節痛は、膝やひじ、指などをはじめとする関節のある部分の痛みや腫れ、動かしにくさなどの症状を指します。腕の上げ下げや、膝の曲げ伸ばし、階段の昇降などさまざまな動きで痛みを感じます。
関節痛の原因としては、変形性関節症や痛風、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどが挙げられます。症状が強い場合や長引く場合は、整形外科や内科を受診しましょう。
関節痛の症状
人の体には、200本以上の骨があります。その骨と骨の連結部分を関節と言います。ここに生じる痛みが関節痛です。
関節痛がよく起こる場所に股関節、膝、足首などがあります。これらの部位は体重の負荷を受けやすく、痛みが生じやすい箇所です。
関節痛がよく起こる場所に股関節、膝、足首などがあります。これらの部位は体重の負荷を受けやすく、痛みが生じやすい箇所です。
関節痛の原因と治療
関節痛には、さまざまな原因が挙げられます。
年齢を重ねた人で、さらに以下のような人は関節痛になりやすいと言われています。
●肥満傾向
体重が増えると、ひざにかかる負担も増えます。そのため、ひざの関節痛になりやすいです。
●運動不足
普段運動していない人が急に運動をはじめたり、過度の運動負荷をかけたりすると関節障害を引き起こしやくなります。
●O脚
O脚は、ひざが外側に曲がっているため、ひざの内側の軟骨に痛みが出ます。
・変形性関節症
加齢とともに、関節にある軟骨がすり減ったり、変形したりすることで、痛みや腫れが出る病気です。
主に薬物療法や運動療法で治療を行います。病状によっては、手術が検討されます。
・化膿性関節炎
関節に細菌が侵入してしまうことで、化膿する病気です。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が原因となります。
抗菌薬の点滴や内服で治療していきます。
・痛風
血中の尿酸値が高くなることで発症する「痛風」は、関節痛を起こす病気として知られています。関節内に尿酸の結晶ができてしまうことで、突然の関節痛が起こります。
鎮痛薬や尿酸値をコントロールする薬で発作を防ぎます。
・関節リウマチ
関節の中で慢性的に炎症が起こることで痛みや腫れ、こわばりなどが生じる自己免疫疾患*です。次第に関節が変形し、日常の動作が困難になります。そのほかにも、全身のだるさや貧血など、さまざまな症状が出ます。
薬物療法や理学療法などで治療を行います。場合によっては、手術を行うこともあります。
・全身性エリテマトーデス(SLE)
原因不明の難病で、若いうちから女性に多く発症する自己免疫疾患*です。発熱や倦怠感に加えて、関節の腫れ、皮膚の発疹、内臓の臓器障害、脱毛など全身にあらゆる症状が現れます。
2019年現在では予防も治療も困難なため、主治医の指示のもと消炎鎮痛剤などで対症療法を続けていく必要があります。
・多発性筋炎
横紋筋という筋肉に炎症を起こす自己免疫疾患*です。疲労や倦怠感、関節痛が現れ、徐々に筋肉が低下します。重篤になると嚥下機能の障害も起こり、食事が困難になる可能性があります。
薬物療法や理学療法などで様子を見ます。
*自己免疫疾患
体には、ウイルスや細菌から身を守るために免疫機能が備わっています。この免疫機能が暴走して自分の体まで傷付けてしまう病気全般を、自己免疫疾患と呼びます。
加齢・生活習慣・姿勢
年齢を重ねた人で、さらに以下のような人は関節痛になりやすいと言われています。
●肥満傾向
体重が増えると、ひざにかかる負担も増えます。そのため、ひざの関節痛になりやすいです。
●運動不足
普段運動していない人が急に運動をはじめたり、過度の運動負荷をかけたりすると関節障害を引き起こしやくなります。
●O脚
O脚は、ひざが外側に曲がっているため、ひざの内側の軟骨に痛みが出ます。
関節痛を伴う病気
・変形性関節症
加齢とともに、関節にある軟骨がすり減ったり、変形したりすることで、痛みや腫れが出る病気です。
主に薬物療法や運動療法で治療を行います。病状によっては、手術が検討されます。
・化膿性関節炎
関節に細菌が侵入してしまうことで、化膿する病気です。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が原因となります。
抗菌薬の点滴や内服で治療していきます。
・痛風
血中の尿酸値が高くなることで発症する「痛風」は、関節痛を起こす病気として知られています。関節内に尿酸の結晶ができてしまうことで、突然の関節痛が起こります。
鎮痛薬や尿酸値をコントロールする薬で発作を防ぎます。
・関節リウマチ
関節の中で慢性的に炎症が起こることで痛みや腫れ、こわばりなどが生じる自己免疫疾患*です。次第に関節が変形し、日常の動作が困難になります。そのほかにも、全身のだるさや貧血など、さまざまな症状が出ます。
