片頭痛の症状

生活に支障が出ることもある片頭痛の症状


片頭痛の症状は、ズキンズキンとした痛みが脈に合わせて起こります。

痛みがある部分は主に頭の片側で、両側に起こる場合もあります。ひどくなると頭全体が重く痛くなります。

痛みの長さはそれぞれ個人差が大きくあり、数時間でおさまる人もいれば、数日間続く人もいます。その痛みの程度も、仕事や家事、勉強に手がつかなくなるほど重たい人もいます。

身体を動かすと痛みが強くなるため、つらくて寝込んでしまう人も少なくありません。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

五感が過敏になることも


片頭痛が起こっている最中は、光や音に過敏になると言われています。

実際に片頭痛が起こっている最中に、明るい部屋や太陽の光の降り注ぐ屋外にいると頭痛が悪化すると言われています。

騒音はもとより小さな音にも敏感に反応してしまうようになるので、一旦頭痛が始まってしまったら、暗い静かな部屋でじっとしているのが一番良いでしょう。

また、身体を動かすと痛みが強くなることから、運動や入浴をすると悪化させてしまうと考えられています。

血管拡張により、脈拍に合わせた痛みが現れる


片頭痛は、血管性の要因により、片側性もしくは反復性に生じる頭痛の総称です。

硬膜血管あるいは頭蓋外血管の異常拡張による頭痛であり拍動性です。

急性アルコール中毒発熱、血圧上昇(急激)でも起こりますが、それぞれの原因が明らかでなく、発作的に反復性に起こるものです。

発作時以外はまったく症状がないことが特徴です。

頭痛の程度は強度であることが多く、片側性にズキズキと痛むと表現されることがしばしばあります。ホルモンバランス、体質、素因の関与のほか、血管作用性物質も重視されています。

前兆のある片頭痛と前兆のない頭痛


国際頭痛学会による分類ICHD-3β(国際頭痛分類第3版beta版)によれば、前兆があるかどうかによって「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」の2つに大まかに分かれます。

★前兆のない片頭痛
・痛みの発作が4時間~3日間ほど続くこと、片側だけが痛かったり、脈打つような痛みがある
・日常的な動作で痛みが増す、といった症状がある
・痛みの発作中に、悪心や嘔吐などの症状がある
・光や音が敏感になる
・傾向が見られることなどの症状が5回以上起きていること

●前兆の具体例
・目の前にチカチカと光が走る
・視野の中心部が見えにくくなる
・生あくびが出る
肩こりや首のこりが起こる

★前兆のある片頭痛
・視覚、感覚、言語、運動などの機能に異常があること
・脳幹や網膜に異常が見られること
・前兆となる症状が5分以上の時間をかけて徐々に進行、または2つ以上の症状が同時に起きること
・前兆症状が5~60分間つづくこと
・最低1つの前兆症状は頭の片側で起きること
・前兆症状と同時に、または1時間以内に頭痛が発生すること
・これら症状が2回以上起きていること

片頭痛のこの2つのタイプのうち、「前兆のある片頭痛」にかかっている人は全体の約20~30%であると言われ、残りの人たちには「前兆のない片頭痛」が発生していることになります。

片頭痛 チェックシート


過去3ヶ月程度の頭痛についてチェックしてみてください。

当てはまる項目が多いほど、片頭痛の可能性が高くなります。

頭痛外来も増えてきているので、無理に痛みを我慢せず気軽に病院へ足を運んで下さいね。

1、歩行など日常的な動作で頭痛がひどくなり、じっとしていると改善される
2.頭痛に伴い、吐き気や胃の不調が起こる
3.太陽や電気など、光で痛みが増す
4.臭いにより痛みや吐き気が誘発される

そのほか注意したほうがいい頭痛


■目の奥が痛くなる群発頭痛
頭痛は疲れを感じると痛みが出てくるという方も多いと思います。

頭痛の中でも特に痛みを強く感じるものに「群発頭痛」というものがあり「目の奥をえぐられるような痛み」と表現されます。

この群発頭痛は、周期的に痛む時期が訪れ、数週間〜数カ月間の一定期間は毎日同じような時間帯に、耐え難い激しい頭痛をきたす疾患です。

片方の眼窩部周辺、目の奥が主に痛みの出る場所で、痛みが出るタイミングも同じような時間帯に出ること、男性に多くみられることがこの頭痛の特徴です。

激しい頭痛が、毎日同じような時間帯に強い頭痛を感じる方は、群発頭痛の可能性もあります。

■チカチカした光が生じる片頭痛
キラキラ、チカチカした光が視界に現れます。10〜30分ほどで光は見えなくなることが多く、続いて片頭痛が生じる場合があります。

脳の血管が収縮し血流が悪くなることで生じる症状ですが、このとき血管が収縮したり拡張したりすることで、周囲の脳神経が刺激され、片頭痛が生じるのです。

20〜30代の若年タイプの閃輝暗点と片頭痛は、年齢とともに発症の頻度が減っていく傾向にあります。どの年代についても、月に4〜5回以上症状が起こる場合は、精密検査を受けることをおすすめします。

頭痛は症状によってタイプがあります!

