特に女性でお悩みの方が多いと思われる便秘。出来ることならばすぐに解消したいですよね。

便秘解消にはツボ押しが即効性があり、有効なようですが、いったいどのようなツボが効果的なのでしょうか。

今回は医師の松本先生に便秘改善に有効なツボや、ツボ押し時の注意点などを解説していただきました。

便秘改善にツボ押しが有効な理由


体には300以上のツボがありますが、ツボの部分は他の部分よりも電気が流れやすく、電気信号を利用した自律神経の興奮と関係していることがわかっています。

便秘は自律神経の異常とも関連が深いので、ツボが効く可能性があるのです。

便秘に効くツボ :手


手のツボは、1カ所につき3~5回くらい押すとよいでしょう。

合谷(ごうこく)


■ 場所
親指と人差し指の付け根の中間

■ ツボ押し法
手の甲にあり、凹んでいます。反対の手の親指と人差し指で挟むように押しましょう。

神門(しんもん)


■ 場所
手首の付け根、小指側、骨と筋の間のくぼみ

■ ツボ押し法
ストレスを軽くし、自律神経を整えます。反対の親指で押しましょう。

間使(かんし)


■ 場所
手首の内側、手首から指5本分くらいのところ

■ ツボ押し法
親指でぐっと押します。腸の蠕動運動を活発にしますのでトイレの最中もよいでしょう。

支溝(しこう)


■ 場所
手の甲側で、手首から指3本分くらいのところ

■ ツボ押し法
強めに真下に向けて押しましょう。色んな種類の便秘に効くとされます。

頭痛耳鳴りめまいにも有効です。

便秘に効くツボ:耳


耳はデリケートですから強く押しすぎないように注意しましょう。

内分泌点(ないぶんぴつてん)


■ 場所
耳の穴の下、U字型にくぼんでいる部分

■ ツボ押し法
こすると良いでしょう。むくみやホルモンのアンバランスにも有効です。

便秘点(べんぴてん)


■ 場所
耳の上から1つめのくぼみの、付け根

■ ツボ押し法
便秘が続いていると傷むので優しく刺激しましょう。

便秘に効くツボ:足


足のツボは土踏まずの内側よりにたくさんありますので、青竹踏みのようにグリグリしましょう。

また、ツボ押しの後、足を冷やすと循環が悪くなるので、冷やさないことが大切です。

厲兌(れいだ)


■ 場所
足の人差し指の中指側

■ ツボ押し法
痛い部分を押しながらつまみ上げるように持ち上げます。

足の三里(あしのさんり)


■ 場所
膝から指3~4本下がった辺りで、外側の骨の縁の部分

■ ツボ押し法
親指や中指で強めに1~2分押しましょう。体力増強、むくみにも効果が期待できます。

三陰交(さんいんこう)


■ 場所
足首の内側くるぶしから指4~5本分上の骨のくぼみの後ろ側

■ ツボ押し法
左右に動かすように揉みます。むくみ、生理痛などにもおすすめです。

太衝(たいしょう)


■ 場所
足の甲、親指の骨の指の3本分くらい上がったところ

■ ツボ押し法
息を吐きながら親指でほぐすように押しましょう。むくみにも有効です。

便秘に効くツボ:お腹


関元(かんげん)


■ 場所
おへその指3~4本分下 

■ ツボ押し法
息を吐きながら押して息を吸いながら離すとよいでしょう。ストレス性のお腹の症状や、子宮の血液循環改善にも効果が期待できます。

大巨(だいこ)


■ 場所
おへそから指2本分外側かつ、指2本分下

■ ツボ押し法
1~2分痛いけれど気持ちいい程度の力で、やたらと強く押さないようにしましょう。下痢や消化不良、ニキビやむくみ改善にもおすすめです。

天枢(てんすう)


■ 場所
おへそから指2~3本分外側

■ ツボ押し法
人差し指、中指、薬指の3本の指を揃えて、お腹が軽くへこむぐらいの強さで左右のツボを同時に押しましょう。また、下痢にも効果的です。

中脘(ちゅうかん)


■ 場所
おへそとみぞおちを結ぶ縦線の、中間のあたり

■ ツボ押し法
両手でまっすぐに押しましょう。

胃痛胃もたれ、食欲不振にも効果があります。

気海(きかい)


