便秘と胃腸科について

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日本人女性の2人に1人は悩まされている言われるほど、便秘は社会に広く浸透している症状です。毎日便が出ないと不健康だと思う人もいますが、日本内科学会は「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義づけています。その原因は主に2種類。「機能性便秘」と「器質性便秘」に分けられます。 機能性の場合は大腸の機能低下が要因となっており、更に大腸の通過時間が長くなることによって起こる「弛緩性」、ストレスや緊張によって腸の圧が高くなる「痙攣性」、便意を我慢することを繰り返すことで便意を感じなくなってしまう「直腸性」に分類されます。 器質性は、大腸に腫瘍や炎症があり、腸管が狭くなってしまうケースです。こちらは大腸ガンや大腸ポリープが原因となっている場合があるので、早急な治療が必要になります。たかが便秘と思わず、長く便が出ずに悩んでいる人は、胃腸科を訪れて早目に診療してもらうことをおすすめします。

自分の便秘が何を原因として起こっているのかを知ることはとても重要なことです。原因は実に様々で、治療法も原因に合わせて行わなければ意味がありません。自己判断で市販薬を使用していると、悪化するばかりか痔や高血圧などを併発したり、ガンやポリープなど重大な疾患を見落としまったりすることもあります。自分ならではの原因を知るためにも、胃腸科できちんと診察してもらうと良いでしょう。 器質性の原因による場合は、血液検査や腹部単純X線検査、大腸X線検査、内視鏡検査などによって区別できます。器質性でない場合でも、大腸の動きを促進してくれる薬剤や腸を伸ばして運動を活発化させてくれる下剤、便を柔らかくしてくれる薬剤など、自分の症状にあった薬を処方してもらうことで、体に負担をかけずに無理なく症状を改善することができるでしょう。 ひどい便秘で悩んでいる人は年齢と共に増える傾向にあります。年を重ねると治りも遅くなるため、できれば早目に改善しておきましょう。

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