胃腸炎の症状

胃痛に苦しむ女性
胃腸炎の症状は原因によって異なりますが、主な症状は以下が挙げられます。
・腹痛
・胃痛
・嘔吐
・下痢
・倦怠感
・血便


感染性胃腸炎の場合は、発熱することがありますが、非感染性胃腸炎の場合はあまり熱が出ることはありません。

また乳幼児や高齢者など、体力がない方は、下痢や嘔吐を繰り返すことで、脱水症状を引き起こすことがあります。

胃腸炎の原因

感染性胃腸炎


ウイルスや細菌などに感染することが原因で起こる胃腸炎を感染性胃腸炎と呼びます。

●ウイルス性胃腸炎
・ロタウイルス
・ノロウイルス
・アストロウイルス
・腸管アデノウイルス など

●細菌性胃腸炎
・カンピロバクター
・サルモネラ
・腸管出血性大腸菌
・毒素原性大腸菌
・黄色ブドウ球菌
・セレウス菌
・ウェルシュ菌
・コレラ菌
・赤痢菌
・腸炎ビブリオ など

●原虫による胃腸炎
汚染された食品が感染源の、ランブル鞭毛虫、クリプトスポリジウムなどが原因となって胃腸炎が起こることがあります。

非感染性胃腸炎


非感染性胃腸炎は、薬やアルコールなどの刺激物、ストレス、アニサキス症など、さまざまな原因で起こります。

●薬による胃腸炎
薬
抗菌薬や非ステロイド系消炎鎮痛剤などをはじめ、化学療法や放射線療法、痛風、心疾患に用いられる薬の副作用として、胃腸炎の症状が出ることがあります。

胃腸に副作用がでやすい薬を飲むときは、胃の粘膜を保護する薬などを一緒に服用します。

●神経性胃腸炎(ストレス性胃腸炎)
ストレスを抱える女性
ストレスが原因で胃腸炎になることがあります。

現在は、内視鏡検査で炎症などの異常は見つからないにもかかわらず、胃腸の痛みや胃もたれ、膨満感などがある場合は、「機能性ディスペプシア」と呼ばれています。

胃腸炎の治療

感染性胃腸炎


脱水予防に経口補水を行い、重症の場合は点滴をします。整腸剤や、吐き気止めなど対症療法をします。

細菌が原因とわかった場合は、抗菌薬を用いる場合があります。

非感染性胃腸炎


整腸剤や漢方薬、胃酸を抑える薬を適宜コントロールしながら服用します。薬の副作用として胃腸の症状をきたしている場合は、服用の中止を検討します。

食生活では揚げ物や辛いもの、冷たいものを避けて、規則正しい生活習慣をします。

胃腸炎の予防

手洗い・うがい


手洗い
手洗い・うがいを十分に行うことが大切です。帰宅後やトイレ後、調理や食事の前には、必ず手を洗いましょう。

指輪や腕時計をしている場合は外し、せっけんやハンドソープを使い、指の股や爪の間、手首までしっかりと洗うことが予防に繋がります。どうしても手が洗えないときは、持ち運び用アルコールジェルなどを使いましょう。

爪を短く切って清潔な状態にしておくのも大切です。

清潔にする


感染性胃腸炎が流行しているときは、アルコールスプレーなどを使って掃除しましょう。

ただし、ノロウイルスにはアルコールが効かないため、キッチンハイターを薄めた次亜塩素酸で消毒します。次亜塩素酸を使用する際は、金属の腐食や脱色、皮膚や粘膜を傷めないように注意が必要です。

洗った後は、清潔なタオルやペーパータオルできちんと拭いて乾かしましょう。

生食を避ける


細菌性胃腸炎予防のために、豚肉、鶏肉などを食べる際は、意識して中まで火を通しましょう。

牡蠣など二枚貝を食べる際もしっかり加熱することが大切です。

二次感染予防


既に感染性胃腸炎を引き起こしている方の吐しゃ物や便などをを介して感染することを、二次感染と呼びます。

十分に掃除しきれなかった吐しゃ物や便が乾燥して、ウイルスが空気中に舞い上がってしまったり、掃除をする際、手に触れたウイルスが、洗浄しきれていない状態で残っていると感染の原因になります。

公共のトイレやドアノブ、手すりなどにウイルスが付着していて、それに触れた手を介して感染してしまう場合もあります。

下痢や腹痛などの症状が出ている家族がいるときは、トイレのドアノブや手すりをよく消毒しましょう。

●吐しゃ物の処理
・素手で直接触ることを避け、ゴム手袋、マスクやエプロンを使って行う
・ペーパータオルなどで、外から内側にぬぐい取って、範囲を広げないよう丁寧に拭き取る
・拭き取りに使ったものは、すぐにゴミ袋に入れてきちんと口を縛って捨てる
・拭き取った後の部分は、薄めた塩素系消毒剤をしみ込ませたペーパータオルなどで覆う
・吐しゃ物は、広い範囲に飛び散っている可能性もあるため、消毒し残しのないように気を付ける