不眠の症状

人間は、もともと夕方以降になると眠気が現れる性質を持っています。

ただ、睡眠不足や病気、栄養状態などによって眠気が生じる場合もあります。

睡眠不足による眠気には以下のような状態が伴うこともあるので注意してください。

すぐに現れるもの


・集中力欠如…不注意やぼーっとしてしまうことが増える
・思考力低下…気が散ったり人の話に耳が傾けられなくなる
・イライラしたり不安になったりする
・居眠り…日中に強い眠気が襲ってくる

中長期的な睡眠不足によって現れるもの


高血圧になる確率があがる
肥満になりやすい
・免疫力低下
うつ病になりやすくなる
・口臭がひどくなる
肌荒れ

不眠の原因

日中に眠気がおこる原因には主に「睡眠不足によるもの」「病気によるもの」「低血糖のよるもの」があります。

睡眠不足を招く事例


・介護や育児
・看護師など職業上での夜勤
・夜更かし・夜遊びを繰り返す
・仕事の多忙化・残業
・うつ病などによって不安やストレスを感じ、寝つけない
・合わない枕やベッドを利用している
・喫煙や飲酒

不眠症状が現れる病気


睡眠をとる女性
1)睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に10秒以上の呼吸が停止することや無呼吸が5回以上繰り返される病気です。

呼吸が止まることで、血液中の酸素濃度が下がったり、血圧が急上昇したりするため、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。

例えば、強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、日中の様々な活動に影響が生じます。

2)ナルコレプシー
ヒポクレチン(オレキシン)を作り出す神経細胞が働かなくなるためにおこる過眠症です。

日中に突然強い眠気が出現して、眠り込んでしまう病気です。

・昼間の耐え難い眠気(睡眠発作)
・力が入らなくなる(情動性脱力発作(カタプレキシー) )
・金縛りにあう(睡眠麻痺)
・悪夢をみる(入眠時幻覚)


上記のような症状がある方は専門医に受診するとよいでしょう。

低血糖によるもの


炭水化物や糖分を摂取すると、体内で分解されブドウ糖となり血液中に取り込まれます。この血中に取り込まれたブドウ糖が「血糖」です。

血糖値を調整するためにホルモン「インスリン」が分泌されるのですが、炭水化物などの大量摂取で血糖値が急激に上がり、それに応じてインスリンも大量に分泌されると、血糖値が下がりすぎて低血糖を起こしてしまうのです。

低血糖を引き起こすと、血液を通して脳に送られるブドウ糖(=脳を動かすエネルギー)の量が減り、眠気などの症状が現れます。

低血糖は眠気だけではなく、冷や汗動悸めまいなどの症状も引き起こすことがあります。

薬の副作用によるもの


いわゆる睡眠薬以外にも、抗不安薬や痛み止め、抗アレルギー薬、抗てんかん薬、パーキンソン病治療薬などの副作用によって眠気が生じることがあります。

特に、パーキンソン病治療薬や痛み止めの中には「服用後車の運転は禁止」と記載されているものがあるので、服用の際は注意しましょう。

詳しい情報については医師や薬剤師に確認してみてください。

眠気の予防/治療法

眠気が酷い場合は治療する事が必要となりますが、以下のような対策も有効です。

短時間の昼寝


食事の後に10~15分程度でも仮眠をとるといいでしょう。

何らかの強い刺激を与える


香辛料を含む食品(唐辛子煎餅等)の味覚的な強い刺激や、冷水洗顔等の温度面の刺激、簡単な体操等で体内の血流を増加させる、などがあります。

睡眠不足を引き起こす生活サイクルの改善


必要な作業はすべて日中に済ませ、夜間はあくまでも「自分自身の回復に割り当てる」というライフスタイルを確立することがポイントです。

睡眠薬などの服用


病気や怪我の痛みといった十分な睡眠を取ることができない理由が存在する場合、強制的に睡眠を促すために薬を使用することもあります。

しかし、寝覚めに疲労感を残すなどの副作用が現れることも多いので、睡眠薬の使用は医師と相談した上で判断しましょう。