小児科に関する学会は多く存在しています。その多くは小児科学の発展、進歩を主な目的とし、小児医療の充実や、福祉の向上を目指し活動しています。 まず代表的なのが「日本小児科学会」です。公益社団法人として活動しており、100年以上の歴史をもっています。元々は「小児科研究会」として1985年に発足し、その後名称を変更。1929年に社団法人の認可を得て、今日に至っています。学術学会や、セミナー、講習会、研修集会、震災関係など、様々な活動を行っていることや、専門医制度を施行しているのが特徴です。 専門医制度とは、優れた医師の育成と医療の発達を目的とした試験制度です。筆記や症例要約評価、面接などにより試験を行い、合格者のみ専門医として認定されます。この制度により、優れた小児科医が絶えず育成されています。資格取得後も5年ごとの更新が義務付けられているため、専門医として認定を受けているということは、非常に高いスキルを有しているという証明でもあります。
小児科学は非常に細分化されています。医学の分野のほぼ全てに、小児の部門が存在すると考えても良いほどです。具体的には小児外科、小児循環器外科、小児整形外科、小児眼科、小児耳鼻咽喉科、小児泌尿器科、小児脳神経外科などがあります。そしてその多くに学会が存在します。各学会では、会報が発行されたりセミナーが開催されたりしています。中には上記と同じく専門医制度を採用しているところもあり、日夜、各分野で研究が行われています。 例えば「日本周産期・新生児医学会」は、胎児や新生児、母体に関する研究に特化したもので、専門医制度を取り入れています。母体・胎児の領域と新生児の領域に分かれており、認定施設での研修を修了した医師のみが認定されます。現在合計で800人近い専門医が存在しています。 学術集会、シンポジウムなども定期的に行われており、日々専門的な医学が発達しています。このような動きがあるからこそ、子どもに対し、より専門的な医療を行うことが出来るのです。