不眠症の症状


不眠症の症状は、大きく4つに分けられます。

不眠症4つの症状


1.入眠障害:なかなか寝つけない
不眠症に一番多い症状です。眠りにつくまでに3時間以上かかる人もいます。

そのため、夜眠ったと思ったらすぐに朝がきてしまう状態になります。しかし一度眠りにつくと朝まで起きない場合が多いようです。

睡眠中に出現する四肢の周期的な不随意運動である周期性四肢運動障害が原因になることもあります。

2.中途覚醒:眠りの途中で目が覚める
寝ている間に、何度も夜中に目が覚めてしまい熟睡ができないタイプです。

熟睡できないために眠った気がしないので、昼間に身体のだるさを訴えることがあります。うつ病の一症状で見られることもあります。また周期性四肢運動障害が原因になることもあります。

3.早朝覚醒:朝早く目が覚める
どんなに遅く寝た場合でも朝早く目が覚めてしまいます。一度起きると眠れなくなってしまう場合が多いです。

この場合も。ぼーっとしてしまい仕事が手につかない、など昼間の行動に支障が出ます。うつ病の一症状で見られることもあります。

4.熟眠障害:ぐっすり眠った気がしない
眠りが浅く、少しの物音でも目が覚めてしまう症状です。神経質な人や高齢者に多く見られ、眠りの質が悪く、浅い眠りとなってしまうため夢をよく見ることが特徴です。このタイプの場合、長く寝てもなかなか疲れが解消されません。睡眠時無呼吸症候群や足がびくんびくん動く周期性四肢運動障害といった病気が関係していることもあります。

症状はこのように分けられますが、不眠症の人の多くはこれらの症状を複数持っていることが多いです。

眠りに付けない日々が続くと「また眠れないのでは」と緊張するようになり、余計に眠りに入ることができなくなることもあります。このことにより精神的な疾患を併発することがあります。

不眠とともに起こる症状


・吐き気
睡眠不足からもし吐き気が起きたら体の危険信号です。

不眠が続くと体力が消耗し疲労がたまり、吐くことで楽になろうと体が機能します。体が正常機能しなくなり、めまいや吐き気など引き起こしてしまうのです。

吐き気を解消するためには、睡眠不足を解消するのが一番です。そのため、吐き気のある日はできるだけ体に負担をかけないこと、睡眠の質を改善することが重要になります。

睡眠の質をよくするためには、できるだけ就寝前はリラックスし、就寝環境を整えること、体内リズムを整えて、睡眠時間をしっかり確保することが大切です。

・自律神経の乱れ
人間の体には体を動かす交感神経、体を休ませる副交感神経の2種類の自律神経が存在します。そして2種類の自律神経の働きが乱れると、不眠症の原因となる可能性があります。

通常、睡眠時は体を休ませる副交感神経が強く働きますが、不眠症になると副交感神経が上手く働かないのです。昼夜逆転した不規則な生活を送ると自律神経が乱れやすくなります。また、ストレスや不安などで心と身体の緊張状態が続く場合でも自律神経が乱れる可能性があります。

不眠症の対策として日中に太陽の光を浴びることが大切です。日中に太陽の光を浴びると、脳内でホルモンが分泌されます。そのホルモンによって、夜に眠りやすくなるのです。また、オレンジ色の光は体を休ませる副交感神経を刺激するので、部屋の電球をオレンジ色に近い色に変えるのも効果的です。

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不眠症の原因


不眠症の原因はさまざまです。ここでは代表的なものをお伝えします。

ストレスによるもの


親しい人の死や人間関係など、心理的なストレスで起こります。

それらの原因が取り除かれたあとも眠れない状態が続くと、眠れないのではないかと不安になり、それが原因で眠れなくなり慢性的な不眠症となることがあります。

生活習慣に基づくもの


睡眠時間が不規則だったり、睡眠環境がよくない場合や昼間の活動量が不足して起きる生活慣習に原因がある場合です。

・眠る前にコーヒーやアルコールを大量に摂る
・寝る直前までスマートフォンなど電子機器を使う
・運動不足


などが挙げられます。

ほかの病気に起因するもの


身体のさまざまな病気やその病気による症状(頭痛、咳、痛み、かゆみ、悪心、下痢、発熱、頻尿など)が原因で不眠が起こることもあります。

不眠症を引き起こす病気には、まず高血圧糖尿病があります。糖尿病は多尿やのどの渇きなどをもたらすため、眠りの質の低下につながります。

また、泌尿器科系の病気である頻尿によって、夜中に何度も目が覚めてしまうことがあります。呼吸器系の病気である睡眠時無呼吸症候群や、その他の呼吸困難につながる疾患も、その息苦しさから不眠症の原因となります。

