黄斑について

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黄斑とは網膜の中心部にあるもので、キサントフィルという黄色い色素が集まっていることから黄色くなっています。錐体細胞や神経節細胞が高密度で集まっており、視覚のほとんどを担っています。したがって、黄斑にトラブルが起きてしまうと、視覚に大きな異常が発生してしまいます。その他にも明るさについて反応を示す桿体細胞があります。これは少しの明るさの変化でも感知することができる部分です。暗所であっても物の動きを知ることができるのは、これの働きによるところです。さらに、黄斑の中心部には中心窩と呼ばれる部位があり、視神経の50%を含んでいます。中心窩の大きさは直径1ミリ程度で、錐体細胞の密度が高くなっています。なお、中心窩は光量が少ない場所では感度が急激に低下する性質を持っています。

黄斑の代表的な病気として加齢黄斑変性というものがあります。加齢性と呼ばれていますが、40代から発祥するケースもあります。最悪の場合失明してしまうこともあるので、知識を身につけておきましょう。代表的な症状としては像が歪んで見える、視界の中心部が暗く見える、像がぼやけて見える、像が不鮮明になる、などが挙げられます。両目同時に発症するのではなく片目から発症するため、気づきにくい傾向にあります。少しでもこのような症状が現れたら眼科医に相談をしましょう。この病気になりやすい人の特徴として、喫煙、肥満、日光を浴びる、などがあります。特に喫煙は重要な原因で、酸化ストレスが蓄積することで引き起こされます。 この病気は大きく2種類に分類され、出血や血液中の成分が漏れ出すことで網膜を押し上げるウェットタイプ、加齢で老廃物が溜まり栄養不足が生じることよって引き起こされるドライタイプがあります。ウェットタイプの方が進行が速い傾向にあり、治療せずにいると失明してしまうこともあります。発症率は高く、50歳以上の1.2%が発症すると言われているほどです。

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