視力の低下とは
視力の低下は急激に起こる場合と徐々に起こる場合とがあります。急激に起こる場合は失明のリスクや、命にかかわる病気の可能性があるため早めの受診が必要です。
視力の低下の症状と原因
視力が急激に低下する場合と、徐々に低下する場合とに分かれます。急激な視力の低下
数分から数日、または数週間の間に視力が低下した場合は失明のリスクや命にかかわる以下のような病気の可能性があるため、早めに眼科を受診してください。
特に、数分から数日の間に視力の低下が起こった場合は緊急での受診が必要です。
急性閉塞隅角緑内障
緑内障の種類のひとつで、目の中を循環する液体「房水」が排出できず眼球内の圧力「眼圧」が上がった状態です。
視力の低下のほかにも激しい目の痛み、頭痛、吐き気などの症状をともないます。
直ちに眼圧を下げないと失明するリスクがあるため、緊急での受診が必要です。
ぶどう膜炎
目の充血や痛み、霧がかかったように見える、まぶしい、涙が出るなどの症状をともないます。
病原体への感染や悪性腫瘍のほか、ベーチェット病、原田病、サルコイドーシスなどの病気の症状である場合もありますが、原因がわからないこともあります。
網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症
網膜の動脈や静脈が詰まる病気で、急激な視野や視力の低下のほか、ものが歪んで見えるなどの症状をともなうことがあります。
網膜剥離
網膜が剥がれてしまう病気で、前触れとして小さなゴミや閃光のようなものが見えることがありますが、症状がない場合もあります。
病状が進んだり、広範囲の網膜が剥がれた場合などには視野が欠けたり、ものが歪んで見えたり、視力が急激に低下することがあります。
脳梗塞、脳出血などの脳血管障害や脳腫瘍
視覚をつかさどる脳の部分が影響を受けると、視力の低下のほかにも視野が欠けるなどの症状が現れることがあります。
徐々に進む視力の低下
近視、遠視
目に入る光が網膜より前で焦点を結んでしまう近視では遠くのもの、網膜より後ろで焦点を結んでしまう遠視では特に近くのものが見えにくくなります。
進行の早さには、遺伝要因や環境要因が影響しているといわれています。
白内障
水晶体が白く濁る病気です。初期にはほとんど自覚症状がなく、進行するにつれて視力の低下やまぶしさ、ぼやけなどの症状が現れてくることがあります。
糖尿病網膜症
血糖値が高い状態が続き、網膜の血管に影響が及び網膜に酸素や栄養が行き渡らず、視力の低下や視野が欠けるなどの症状が起こる状態です。
病状がかなり進行するまで自覚症状がない場合もあります。
ドライアイ
涙の分泌量や成分が少なくなった状態です。目の疲れやまぶしさなどに加え、視力の低下も起こることがあります。
視力の低下の予防法
目に異変を感じたときはまず眼科を受診することが重要です。治療を受けることでさらなる視力の低下を防げることがあります。また糖尿病のある人は、目に症状がなくても定期的な眼科の受診が推奨されています。
視力低下を防ぐために心がけること
以下のような工夫が役立つとされています。
適度な照明
文字を書いたり読んだりする時は部屋を明るくし、右利きの人は左斜め前か後ろ、左利きの人は右斜め前か後ろから光が来るようにスタンドなどを配置します。
目を酷使せず、休憩を取る
テレビは明るい部屋で離れて見るようにし、長時間近くを見続けることは避けます。また、意識してまばたきをし、睡眠は十分にとりましょう。
眼鏡やコンタクトレンズの適正利用
目に合わないメガネやコンタクトレンズの使用や、間違った使用では視力の低下を引き起こすことがあります。
眼科を受診して目に合った眼鏡やコンタクトレンズの処方を受け、正しく使いましょう。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
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