それに加え心の病気での不眠もあります。うつ病や不安障害、統合失調症などの精神疾患の症状に不眠があります。単なる不眠だと思っていたらうつ病だったというケースは少なくありません。

またバセドウ病やクッシング病などの内分泌疾患などが原因の不眠もあります。

そのほか、脳腫瘍アルツハイマー型認知症、脳血管障害でも不眠を訴える患者が多くいます。

服用中の薬の副作用


不眠を起こす薬には、抗がん剤、インターフェロン、経口避妊薬、ステロイド薬、アレルギーの薬、降圧剤や風邪薬などがあります。

不眠症の予防/治療法

安眠のコツ:早寝早起き!!


生活リズムを整えることから始めましょう。睡眠や覚醒は体内時計で調整されています。平日や休日にかかわらず一定の時間に起床・就寝を心がけるのが大切です。

睡眠時間には個人差があるので、自分の満足できる時間数の確保が望ましいです。

体内時計は、太陽を浴びることによって調整されます。光を浴びてから14時間目以降に眠気が起こると言われています。朝起きたら陽の光を浴びるようにしましょう。

反対に、夜に強い照明を浴びると体内時計が遅れて早起きが辛くなります。つまり早起きをすることは早寝につながると覚えてください。

安眠のコツ:ストレスを解消する!


一番大切なのがストレスをためないことです。音楽や読書、スポーツ、旅行などの趣味で気分転換しましょう。

自分の趣味の時間を持つことでストレス解消をおこなったり睡眠前にぬるめのお風呂にゆっくり入ってリラックスしたりすることも睡眠の質の向上につながります。

快眠に効果のあるツボ


首の後ろ側、耳の後ろの下に向かって出っ張っている骨(乳様突起)から、指の幅一本分下にあるツボが「安眠」です。

不眠症の方は、この部分が凝り固まっている傾向にあり、押すと痛みを感じることがあります。自分の身体が安眠を欲しているかどうかのバロメーターにもなるツボといわれています。人差し指から薬指の三本を使って全体をさするか、親指を使い5~10回ほど押しながら揉みます。

他に、頭のてっぺんの中央にある「百会(ひゃくえ)」、人差し指と親指の間のくぼみにある「合谷」も不眠症に効果のあるツボといわれています。

快眠に効果的な食べ物


日常的に食べることで快眠にいいといわれているのは、大豆、そら豆、いんげん、発芽玄米等の豆や種子に含まれる「ギャバ」、レタス、サラダ菜、サンチュ等の葉物に含まれる「ラクチュコピクリン」、魚や肉等に含まれる「トリプトファン」があげられます。

朝昼は活動するためしっかり食べ、夕飯は逆にやや控えめにして、眠る直前には食べないように心がけましょう。

なかなか寝付けないときは「トリプトファン」をふくむ、ホットミルクを飲むのが効果的です。温めることにより消化しやすくもなります。

快眠に効果的な運動法


睡眠の質をあげる運動としておすすめなのが有酸素運動です。

睡眠は、脳と体どちらか一方のみの疲れの場合、アンバランスとなりますが、脳と体、両方が疲れを感じることで、睡眠の質の向上につながります。

脳は仕事などで疲れていることが多いので、運動をして体に疲れを感じさせることがカギとなります。有酸素運動が効果的なのは、運動後にすっきりとした爽快感を伴うことと、自律神経の向上が合わせて得られやすいためです。

1回30分から60分ほどの有酸素運動を、寝る前3時間前までに行うことで、日頃より自律神経の働きが安定している状態となり、睡眠の質を高めてくれます。

どうしても眠気が起きないときは・・・
寝床から出て気分転換をしましょう。

昼間に眠くなってしまったら・・・
睡眠時間が少ない為に、日中眠気に襲われたら15時前までに30分以内の昼寝をとるとよいでしょう。

不眠症の治療法


まずは生活習慣の見直しで改善します。

体内時計を正常に戻すため『光療法』を行い、本来の睡眠時間に身体のリズムを合わせていきます。

睡眠補助剤を使うこともあります。
ただし、医師の診断や処方箋が必要ですので自身の状況を正確に伝えるようにしましょう。

不眠の原因がほかの病気に起因する場合は、その病気の治療を行います。

まずはあなたの眠りの質、チェックしましょう!