打撲(打ち身)だぼく(うちみ)

カテゴリ
外傷
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医師監修

打撲(打ち身)とは

打撲とは、体に外から強い衝撃が加わり、皮膚や粘膜の肌の表面に近い部位だけでなく、皮下脂肪や筋肉などのより深い部位にある組織も壊されている状態です。また、「打ち身」とも言われます。

誰かに殴られことやどこかに勢いよくぶつけることによって、皮下の細い血管が壊れ、皮下出血による青紫色のあざや腫れ、痛み等の症状が現れます。

打撲による症状は、壊れる組織によって様々です。壊れる可能性のある組織は、皮膚、皮下組織、筋肉、腱、血管、神経など多岐に渡ります

修復可能な組織も多く、時間の経過と共に治っていくことが大半です。一方、出血が多く、腫れが長引くと、治るまでに時間が必要以上にかかります。正しい処置をとることが大切です。

打撲(打ち身)の原因

打撲は転倒や衝突の際に、皮下の軟部組織が強いダメージを受けることにより発生します。

日常生活における打撲


家具や柱などに頭部や体をぶつけるといった出来事や、自転車運転中の転倒といった事故などで起こります。暴力による打撲もみられます。

高齢者はバランスを崩しやすく転倒や転落のリスクが高いため注意が必要です。

スポーツによる打撲


特にサッカーやラグビー、格闘技などのコンタクトスポーツでは打撲の発生率が高まります。

打撲(打ち身)の対処法

打撲直後は「RICE処置」


【動画】打撲の応急処置:RICE処置


Rest(安静にする)
血管や神経を傷つけることを防ぐためです。過剰に患部を動かすと、腫れが悪化する恐れがあります。

Ice(冷却する)
傷ついた血管などをギュッと縮めて出血を減らし、腫れを最小限にします。

患部を直接、タオルでくるんだ保冷剤などで15分程度冷やしてください。15分というのは、冷却によって患部の感覚がかなり鈍ってくるほどの時間です。

このあたりの感覚で、一度冷却をやめてください。そして、しばらくすると痛みが出てきたら、同じように冷却してください。この冷却は打撲してから、3日目(72時間後)まで行ってください。

患部に湿布を張るだけでは、深い部位への冷却効果はありません。湿布は皮膚の浅い部位の冷却と炎症鎮痛が目的です。

Compression(圧迫する)
圧迫は患部の腫れを最小限にするための処置です。包帯やテーピングなどで患部を中心として、腫れのない正常部分までを圧迫します。ただし、強すぎる圧迫は、抹消への血流を悪くするため注意してください。

Elevation(挙上)
腫れが広がることを防止するために、患部を心臓より高い位置に上げてキープします。

このRICE処置を行うことで患部の腫れやむくみ、内出血を抑えることができます。ただし、骨折の疑いがある場合もあるため、安易に判断せずに、医師の診察を受けるようにしましょう。

打撲の数日後からは温める


打撲後、3日ほど経過して腫れや熱感が引いてきたら、冷やすのではなく温めるようにしましょう。血行を良くすることで、組織の修復に必要な酸素や栄養がよりスムーズに運ばれ、治りも早くなります。ゆっくり入浴し、患部にカイロやホットタオルなどを当てて温めましょう。

目を打撲した場合


目を打撲した場合は、見えにくくないか、両目で見ても二重に見えないか確認しましょう。見え方がおかしい場合は受診してください。

頭を打撲した場合


頭を強くぶつけた時は、脳に強いダメージを起こす場合があります。意識障害があれば、すぐに病院に連れて行ってください。意識障害がない場合は、頭痛や吐き気の症状が強くなければ、患部を冷やしながら1~2日程度は様子をみておきましょう。

打撲直後は意識に問題がないにも関わらず、10分~数時間あとに、意識状態の悪化、嘔吐を繰り返す、手足が上手く動かせない、うまくしゃべれないなどの症状が起こるときがあります。この場合、頭蓋内で少量の出血がジワジワと出続けている可能性が高く、危険な状態です。すぐに脳神経外科への受診をしてください。

打撲(打ち身)の予防

打撲を引き起こす原因には、転倒などがあります。転倒による事故の予防には、普段から足腰の筋肉の働きを高める運動が有効になります。

また、寒さや疲労、運動不足などは全身の血流の巡りを悪くします。筋肉だけでなく、各組織への必要な養分が届きにくく、体の虚弱化を招きます。日頃から適度な運動やストレッチで全身の血流をよくして新陳代謝を上げることが予防になります。

打撲/打ち身の薬の上手な選び方・使い方

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打撲、打ち身は損傷部位や症状によって治療法を見極めることが大切です。

手や足などの軽い痛みや腫れであれば、まずは湿布などの外用薬で対処します。打撲直後は応急措置として、「RICE」を行います。「RICE」とは「安静(rest)にし、患部を冷却(ice)と圧迫(comoresstion)しながら、心臓より高く(Elevation)保つ」ことです。直後は患部が熱を持ち腫れてくるため、フェルビナク・インドメタシンといった抗炎症作用の成分が含まれた冷湿布で冷やします。アイシングや冷却スプレーを併用すると効果的です。2、3日すると内出血も収まり腫れも引いてくるため、次は温湿布で患部を温めます。患部を温めることで血行をよくし自然治癒力を高めることができます。このように軽い打撲の場合は、湿布を使い分けることで効果的に早期治癒に繋がります。また、痛みや腫れが強い場合は痛み止めの内服薬も効果的です。一般的には、アスピリンやイブプロフェンなどの抗炎症作用を持つ非ステロイド性消炎鎮痛剤と、解熱、鎮痛作用のあるアセトアミノフェンといった成分を含む薬を使います。そのほかに、痛み止めの注射や点滴といった即効性のある治療もありますが、症状に見合った治療を行うことが大切です。なお、頭部や腹部、胸などの打撲は骨折や重病に繋がる可能性もあるため、応急処置後しばらく様子を見て必ず医療機関を受診しましょう。
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