口内炎の症状

唇に口内炎
口内炎にはいろいろな種類がありますが、どの口内炎にも共通するのは「痛み」です。

痛みはジワジワと続きますが、なにかの拍子で舌などが触れると、びっくりするほど痛みます。

たった数mmから大きくても1cm程度の炎症なのですが、痛みのあまり、物を上手に食べることができなくなったり、ときには頭痛が起こることさえあります。

口内炎は、歯以外の口腔内のすべての部分に発生します。一番よく見つかるのは、頬の内側や舌の部分ですが、歯茎にできる場合もあります。

口内炎の代表的なものは次のとおりです。

アフタ性口内炎


最も多く見られる口内炎です。全体が白っぽく、縁が赤い(あるいは楕円形の)炎症です。

口腔の粘膜にできた傷に細菌が侵入したり、粘膜そのものが弱ったり、ストレスなどで免疫力が低下した場合に生じます。また、食事などの際などにうっかり口の内側を噛んでしまうと、よく発生します。

はじめは口内炎自体が小さいので「少し痛いかな?」程度のものですが、だんだんと大きくなってくると何かが少し触れただけで不快な痛みが走るようになります。それよりひどくなると、口内炎ができている部分に何も触れなくても鈍痛を感じることがあります。(アフタ性口内炎を詳しく見る)

アレルギー性口内炎


広い範囲に痛みを伴う炎症が複数個できてしまったり、一部がただれてしまったようになることがあります。

カタル性口内炎


口腔内の粘膜に、小さな赤い発疹や紅斑、浮腫などが生じる口内炎もあります。

はっきりと境界のわかるアフタ性と異なって、ただ赤いだけで、境界ははっきりしません。口の中のただれから発生した口内炎と考えられ、虫歯や義歯の不具合の刺激・歯槽膿漏などが原因となることがあります。味を感じにくくなったり、食欲がなくなってしまうこともあります。

ウイルスやカンジダ性口内炎


ウイルスで代表的なのはヘルペスウイルスに由来する口内炎です。また、口の中に常在するカビの一種のカンジダが、唾液の減少、免疫が低下した老人や子供、ステロイドを服用している人などに発生します。口腔粘膜だけでなく、喉や食道にもできることもあります。

舌がんと口内炎の違い


口腔がんのひとつである舌がんは、ただの口内炎と思い込んで発見が遅れる場合があります。

口内炎は良性の腫瘍でびらんの一種でもありますが、舌がんは悪性腫瘍であり、少しでも早くに治療を行うことが重要です。

口内炎は痛みを伴うものも多く、通常は遅くとも2週間ほどで消えますが、舌がんの腫瘍は痛みがなくいつまで経っても消えない場合が多いです。

また、口内炎よりも固くて白っぽいしこりであることも特徴です。舌がんだと舌や顎が動かしにくかったり、噛み辛かったり、しびれを感じたりする場合、また首のリンパが腫れるケースも見られます。

舌がんは目で見て自分で発見できるので、早期発見も可能です。口内炎と見間違えて放置し、進行させないように気をつけましょう。

口内炎の原因

口内炎の原因はたくさんある


「口内炎」を繰り返し経験した!という人は多いでしょう。

痛みだけで特に命にかかわるようなことは少ないですが、程度により食事に支障をきたすこともあるので「二度と発症したくない」と思っていても、いつの間にかまた発生していることが多いです。そんな口内炎は、どういった原因で発生するのでしょうか?

口内炎の原因は、実は一つではありません。まず「ビタミン不足」が挙げられます。次に「ストレス」や「過労」などの生活や仕事に関わる原因。そして「睡眠不足」です。

睡眠不足は時間だけの問題ではなく、睡眠の質が低いことも原因として考えられます。

その他にも「ウイルスに感染している」「免疫に異常が生じている」と言ったことも、口内炎を発生させる原因となっています。

しかし、これだけ種類が分かれていながらも、それによって発生した口内炎には「原因別の特徴」というものが見られない為、口内炎を確認するだけでは、その原因まで特定することは極めて難しいです。

・ビタミン不足
食生活を改善してビタミンの豊富な食材を積極的に取り入れたり、サプリメントを摂ることも有効

・ウイルス感染
ウイルスが免疫によって駆除されるまでの数日間、口内炎が治癒するまで待つ

・過労や睡眠不足
生活態度を見直し、ビタミン摂取で症状が緩和することもある

・ストレス
原因を特定して生活からストレスを完全に取り除くことが難しいので、口内炎が治っても再び同じ場所に発生することも多い

このようなことから、原因は人によって様々です。

しかし、意味もなく口内炎が発生するようなことはありませんので、冷静に自分の置かれている状況を再確認し、原因を推測して取り除くようにしましょう。一つ一つ可能性を潰していけば、最終的には原因を特定して取り除くことが出来るでしょう。