■ 場所
おへそから指2本分下

■ ツボ押し法
手でまっすぐ押しましょう。辛い女性の月経痛にも有効です。

便秘に効くツボ:背中


便秘点(べんぴてん)


■ 場所
一番下の肋骨から指2本分下、背骨から指4~5本分外

■ ツボ押し法
親指で押したり、他の人に押してもらいましょう。

大腸兪(だいちょうゆ)


■ 場所
第四腰椎の飛び出した部分の下の縁を挟んだ両側で、指1本分外側

■ ツボ押し法
仰向けになって背中に拳のとがったところを当て体重をかけ、体を左右に動かすと良いでしょう。

大腸だけでなく、腰痛、背中のコリや痛み、肥満にも有効です。

ツボ押しの際に注意すること


■ 自律神経を整えるためですから、緊張して押すと自律神経は整いませんので、リラックスして押すのが大切です

■ 寒くないように、お酒を飲んでいないときにツボ押しして下さい

■ 間違えて他の場所を押すこともあるので、体調が悪くなったらすぐに止めましょう

■ 気持ちよいと感じなければ、体に合っていないと判断しましょう

妊娠中は、子宮の収縮を早めるなどの影響があり得ますので、自己判断で行わず婦人科で相談してからか、軽くするように注意しましょう

便秘を根本的に解消するには


便秘は悪い食事と、心体への過剰なストレス、睡眠不足などが折り重なって起きます。

ストレスや睡眠不足は腸内環境を悪くし、カンジダなどの悪性菌を増やし、便秘だけでなく、アトピー花粉症糖尿病うつ病などの原因にもなりえます。

食事や生活の全てを正したときに便秘も劇的に改善しますが、少しずつでも改善することによって1カ月程度でかなり体は変わりますから諦めずに改善していきましょう。

食生活の改善


現代型の噛む必要の少ない食事、白いご飯やパンや麺類の多い食事は、カンジダなどの悪性菌を増やし、腸内環境を悪化させるので、生野菜などで線維をしっかり摂ることがもっとも良い方法です。

また、質の良い発酵食品は腸内細菌のバランスを改善し、便秘や下痢を減らします。主食は野菜で、副食が肉・魚というつもりで食事を変えてみましょう。

食べた物から体はできていますから、より質の良いものを食べれば、良い方に変わります。

規則正しい生活習慣


タバコやアルコールを除くと、以下のような生活習慣が便秘を招きます

■ 便秘を招く生活習慣
・朝充分にトイレに行く時間がない
・夜寝る時間が遅い
・身体をほとんど動かさない

時間的なゆとりは精神的なゆとりにつながりますので、30分早く寝て、30分早く起きるところから精神的なゆとりが生まれ、ゆとりは自律神経をより機能的にさせます。

30分生活時間をずらすことは、「何も足さない、何も引かない」ようですが、自律神経を整えるにはとても有効ですから、まずは早寝早起きから始めてみましょう。

便秘解消におすすめのマッサージ


痩せた女性向けの便秘解消におすすめのマッサージを紹介いたします。

■ ステップ1
仰向けに寝て両膝を立てます。

■ ステップ2
腰の下に座布団などを置き10cmほど腰を上げ、腹筋の力を抜き、腸に手が届きやすくします。

■ ステップ3
横行結腸を押し上げるために、下腹部やや右からおへその上まで両手で押し上げます。目安は1分間お腹が自然に凹む程度です。

■ ステップ4
S状結腸を刺激する恥骨上からおへそまでのやや左よりを1分程度トントンと叩きます。

■ ステップ5
最後に、姿勢を良くします。姿勢を良くすることによって横隔膜、内臓が引き上げられ、腹腔にスペースが作られます。

最後に松本先生から一言


ツボは古来から伝わるだけでなく、現代医学でも効く理由が解明されつつあります。

色々な方法で体をより良く変革させましょう。

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プロフィール

監修:医師 松本 明子
1968年生まれ、鳥取大学医学部卒業。広島の病院で内科勤務した後、2009年~海外転出し、アメリカで予防医学を学ぶ。 2013年~「DNA Diet and Lifestyle遺伝子に沿った食事と生活」という、オンライン健康プログラムにより自然治癒力を最大限に引き延ばす、老化と病気の予防と治療のための健康指導を行っている。