乳幼児の便秘の原因は、大人とはまるで違います。子供は排泄する力が非常に弱いもの。「子供にはよくあること」として軽く構えていると症状が悪化してしまうことがあります。また痛みによる恐怖や、トイレがうまくできないことで親に怒られる体験により、トイレを怖がって更に症状が進んでしまう悪循環も少なくありません。幼児期の便秘は、離乳食から普通食に移った食生活の変化と、トイレトレーニングをきっかけとする2大原因が多くのケースを占めます。消化の悪い物を食べる、また子供がよく食べてくれるからといって同じ食べ物ばかりを与えると、たちまち排泄に影響があるでしょう。 また牛乳をはじめ、水分の摂りすぎも必要な食物繊維の入る隙間をなくしてしまうため、逆に症状を悪化させてしまう場合があります。そしてトイレトレーニングによって過度なストレスを感じてしまうと、腸の活動が弱くなってしまいます。「失敗したら怒られる」という強迫観念をもってしまう場合があるので、なるべく子供の負担にならないようにしてあげましょう。
幼児の便秘は比較的頻繁に起こるものですが、病院を受診した方が良いかどうかの目安はその便を見てください。子供の排泄には非常に個人差があり、毎日5回排便する子もいれば3日に1回だけという子もいます。大切なのは便の状態。3日に1回でも柔らかい便やソーセージ状の便ならさほど問題ありませんが、カチカチの塊が連なっているような便や、コロコロしたうさぎのフンのような便が出る場合は、胃腸科など医療機関を受診させてあげましょう。 また排便に出血が伴う場合や、吐き気や腹痛、お腹が張ることによる食欲不振がある場合も受診をおすすめします。ラキソベロンなどの薬剤の処方や、浣腸、傷口の治療で子供の体に負担なく便意をコントロールしてあげましょう。常に様子を見てあげ、排泄のリズムがいつもと変わったり、便の状態が変わったりしたら注意してあげてください。便秘になりにくい体質にしてあげることが今後の子供の生活にとって大切になってくるはずです。