原因別、口内炎ができるまでの流れ


口内炎ができるまでの流れ
口内炎の種類によって、その原因は異なります。それは口内炎という病気が口腔内の粘膜に起こる炎症状態を総称したものであるからです。

●アフタ性口内炎
最も多く見られる口内炎です。原因は不明だと言われていますが、もともとの体質であったり、口内炎のできてしまった時の体調、抵抗力、睡眠不足や疲労、ストレスが原因の1つではないかとも言われています。(アフタ性口内炎を詳しく見る)

●アレルギー性口内炎
特定の食物や化学物質、鎮痛剤、抗生物質などのアレルギー物質がアレルギー反応を起こすこととなっています。

●カタル性口内炎
歯が痛い
はっきりした境目が見えにくく、ただれたような感じになります。虫歯や歯槽膿漏、入れ歯が合わなかったりすることで起こることがあります。子供の指しゃぶりのような物理的な刺激でも起こります。

●カンジダ性口内炎
口腔内に存在するカビ(真菌)の一種であるカンジダに感染することです。免疫の低下した人に起こりやすく、白い斑点のような口内炎が見られます。

●妊娠中の口内炎
妊娠中に口内炎ができやすいのは、つわりやホルモンバランスが関係しています。

つわりで吐き気が起こり、歯をきちんと磨けないと細菌が繁殖します。

また妊娠初期は急激にホルモンのバランスが変化し、唾液の分泌が減ったり免疫力が低下するので、口内炎ができやすくなります。

つわりで十分な栄養を摂取できずビタミンが不足することも関係します。

口内炎がなかなか治らない場合は、妊娠中に内服できる薬や漢方薬もあります。ただし、妊娠中は自己判断で市販の口内炎の薬を服用せず、必ず産婦人科医に相談しましょう。

●その他
歯周病や口の中の怪我、胃腸障害、ホルモンのバランスが崩れても生じます。

このように、口内炎の原因はそれぞれ全く違います。まずは症状や原因を観察して、その後対処方法を選ぶようにしましょう。

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口内炎の予防/治療法

口内炎の予防策


口内炎を予防、治療するためには、日々の体調管理をしっかりとすることが重要となってきます。以下のような対策が有効です。

・ストレスや疲労を過度に蓄積させないように睡眠や休息をしっかりと取り入れること。
・食事においてもビタミンの豊富な緑黄色野菜などを摂取するようにして栄養のバランスを保つことが効果的

・口腔内の粘膜を刺激したり傷つけたりしないように注意することも必要。主な方法としては、スープ類などの熱い飲み物はゆっくり飲み火傷をしないようにしたり、魚を食べるときは骨を取り除いてから食べるようにする、など。

・口腔内を清潔に保つことも口内炎の予防や治療に繋がる。

・食後には歯磨きを丁寧に行うようにし、定期的に歯医者で歯科検診を受けて問題などがあった場合はすぐに治療をしてもらう。

・入れ歯などをしている人は入れ歯が自分に合っているかの確認や、定期的にブラッシングをするといったメンテナンスをしっかりと行い、ウイルスや細菌に感染しないように予防する。


これらのことに注意して口腔ケアなどをしっかりと行うことが、口内炎の予防に効果的です。

それでも口内炎ができてしまった場合は、いつもよりも十分な睡眠時間をとり、バランスの良い栄養を摂取するなど身体を休ませるようにしなくてはなりません。

その他にも、口内炎が発生した場所に軟膏などの塗り薬を使用するなどの方法もあります。

しかし、ウイルス感染や細菌による口内炎の場合は個人で治療するのが難しく、場合によっては原因ウイルスの特定をして抗生物質の投与などによって治療をすることも必要となる場合があります。

また、他の病気による二次症状によって口内炎が発生することもあるので、あまりにも治りが遅いと思ったり、異常を感じるようなことがあれば早めに専門機関の受診をして、治療に臨むことが大切となります。

口内炎治療に効果的な食べ物


・ビタミンB2
ビタミンB2の不足は、疲労や抵抗力の低下とともに、口内炎の主な原因の一つとしてあげられています。

ビタミンB2を多く含む食品としてまず挙げられるのは、牛や豚、鳥などのレバーです。また、魚にもビタミンB2は含まれており、特にウナギ、カレイ、サバなどに含有量が多くなっています。さらに牛乳や鶏卵でもビタミンB2を摂取することができます。

・亜鉛
特に日頃から口内炎になりやすい人は、亜鉛が足りていないことが考えられます。

口内炎はタンパク質の合成を活性化することによって改善されますが、それには亜鉛が必要です。亜鉛の1日の推奨量は、成人女性で8mg、成人男性10mgです。亜鉛は牡蠣やうなぎ、牛肉のもも肉などに多く含まれ、サプリメントでも手軽に摂取できます。

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