捻挫の症状

捻挫をすると、まず患部が赤く腫れあがります。例えば足首の捻挫の場合、床になどに足をつき体重をかけると痛みが走ります。

重度による3つのランク


捻挫はその重度によって以下の3つのランクに分けられます。

1度:靭帯がのびた状態
2度:靭帯の部分断裂
3度:靭帯の完全断裂


ただし、足首に関しては、単体の靭帯損傷の度合いだけで重症度は決定されません。いくつの靭帯が損傷したかによって、怪我の重症度を判断する場合があります。 痛みに耐えられるからといって無理はせず、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。

内出血の移動


捻挫をしたときに、内出血することは珍しくありません。捻挫は関節周辺の靭帯、腱、軟骨などが傷ついた状態です。傷ついた箇所の出血量が多いと内出血として現れます。

時間が経つと、内出血が実際に捻挫した患部より下に移動する場合があります。例えば、足首の捻挫で生じていた内出血が、足の裏や甲などに移動し変色した状態で現れます。

捻挫していない箇所に内出血ができると驚いてしまうかもしれません。基本的に問題のない症状のため心配しすぎないようにしましょう。

捻挫の原因

捻挫は、主に関節や靭帯をひねってしまったり、動かせる範囲以上に動かしてしまったりすることが原因で起こります。

捻挫を起こしてしまう要因として、以下のようなことが挙げられます。

不十分なウォーミングアップ


十分なウォーミングアップをせずに運動を行うと、いつもの身のこなしができず、着地の際にバランスを崩すなどして関節をひねりやすくなります。

また、ウォーミングアップのうちから全力を出すと、怪我をすることがあるため要注意です。

体を無理に動かす


自分の能力以上の運動量を体に強いても、関節や筋力はついてきません。捻挫のもとになるため、自分の身体能力をきちんと把握することも大切です。

また、体調が優れない場合や高齢者は、無理な運動を行なわないようにしましょう。

他の選手との接触が激しいコンタクトスポーツの場合、足を踏まれたり、蹴られたり、押されて転倒してしまった場合などに捻挫してしまうことがあります。防ぎようがない部分もありますが、激しいスポーツをするときほど注意が必要です。

捻挫の治療

応急処置


RICE処置
Rest(安静にする)
Ice(冷却する)
Compression(圧迫する)
Elevation(挙上、患部を心臓より高い位置に保つ)

捻挫をしたときは、速やかに運動を中止します。冷水・氷などをビニール袋にいれ、患部を冷やしましょう。保冷剤をタオルやハンカチで包んで当ててもよいです。冷やしすぎると凍傷になるため、様子を見つつ冷やします。

状態によっては、タオルや包帯などで患部を固定して、さらに負荷をかけないように処置をします。可能な限り、患部が心臓より高い位置にくるようにしてください。内出血の予防になります。

就寝時は、布やサポーター、テーピングを使って患部をしっかり固定します。足首の場合は、下にタオルなど柔らかいものを敷きましょう。

痛みが強いときや、皮膚が紫色などにひどく変色している場合などは、速やかに受診しましょう。 痛みが我慢できる程度であってもRICE処置を行い、翌日以降でもよいので、整形外科などを受診するようにしましょう。

治療


重症度によって異なりますが、基本的に鎮痛剤の服用、患部の固定など保存的治療が行われます。

靭帯の損傷度合いによっては、手術が検討されます。今後激しいスポーツを続けるかどうかなどによっても、手術の必要度は変わってくるため、主治医の先生とよく相談することが大切です。

捻挫の予防

運動前はウォーミングアップ


運動前は、筋肉の柔軟性を高めるためにストレッチをしましょう。ウォーミングアップをせずに急に激しい運動をすると、捻挫のリスクが高くなります。特に足首は、着地の際に注意が必要です。

過去の捻挫はしっかり治す


過去に一度捻挫をしてしまった関節は、きちんと回復させなければ、また捻挫してしまう可能性があります。サポーターやテーピングをして、事前予防することも効果的です。

また、習慣的に運動を行い、筋力や筋持久力を高めることが大切です。 ウェイトトレーニングなどで捻挫の起こりやすい関節の周りの筋肉を鍛えることも効果的です。