耳鼻科を扱う病院では鼻腔、副鼻腔、耳、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺などの部位の治療を行っています。耳鼻科は耳鼻咽喉科の略であり、大きく5つの学問分野に分けられます。 まず耳科学です。耳の機能全般が専門となります。耳科学が主に取り扱う疾患として、外耳炎、中耳炎、耳性帯状疱疹、メニエール病などがあります。耳は人間の感覚器官が集中している部位であるため、非常に重要な学問であると言えます 次に鼻科学です。こちらは鼻腔や副鼻腔の機能が専門です。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻血なども鼻科学の範疇となります。耳鼻咽喉科に訪れる人の中で最も多い疾患は、花粉症を始めとしたアレルギー性鼻炎です。そのため鼻科学は常に先進的な研究が望まれています。 次に咽頭科学があります。咽頭学が主に扱うのは扁桃です。扁桃炎や扁桃肥大などが多い疾患です。また咽頭癌、アデノイドなど非常に危険性の高い疾患も扱っています。ちなみに解剖学的には口腔外科学と連携する学問でもあります。 次に喉頭科学です。専門はその名の通り喉頭です。喉頭は非常に重要な臓器であり、正常な発声や嚥下に大きな関わりをもっています。それらの機能異常、疾患などの治療が咽頭科学の主な役割です。代表的な疾患は喉頭癌、声帯ポリープ、正門癌などです。
上記の4つとは別に、首から上の脳と眼球以外全ての外科処置を専門とする、頭頸部外科学があります。これには頭蓋底、顎顔面、口腔咽頭、頸部、唾液腺、甲状腺なども含まれます。この診療科目は扱う範囲が広いため、形成外科や脳神経外科、歯科口腔外科などと連携して治療が行われています。主な疾患は咽頭悪性腫瘍、喉頭悪性腫瘍、唾液腺癌、甲状腺癌などです。顔面外傷も頭頸部外科学の範囲とされています。 耳鼻咽喉科は扱う器官や臓器が非常に多く、それに伴い学会も細分化されています。上記の他にも、嚥下学、音声外科学、顔面神経、神経耳科学などの学会が存在しています。