更年期障害と聞くと女性のイメージが先行するかもしれませんが、実は男性更年期障害も存在します。
男性更年期障害は、女性と比べどのような違いがあり、そして治療はどの受診科目で行えばよいのでしょうか?
今回は男性更年期障害について、女性更年期との違い、原因、治療、更年期障害改善に役立つ栄養素などを医師に解説していただきました。
更年期とは本来、女性が閉経に至る時期を指しますが、男性も加齢に伴って男性ホルモン(テストステロン)が減少し、減少の過程で様々な心身の不調を来すことが分かってきたため、男性更年期という言葉が生まれました。
医学用語ではLate onset hypogonadism、加齢による男性性腺機能低下症候群と呼びます。
女性の更年期障害と比べると緩やかな変化ではありますが、今まで年のせいや原因不明と思われていた様々な症状が男性更年期と関係があると言われています。
■ テストステロン
気分を高めたり、やる気や充実感の元となる「ドーパミン」を作り出したり、血管を健康に保つ一酸化窒素の産生にも関連するなど、男性の健康に影響を与えるホルモンです。
テストステロンの分泌は20~30代でピークを迎え、40代後半頃から減少する傾向にあります。
しかし、テストステロンの分泌量は個人差が大きいため、女性よりも発症する年齢層が広くなっています。
女性更年期障害は閉経前後の数年間で改善される場合が多いですが、男性更年期障害は放置してしまうことにって、症状が長期間に渡るなど改善が困難な場合が起こります。
また、女性のように閉経という境目がないために、男性自身が症状の変化が分かりにくいことも違いの一つと言えるでしょう。
男性更年期障害はテストステロンの減少によって、ホルモンバランスが崩れることによって起こります。
■ 加齢やストレス、運動不足
テストロンを減少させる要因として、加齢、ストレス、運動不足などがあげられます。
特に、肥満傾向にある男性の場合は、テストステロンの働きを脂肪が妨げるので、男性更年期障害を起こしやすいと言われております。
■ 強い精神的負担
まじめな性格であったり、責任感の強いとリスクが大きくなるとも言われております。
自分や家族の健康、両親の介護、子供の進学などの負担がのしかかる年代層が男性更年期障害を起こしやすく、精神的負担が症状を深刻にさせている可能性も考えられます。
■ 精巣摘出
精巣を摘出した場合も急激に男性ホルモン、テストロンが減少するため、男性更年期障害の症状が出やすくなると言われております。
我々が意識しなくても、臓器の動きを24時間制御しているのが自律神経です。
自律神経のバランスが崩れると、暑くもないのに汗が出たり、動悸や血圧の上下、便秘や下痢、不安感、緊張、イライラ、不眠などといった様々な症状が現れます。
自律神経失調症の症状は更年期障害と重複する部分もあり、男性更年期に伴う男性ホルモンの変動が自律神経失調症を引き起こすという面もあります。
また、男性更年期障害による諸症状がストレスを招き、自律神経失調症をさらに悪化させるということもあります。
男性更年期障害の症状の一つにうつがあるように、男性ホルモンが低いとうつ状態になりやすくなります。
抗うつ剤がなかなか効かないうつ病の中に、男性更年期障害による症状が含まれていると考えられる場合もあります。
泌尿器科や、男性更年期障害を専門にする外来やクリニックもあります。
男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度を計測します。
男性ホルモンそのものを、注射や塗り薬で補充します。
また、精神的な問題に対しては、精神安定剤や抗うつ薬などが有効になることがあるなど、発症した症状に対して対症療法を行います。
上記で当てはまる項目が複数ある場合は、テストロンの減少が考えられますので、早めに医師に相談すると良いでしょう。
男性の更年期は女性よりも緩やかな変化ではあります。
しかし、それまで精力的に仕事や趣味を楽しんでいた方が不調を感じた場合や、治療を受けても改善しない症状がある場合、男性更年期障害を疑ってもよいかもしれません。
男性更年期障害は、女性と比べどのような違いがあり、そして治療はどの受診科目で行えばよいのでしょうか?
今回は男性更年期障害について、女性更年期との違い、原因、治療、更年期障害改善に役立つ栄養素などを医師に解説していただきました。
男性更年期障害とは?
