精神科での治療は料金が高いのでは?というイメージを持っている人も少なくないようですが、通常の費用とそれほど変わりません。もちろん、病状や薬、治療方法、医師、医療機関、未成年か成人かなどによって費用は異なりますが、基本的には初めて精神科で治療を受けた場合は、初診料と通院精神療法の費用、検査費用、薬代がかかります。健康保険3割負担で、初診料が1,000円前後、通院精神療法の料金が2,000円前後です。未成年の場合はさらに600~1,000円がかかります。なお高齢者や各種医療証などを持っている人は、料金が異なることがあります。また2回目以降の費用は半分近く安くなる場合が多いです。 検査費用や薬代は医療機関によってさまざまです。一般的に新しい薬などは高額になりやすい傾向にあります。その他精神科で行われる臨床心理士などのカウンセリングは、心理検査などが伴わない限りは、無料となっていることが多いです。
他の診療科での治療と料金はあまり変わらなくても、精神科での治療は期間が長くなるケースが多く、その分経済的負担は大きくなります。それを回避する方法としてさまざまな制度があります。一つは自立支援医療制度です。精神疾患で通院している場合、手続きをすると自己負担額が減る可能性が高くなります。料金や症状や年収によって異なりますので、通院している病院や市町村役場で確認してみましょう。 また、精神保健福祉手帳があります。日常生活や社会生活において、一定以上の制約がある精神障害の場合、この制度を利用することができます。公共施設や交通機関の割引や減税などのメリットがあります。 その他には生涯年金制度といった制度もあります。精神障害の等級に応じて、毎月障害年金が支給される制度です。他にも市町村の精神保健事業や、高額療養費用制度などといった制度もあります。 こういった制度を利用するためには、医師の診断書が必要です。また、複数の制度を利用するには手続きが複雑な場合もあります。スムーズな手続きをするためには、ケースワーカーなどに相談してみるといいでしょう。