薬物療法や理学療法などで治療を行います。場合によっては、手術を行うこともあります。
・全身性エリテマトーデス(SLE)
原因不明の難病で、若いうちから女性に多く発症する自己免疫疾患*です。発熱や倦怠感に加えて、関節の腫れ、皮膚の発疹、内臓の臓器障害、脱毛など全身にあらゆる症状が現れます。
2019年現在では予防も治療も困難なため、主治医の指示のもと消炎鎮痛剤などで対症療法を続けていく必要があります。
・多発性筋炎
横紋筋という筋肉に炎症を起こす自己免疫疾患*です。疲労や倦怠感、関節痛が現れ、徐々に筋肉が低下します。重篤になると嚥下機能の障害も起こり、食事が困難になる可能性があります。
薬物療法や理学療法などで様子を見ます。
*自己免疫疾患
体には、ウイルスや細菌から身を守るために免疫機能が備わっています。この免疫機能が暴走して自分の体まで傷付けてしまう病気全般を、自己免疫疾患と呼びます。
関節痛の予防
自己免疫疾患など予防ができない関節痛もありますが、老化による関節痛の予防には以下が挙げられます。
中高年で増えてくるのは、膝の関節痛です。膝への負担を減らすために体重を増やし過ぎないことは予防となります。
筋肉が衰えると関節に負担がかかります。関節を補助する意味で、最低限の筋肉は維持することが望ましいです。適度な運動で、関節周りの筋肉を鍛えましょう。
O脚だと、内側の軟骨が早くすり減ってしまいます。意識して膝をくっつけるようにしたり、ストレッチをしたりしてO脚を矯正することをおすすめします。
適正体重を保つ
中高年で増えてくるのは、膝の関節痛です。膝への負担を減らすために体重を増やし過ぎないことは予防となります。
適度な運動
筋肉が衰えると関節に負担がかかります。関節を補助する意味で、最低限の筋肉は維持することが望ましいです。適度な運動で、関節周りの筋肉を鍛えましょう。
O脚の改善
O脚だと、内側の軟骨が早くすり減ってしまいます。意識して膝をくっつけるようにしたり、ストレッチをしたりしてO脚を矯正することをおすすめします。
関節痛の薬の上手な選び方・使い方
詳細をみる関節痛の痛みを和らげるためには、外用薬と内服薬があり症状や体質によって使い分けます。
まず外用薬として、湿布などの貼付剤やゲルなどの塗布剤といった外用消炎鎮痛薬があります。軽い症状の場合は、まず貼付剤(湿布)がおすすめです。ゆっくり炎症を抑えてくれるサリチル酸グリコールが配合されているものや、熱をもっている場合はL-メントールが配合されているものが清涼感もあり効果的です。つらい痛みがある場合は、ジクロフェナクナトリウムやフェルビナク、インドメタシンといった非ステロイド性抗炎症薬が配合されている塗布剤(ゲル)がおすすめです。痛みや炎症のもとになるプロスタグランジンの分泌を抑え、素早く痛みを鎮めてくれる作用があります。
そして内服薬には、体の中から関節に必要な成分を補ったり、細胞の老化を防ぐといった関節の動きをサポートしてくれるはたらきがあるため、つらい症状の場合は、非ステロイド性抗炎症薬に代表されるイブプロフェンやアスピリンといった成分を含む内服薬が即効性あありおすすめです。また、日々の疲れなどからくる慢性的な痛みには、ビタミンB1(疲労を緩和)、ビタミンB12(神経の修復を促す)、ビタミンE(血行を促す)を含む内服薬を継続的に服用するといいでしょう。さらに、加齢や肥満などによる基礎体力の低下からくる痛みには、漢方薬などを服用し血行を促したり、マッサージなどで体を温めるのも効果的です。
まず外用薬として、湿布などの貼付剤やゲルなどの塗布剤といった外用消炎鎮痛薬があります。軽い症状の場合は、まず貼付剤(湿布)がおすすめです。ゆっくり炎症を抑えてくれるサリチル酸グリコールが配合されているものや、熱をもっている場合はL-メントールが配合されているものが清涼感もあり効果的です。つらい痛みがある場合は、ジクロフェナクナトリウムやフェルビナク、インドメタシンといった非ステロイド性抗炎症薬が配合されている塗布剤(ゲル)がおすすめです。痛みや炎症のもとになるプロスタグランジンの分泌を抑え、素早く痛みを鎮めてくれる作用があります。
そして内服薬には、体の中から関節に必要な成分を補ったり、細胞の老化を防ぐといった関節の動きをサポートしてくれるはたらきがあるため、つらい症状の場合は、非ステロイド性抗炎症薬に代表されるイブプロフェンやアスピリンといった成分を含む内服薬が即効性あありおすすめです。また、日々の疲れなどからくる慢性的な痛みには、ビタミンB1(疲労を緩和)、ビタミンB12(神経の修復を促す)、ビタミンE(血行を促す)を含む内服薬を継続的に服用するといいでしょう。さらに、加齢や肥満などによる基礎体力の低下からくる痛みには、漢方薬などを服用し血行を促したり、マッサージなどで体を温めるのも効果的です。