更年期とは本来、女性が閉経に至る時期を指しますが、男性も加齢に伴って男性ホルモン(テストステロン)が減少し、減少の過程で様々な心身の不調を来すことが分かってきたため、男性更年期という言葉が生まれました。
医学用語ではLate onset hypogonadism、加齢による男性性腺機能低下症候群と呼びます。
女性の更年期障害と比べると緩やかな変化ではありますが、今まで年のせいや原因不明と思われていた様々な症状が男性更年期と関係があると言われています。
■ テストステロン
気分を高めたり、やる気や充実感の元となる「ドーパミン」を作り出したり、血管を健康に保つ一酸化窒素の産生にも関連するなど、男性の健康に影響を与えるホルモンです。
テストステロンの分泌は20~30代でピークを迎え、40代後半頃から減少する傾向にあります。
しかし、テストステロンの分泌量は個人差が大きいため、女性よりも発症する年齢層が広くなっています。
女性の更年期障害との違い
女性更年期障害は閉経前後の数年間で改善される場合が多いですが、男性更年期障害は放置してしまうことにって、症状が長期間に渡るなど改善が困難な場合が起こります。
また、女性のように閉経という境目がないために、男性自身が症状の変化が分かりにくいことも違いの一つと言えるでしょう。
男性更年期障害の原因
男性更年期障害はテストステロンの減少によって、ホルモンバランスが崩れることによって起こります。
テストステロンの減少の要因
■ 加齢やストレス、運動不足
テストロンを減少させる要因として、加齢、ストレス、運動不足などがあげられます。
特に、肥満傾向にある男性の場合は、テストステロンの働きを脂肪が妨げるので、男性更年期障害を起こしやすいと言われております。
■ 強い精神的負担
まじめな性格であったり、責任感の強いとリスクが大きくなるとも言われております。
自分や家族の健康、両親の介護、子供の進学などの負担がのしかかる年代層が男性更年期障害を起こしやすく、精神的負担が症状を深刻にさせている可能性も考えられます。
■ 精巣摘出
精巣を摘出した場合も急激に男性ホルモン、テストロンが減少するため、男性更年期障害の症状が出やすくなると言われております。
男性更年期障害の症状
体調面 | 精神面 | 性機能面 |
---|---|---|
・肥満 ・高血圧 ・脂質代謝異常 ・糖尿病 ・骨粗しょう症 ・頻尿 ・尿漏れ ・汗をかきやすい ・のぼせる ・筋力低下 ・関節痛 ・動悸 ・息切れ ・ヒゲの伸びが遅くなる |
・不眠症 ・不安 ・気分が落ち込む ・やる気低下 ・イライラする ・食欲低下 ・物忘れ |
・勃起機能不全(ED) ・性欲減退 ・朝立ちしにくくなる |
男性更年期障害と似ている疾患
自律神経失調症
我々が意識しなくても、臓器の動きを24時間制御しているのが自律神経です。
自律神経のバランスが崩れると、暑くもないのに汗が出たり、動悸や血圧の上下、便秘や下痢、不安感、緊張、イライラ、不眠などといった様々な症状が現れます。
自律神経失調症の症状は更年期障害と重複する部分もあり、男性更年期に伴う男性ホルモンの変動が自律神経失調症を引き起こすという面もあります。
また、男性更年期障害による諸症状がストレスを招き、自律神経失調症をさらに悪化させるということもあります。
うつ病
男性更年期障害の症状の一つにうつがあるように、男性ホルモンが低いとうつ状態になりやすくなります。
抗うつ剤がなかなか効かないうつ病の中に、男性更年期障害による症状が含まれていると考えられる場合もあります。
男性更年期障害の治療
受診科目
泌尿器科や、男性更年期障害を専門にする外来やクリニックもあります。
検査内容
男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度を計測します。
治療内容
男性ホルモンそのものを、注射や塗り薬で補充します。
また、精神的な問題に対しては、精神安定剤や抗うつ薬などが有効になることがあるなど、発症した症状に対して対症療法を行います。
男性更年期障害対策に取りたい栄養素、食事
性的機能回復
亜鉛 | ムチン | アルギニン | マグネシウム |
---|---|---|---|
・牡蠣 ・レバー ・ウナギ ・牛肉 ・卵黄 ・アーモンド ・海苔 ・干しえびなど |
・オクラ ・納豆 ・なめこ ・モロヘイヤ ・さといも ・昆布など |
・山芋 ・落花生 ・かつお節 ・乾燥高野豆腐 ・くるみなど |
・そば ・玄米 ・豆腐 ・干しひじき ・バナナなど |
骨粗しょう症予防
カルシウム | ビタミンD |
---|---|
・煮干し ・高野豆腐 ・牛乳 ・チーズ ・干しえびなど |
・サンマ ・イワシ ・サバ ・イクラ ・キクラゲ ・舞茸など |
認知機能の改善
DHA、EPA、オメガ3脂肪酸 |
---|
・サンマ ・アジ ・亜麻仁油 ・エゴマ油など |
気分安定
トリプトファン |
---|
・鶏のささみ ・ゆで卵 ・エビなど |
セルフチェックで男性更年期障害を早期発見
男性更年期障害セルフチェック
- □ 総合的に健康状態が思わしくない
- □ 関節痛、筋肉痛がある
- □ 突然汗が出る、ほてる
- □ 寝つきが悪い、睡眠が浅い
- □ 疲れやすい
- □ イラつきがある
- □ 神経質になった
- □ 不安感がある
- □ 行動力が減退した
- □ 筋力が低下した
- □ 憂鬱な気分がある
- □ ヒゲが伸びるのが遅くなった
- □ 性欲が低下した
- □ 勃起障害がある
上記で当てはまる項目が複数ある場合は、テストロンの減少が考えられますので、早めに医師に相談すると良いでしょう。
最後に医師から一言
男性の更年期は女性よりも緩やかな変化ではあります。
しかし、それまで精力的に仕事や趣味を楽しんでいた方が不調を感じた場合や、治療を受けても改善しない症状がある場合、男性更年期障害を疑ってもよいかもしれません。