視界がチカチカ・・・片頭痛の前兆について相談がありました。

片頭痛の原因

現在、片頭痛の原因は特定されていません。

何らかの理由によって頭部の血管が急激に拡張することによって頭痛が起こるとされています。

その理由についてはいくつかの説がありますが、ここでは代表的な2つの説についてお伝えします。

1.血管説


頭部の血管が縮小した後に急激に拡張してしまうため頭痛が起こるという血管説です。

セロトニンという物質が血管を一旦収縮させるのですが、そのあと時間とともにセロトニンは分解されます。

それにしたがって、一旦収縮していた血管がどんどん拡張されます。

このように血管の動きの振れ幅が大きくなることで、ひどい頭痛が起こってしまうという説です。

2.三叉神経血管説


何らかの刺激によって顔面周辺の神経をつかさどる、脳神経の中で一番大きな三叉神経が刺激されることにより、その働きによって拡張された血管が神経を刺激して痛みが起こると考えられています。

どちらも血管が拡張するということが鍵になってきますが、その原因が何なのかはいまだによくわかっていません。

片頭痛を引き起こす要因


1.寝不足・寝すぎ
寝不足や寝過ぎなど、良質な睡眠ができていない時、頭痛が起こることもあります。

片頭痛は、予防が大事なので、日頃から良質な睡眠をとるように心がけ、週末の夜更かしや二度寝、寝だめなど不規則な睡眠に気をつけ、バランスのよい食事をとるようにしましょう。

2.雨の日
雨や台風のときの頭痛の多くは、気圧の変化が背景にあります。また、気圧の変化で自律神経のバランスが崩れるなどの影響を受けていることもあります。

3.ストレス
ストレスを受けると血管が収縮し、その後血管が拡張した際に炎症を起こしやすくなるため、脈打つような痛みなど片頭痛特有の症状を引き起こすことがあります。

4.寒さ
寒い日は「冷え」から片頭痛を引き起こしているかもしれません。

寒い屋外から暖房の効いた部屋に入ったときに、脳は血管の収縮と拡張を引き起こし、それが周囲の神経を刺激して、頭が痛くなります。

そんな時は、落ち着いた場所で、白湯などの暖かい飲み物をゆっくり飲み、ストレッチやヨガをしてゆっくりと、体を温度にならすことが大切です。

外出する時は、温度差を感じないように、防寒対策をバッチリして出かけることをおすすめします。

5.血糖値
血中のコレステロールをコントロールすることで頭痛が発生することを予防することができます。

血糖値を急激にあげすぎないことがポイントになります。

片頭痛の予防/対処法

片頭痛の予防法



自分がどういった時に片頭痛が起きるのかを知ることで片頭痛は予防できます。

・人混みの中に行くと起こる
・睡眠不足の時に起こる
・うるさい音を聞くと起こる


というように、片頭痛が起きてしまう環境やシチュエーションを特定し、自分がどういったときに片頭痛が起きるのかを知ることで予防するようにしましょう。

また、ストレス状態から解放されると片頭痛が起こることがあるという点から、ストレスをためないことも予防策と言えます。

まずは規則正しく生活することが大切です。バランスの偏った食事や寝過ぎ、逆に寝不足状態にならないようにすることが予防につながります。

片頭痛が起きたときの対処法


軽い片頭痛がある場合、鎮痛剤を早めに飲むのが一番です。

次に有効なのは、暗く静かで刺激のない部屋の中で横になることです。そのまま眠ってしまっても構いません。

カフェインを含んだ甘い飲み物をとることも応急処置としてすすめられますが、カフェインのとり過ぎには注意してください。

それでも頭痛が治まらないときは、痛んでどくどくと脈打つ部分を押さえたり、冷やしたりすると、ある程度楽になる可能性があります。

片頭痛にいいツボ
片頭痛の症状を即効で抑えるというツボがあります。それは側頭部にある「角孫(かくそん)」と呼ばれるツボで、耳の先端と同じ高さに位置しています。角とは「耳の先端」を指すといわれています。

そこを優しく押してあげましょう。角孫は、片頭痛の他にも、歯の痛みなどにも効果的です。

しかもその場しのぎではなく、定期的にツボ押しをすることによって、頭痛が起こりにくい体質へ変わるといわれています。

市販のグッズを利用
片頭痛は、熱を感じると余計に血管が拡張してしまうので、冷やす事が大切です。そこで、市販の冷却シートや冷却まくらを使うといいでしょう。

ドラックストアやコンビニなどで手ごろな値段で手軽に購入できるので、出先で片頭痛に襲われたときも便利なグッズです。その他に冷却アイマスクも症状を緩和させます。ユーカリやミントなど清涼感のある香りも、片頭痛の症状を和らげるので活用するといいでしょう。

片頭痛が起きてしまうと周囲の臭いや光さえも刺激になってしまい、片頭痛を悪化させてしまう恐れがあります。アイマスクをして座ってゆっくり休息を取ることで症状が和らぎます。