尿もれの症状

尿もれの症状は、自分の意思とは関係なく尿が出てしまうことです。
尿もれはそのしくみによって主に2つに分けられます。

腹圧性尿失禁


非常に重い物を無理やり持ち上げようとしたり、咳やくしゃみをしたりすることで起こる尿もれです。ふとした時におなかに力を入れたときに起こります。

切迫性尿失禁


突然強い尿意を感じ、トイレに行くまでに排尿が間に合わず尿もれしてしまうものです。

さらに、この2つを合わせた混合型尿失禁と呼ばれる症状も珍しくはありません。

運動機能の低下や認知症


運動機能がいちじるしく低下していたり、あるいは認知症によって、トイレの場所が分からなくて我慢できずに漏れてしまうこと、排泄行為があったとしてもそれを認識していないことも存在しています。

尿に関する3つの障害


排尿に関する身体の不具合は大きく分けて蓄尿障害と排尿障害に分ける事ができます。

尿漏れは排尿障害に分類されます。ほかに頻尿や、残尿感、排尿をする時の痛みなどがあります。

尿もれの原因

尿もれの原因は多岐に渡ります。代表的なものをここでお伝えします。

腹圧性尿失禁


重い物を持ち上げたり、咳やくしゃみをした時に漏れてしまうケースは腹圧性尿失禁と言われます。

骨盤底筋群という筋肉があるのですが、尿道括約筋を含む筋肉が縮む事によって起こる事が多い尿もれです。

年齢が高くなったり、出産をする事によって現れはじめる症状です。

切迫性尿失禁


脳のコントロールを上手くする事ができずに起こる尿もれです。

脳血管障害などによってコントロールができないケースがある一方、中には原因が分からない場合もあります。

原因不にも関わらず膀胱がコントロールを離れて勝手に収縮する事によって起こるのです。

男性の場合・・・


前立腺肥大症が切迫性尿失禁の原因になっていることがあります。

ほかにも男性に多い尿漏れに溢流性尿失禁があります。

尿を出そうとすると少量しか出ないのに、尿が溜まると尿意に関わらず排尿してしまうこともあります。この原因としても前立腺肥大症が挙げられます。

尿もれの予防・治療法

トレーニングをする


腹圧性尿失禁の軽い尿漏れの場合、骨盤底筋を運動で鍛える事によって改善をすることができます。

例えば外尿道括約筋、骨盤底筋を強化することによってコントロールを取り戻します。

ヨガなどによって骨盤底筋を鍛える事が可能ですので、体力に合わせてトレーニングを行いましょう。

服装に気をつける


タイトなパンツやガードルをすると腹部を圧迫することになり、尿漏れを誘発するケースもあります。

心配な方はゆったりとした衣服を着用した方が良いでしょう。

尿もれの治療法


治療法についてですが、それぞれの症状に合わせた方法を取る必要があります。尿もれは生命に影響は無いのですが、生活をする時には非常に不便になるので改善をしなければならないでしょう。

運動をしても改善が見られない場合は、手術も必要となります。

例えばポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通すような施術、TVT手術、あるいはTOT手術などが挙げられるでしょう。

さらに切迫性尿失禁のケースですと抗コリン薬やベータスリーなどの受容体作動薬なども効果があります。


Doctors Me医師コラムから


頻繁に尿もれしてしまう…そんな時の対策とは?



尿もれに強い味方、グッズとは?
まず、最も手軽なものは『尿とりパッド』です。

私たちの下着が濡れたり、匂いがしたらどうしよう、という悩みに沿ったグッズだと思います。

特別な構造のパッドが、急な尿漏れにしっかり対応してニオイ対策もしてくれる製品が多いです。

尿もれの量が少ないと思っているときや恥ずかしさから生理用のナプキンやおりもの用のパンティーライナーで代用しようとする方をときどき見かけます。気持ちはよく理解できるのですが、目的が違うので尿のもれや尿臭は解決されません。

尿漏れが気になる場合は、目的に合わせて尿漏れ用のパッドを買いましょう。

軽い尿もれ用からやや多めに漏れてしまう方まで、色々な商品があります。できるだけ薄く、目立たないように作られた商品も多いので、周囲の方に気づかれずに使えるかと思います。

尿もれの身体を鍛える…?
尿もれは特に出産を経験した女性にも多く起こります。
この場合の原因は、骨盤底筋群のゆるみです。

骨盤底筋を鍛えるかんたんな体操が効果的といわれています。

尿道や膣、肛門にぎゅっと力を入れたり、緩めたりする運動をおこなうようにします。 即効性はありませんが、3か月以上継続して毎日行うことで、多くの方に改善傾向がみられるといわれています。

本や雑誌、インターネットサイトなどを参考にして毎日5分~15分程度、続けてみるとよいでしょう。

ほかにもある、尿もれのときにするといいこと
ほかにも原因に合わせた対策を行うといいですね。

≪肥満が原因と考えられる場合≫
肥満は骨盤底筋に負担をかけて緩めてしまいます。お腹の余分な脂肪が膀胱を圧迫するとも考えられます。

尿失禁に悩む方で、肥満のある方は生活習慣を見直して肥満を解消することが大切です。

≪ひどい便秘が原因と考えられる場合≫
ひどい便秘も腸管に詰まった便が尿もれを起こしやすくしていることがありますので、水分や食物繊維を十分にとって便秘解消を図りましょう。

医師からのアドバイス
いくつかグッズや対策をお伝えしました。

しかしどうしても尿もれに改善が見られないのであれば、泌尿器科で原因をはっきりさせて治療をする必要があります。医師に相談のうえ、適切な治療を受けるようにしましょう。