息切れの症状

走った後や激しい運動の後に苦しくて呼吸が早くなることがあります。このような息切れは病的なものではなく、しばらくすると呼吸が安定し落ち着きます。

一方、病的な息切れとは、平坦な道の歩行や、着替えや掃除などちょっとした日常生活の動作で息が切れてしまう状態です。

注意が必要な息切れ


病的な息切れの中には、緊急に処置をしなければならない場合もあります。息切れに伴い以下の症状がある場合は、速やかに受診してください。

胸膜炎:胸の痛み、発熱が伴い、深呼吸や咳で息切れや痛みが悪化した
肺血栓塞栓症:突然の胸の痛み、冷や汗、発熱が伴っている
急性心筋梗塞:意識障害、冷や汗、吐き気が伴っている
急性心不全:泡状の痰などが出て、手足が冷たくなっている

息切れの原因と治療

息切れは、呼吸器・循環器の機能がうまく作用せず、酸素を運ぶ赤血球が不足していることによって起こります。主な病気として、以下が挙げられます。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)


息切れを起こす病気にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)があります。

タバコの煙などの有害物質を長期間吸入したことで、肺が炎症を起こしている状態です。喫煙者の15~20%の人に発症すると言われています。

主に気管支拡張薬などを用いた薬物療法や運動療法を行います。重症の場合は、鼻にチューブをつける酸素療法を行います。

気管支喘息


気管支喘息は、ハウスダストやカビなどへのアレルギーや小児喘息などが関わって起こる病気です。

咳の発作を繰り返したり、痰でぜいぜいしたり、ヒューヒューと音がします。

吸入ステロイド薬などを使用し、喫煙者の場合は直ちに禁煙します。

過換気症候群(過呼吸)


過換気症候群(過呼吸)は、過剰に呼吸をすることで酸素を吸いすぎてしまい、激しい息切れ状態に陥ります。不安やストレス、極度の緊張などを感じると起こりやすい病気です。ゆっくりと呼吸をすることによって徐々に症状は治まっていきます。

原因となる精神疾患を治療したり、抗不安薬を用いたりして改善していきます。

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心不全


息切れに加えて、足にむくみが生じます。

心不全は徐々に進行していくため、このような症状がある場合は循環器内科を受診してください。

高血圧心筋症弁膜症など、原因となっている心臓の病気の治療を行います。

貧血


貧血で赤血球が不足することにより、酸素が体中にうまく運ばれず、少し動いただけでも息切れを起こします。

鉄剤の服用やバランスの取れた食事などで改善していきます。

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息切れの予防

禁煙


気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を防ぐには、有害物質を吸入しないように禁煙し、受動喫煙をしないことです。

自力での禁煙が難しい場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

ストレス対策


過換気症候群(過呼吸)は、不安やストレス、緊張によって発症します。日常生活で、ストレスが溜まらないように気をつけることで発症を防ぐことができます。

体重管理


息切れには、体重にも注意が必要です。標準体重を10%以上超えてしまうと、肺や心臓への負担が増えるため、体重管理も大切です。

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